議決権
優先株の株主は一般的に議決権を持たないため、企業の意思決定への関与は限定的です。一方、普通株の株主は通常、議決権を持ち、取締役の選任など企業統治に関わる意思決定に参加することができます。
資産に対する権利
企業が清算される場合、優先株の株主は普通株の株主よりも企業資産に対して高い権利を持ちます。(ただし債券保有者よりは下位です。)この優先順位により、優先株は普通株よりも比較的安全性が高く、企業が財務的困難に直面した際にも投資の一部を回収できる可能性が高まります。
価格の安定性
優先株は、その価値が金利や配当支払いにより強く影響されるため、普通株よりも一般的に価格変動が小さい傾向があります。一方、普通株は企業の業績や投資家心理を反映して市場変動の影響を受けやすく、より不安定になりがちです。
転換性
一部の優先株には転換機能が付いており、保有者はあらかじめ定められた数の普通株に株式を転換することができます。このオプションにより、企業の普通株が好調に推移した場合には値上がり益を享受でき、同時に優先株の固定配当による安定性も維持することが可能になります。
繰上償還権
多くの優先株には繰上償還権という特徴があり、発行企業は一定の日付以降に、あらかじめ定められた価格で株式を買い戻すことができます。この特徴は普通株ではあまり見られません。コーラブル優先株は魅力的な利回りを提供しますが、予想より早く株式が償還されるリスクを伴うため、将来の利益が制限されることがあります。
優先株の種類
優先株にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴やメリットを持っています。これらは投資戦略やリスク許容度に応じて活用することができます。
1. 累積型優先株
このタイプの優先株には重要なメリットがあります。企業が配当の支払いを停止した場合でも、その未払い分は累積され、普通株の株主に配当が分配される前に、累積型優先株の株主へ支払われなければなりません。
この特徴により、収入重視の投資家にとって追加的な安心感が得られ、未払い配当が最終的に支払われることが保証されます。
2. 非累積型優先株
累積型優先株とは異なり、非累積型優先株は未払い配当を累積しません。企業がある期間に配当を支払わないと決定した場合、その配当は投資家にとって永久に失われます。
このタイプの株式はリスクが高いものの、発行企業が財務的に安定しており、継続的に配当を支払う場合には、より高いリターンを得られる可能性があります。
3. 参加型優先株
参加型優先株の株主は、企業が一定の利益水準など特定の財務目標を達成した場合、固定配当を超える追加配当を受け取る権利があります。
さらに、企業が清算される際には、参加型優先株の株主は元本の返還に加え、すべての債務やその他の義務が精算された後に残余資産の一部を受け取ることができます。
4. 転換型優先株
このタイプの優先株には、あらかじめ定められた数の普通株に転換できるオプションが付いています。転換機能により、投資家は優先株の固定配当による安定性を享受しつつ、企業の普通株が好調に推移した場合にはその値上がり益を得ることができます。
特に、企業の普通株が大幅に値上がりすると予想される状況では、転換型優先株は魅力的な選択肢となります。
5. 永続型優先株
永続型優先株には満期日がなく、発行企業が存続し、配当の支払いを継続する限り、理論的には無期限に配当を受け取ることができます。
このタイプの株式は、満期を気にせず長期的な収入源を求める投資家にとって魅力的な選択肢となります。
6. 繰上償還可能株
「償還可能優先株」とも呼ばれるこのタイプは、発行企業が一定の日付以降に、あらかじめ定められた価格で株式を買い戻すことができます。企業は金利が低下した場合、より低い配当率で新しい株式を発行するために、既存の優先株を繰上償還することがあります。
投資家にとって、コーラブル優先株は繰上償還リスクを補うために高い初期利回りを提供しますが、予想より早く償還される可能性があり、将来の利益が制限されるリスクも伴います。
7. 変動金利型優先株(ARPS)
ARPS(変動金利型優先株)は、米国財務省短期証券利率やLIBORなど、あらかじめ定められた指標に基づいて配当率が定期的に調整されます。このタイプの優先株は、金利変動に対する一定の保護をもたらすため、金利が上昇する局面において魅力的な投資対象となります。
8. トラスト優先株
金融機関によって発行されるトラスト優先株は、債券と株式の両方の特徴を兼ね備えています。形式的には債務の一種ですが、発行企業のバランスシート上では株式として扱われます。これらの株式は通常、高い配当を提供しますが、債券と優先株の両方に関連するリスクも伴います。