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Saxo Group
サマリー: サクソグループの2026年の大胆予測をご覧ください。実現の可能性は低いものの、大きな影響を及ぼすかもしれない注目事項についてまとめました。
未来はほとんどの場合、一直線には訪れません。テクノロジー、文化、政治のいずれであっても、変化や進化は年ごとにゆっくりと進むことが多いものです。しかし、突然、大きな転換が起こることがあります。サクソグループの大胆予測は、そうした転換点に焦点を当てています。これは公式な見解や予測ではなく、低確率ながら高い影響力を持つ思考実験であり、想像力を広げ、予期せぬ急展開が起きた場合に何が起こり得るかについて議論を深めることを目的としています。
ここでは、2026年に起こり得る8つの型破りな展開を巡る旅に出てみましょう。
第1に、テクノロジー分野。 暗号技術を考えてみてください。もし2026年に「Q-Day (量子コンピュータが現在の公開鍵暗号(RSAやECCなど)を実用的に解読できるようになる瞬間)」が突然訪れたらどうなるでしょう。暗号資産は崩壊し、金価格は5桁に跳ね上がり、銀行や政府はポスト量子時代のセキュリティ基盤を再構築するために奔走します。
第2に、文化。 市場は文化の急変がマクロ経済を動かすことを発見します。ある一組のカップルの結婚―テイラー・スウィフトとトラヴィス・ケルシー―がZ世代を「ドゥームスクロール (スマホでネガティブニュースを延々と見る生活)」から、庭いじりや結婚・子育てへと導きます。出生率と世帯形成が急増し、経済学者は冗談で「スウィフティ・プット」という新しい言葉を生み出すでしょう。
第3に、政治。 最近の激しい党派対立は、米国中間選挙での醜い党派的策略をきっかけに、沈黙していた無党派層が改革と民主主義の強化を求めることで一変します。トランプはトランプのままですが、アメリカは前進し始めます。
第4に、医療。 GLP-1肥満治療薬が錠剤化され、人間だけでなくペットの健康も変革します。ウエストサイズは縮み、寿命は延び、食品業界は「軽やかな世界」に適応すべく再構築を迫られることになります。
第5に、大気圏外。 大気圏の外に目を向けたとき、資本市場は次のフロンティアを発見します。スペースXの新規株式公開(IPO)を行い、評価額が1兆ドルを突破することで、「宇宙経済」が単なるスローガンから現実の投資対象へと変わります。軌道上製造や月面プロジェクトが、SFの世界から現実の投資委員会の議題へと変貌を遂げるのです。
第6に、地球上では、 AIモデルがフォーチュン500企業のCEOに就任するという展開です。エゴを持たずに意思決定を行うAIが登場し、企業の取締役会は「人間と機械のパートナーシップ」という、これまで考えられなかった可能性を真剣に検討せざるを得なくなります。
第7に、地政学。 近年常に市場の注目を集めてきた地政学の分野では、中国が貿易決済のために金連動型オフショア人民元を導入し、国際的な通貨の秩序に挑戦します。米ドルは依然として「王」ではありますが、「唯一の王」ではなくなるかもしれません。
最後にAI。AIが企業経営を支援する可能性が注目される一方で、現実には「未熟なAI」―つまり、適切に管理されていないエージェントや自律型自動化システムが大量に誤作動を起こし、数兆ドル規模の後始末が必要になるという事態が発生します。この結果、現代社会のコードベースを「消毒」する新たな職業、「AIジャニター(清掃員)」が誕生することになります。
もちろん、次なる衝撃は、私たちが最も注目しているAIや地政学といった分野からやってくるかもしれません。しかし、それらの分野で起こり得る展開やその影響は、現在の市場価格には織り込まれていない可能性があります。また、量子技術は依然として「夢物語」に過ぎないかもしれませんが、突如として世界を根底から変える可能性もあります。地政学的な変化や文化的な革命は、特に社会が深刻な格差に苦しんでいるときには、最も衝撃的な変化をもたらすことがあります。
繰り返しますが、サクソグループの毎年恒例の「大胆予測」の目的は、来年を予測することではなく、視野を広げることにあります。世界が急転する時、何が壊れ、何が繁栄し、何が不意打ちとなるのかを考えるきっかけを提供することにあります。これらのシナリオに異論があるとしても、それはむしろ歓迎すべきことです。議論を深めることが、将来起こり得るあらゆるサプライズに備える助けとなるのです。