AIはポートフォリオを大きく変えるか? AIはポートフォリオを大きく変えるか? AIはポートフォリオを大きく変えるか?

AIはポートフォリオを大きく変えるか?

ハンス・オウツホールン

インベストメント・コーチ(Saxo Group)

サマリー:  ChatGPTの発表とNvidiaの最近の株価上昇により、人工知能(AI)関連銘柄が投資家の注目を集めています。本レポートでは、収益成長への期待が高いAIに投資を行う様々な方法をご紹介いたします。


5月25日、Nvidiaの株価は24%高で引けました。パーセンテージでは、上場企業としての過去最大の上げ幅とはならなかったものの、時価総額としては最大を記録しました。同社の価値は1日の取引で1,850億ドル高まりました。アナリストのコンセンサス予想を大幅に上回る並外れた増収増益見通しが株価を押し上げました。GPUチップのサプライヤーとして業界をリードする同社はAIの研究・開発への投資拡大から最大限の恩恵を享受できる立場にあります。Nvidiaの業績見通しはAIブームが本物であることを証明し、かつてない方法でAIを世界に知らしめました。

AIとは何か?

人工知能(AI)とは、人間の知的な活動を機械により再現しようとすることを意味します。外部データを正しく解釈し、そのデータから学習し、習得した教訓を利用して特定の目標やタスクを達成する能力を持つシステムです。

AIには基本的に、弱いAIと強いAIの2つの形態があります。弱いAIは、ある程度知的ではあるものの真に知的ではない行動が可能な、限定されたサブ分野におけるアプリケーションの研究・開発に関わります。例えば、チェスプログラム、チャットボット(リアルタイムで短文のやり取りを行うプログラム)、検索エンジンなどです。

一方、強力なAIは、問題を推論して解決する能力と自己認識を持つ可能性のあるコンピュータやソフトウェアの研究に取り組みます。ChatGPTや生成AIは強いAIに近いものです。

一言で言えば、AIを使ってビジネスプロセスを自動化し、最適化することができるものです。例えば、Dow Chemicalや DuPont de Nemoursのような総合石油化学企業は、AIを使えば、いつ、どこでメンテナンスが必要かを判断することができます。また、高性能の手術ロボットというAIも存在し、医師が正しい診断を下し、(したがって)治療計画を改善することを手助けします。

しかし、それ以外にも多くの用途があります。例えば、AIは詐欺の検出に役立つだけでなく、過去の興味や評価に基づいて音楽(Spotify)や映画(Netflix)を推薦することもできます。

つまり、AIは私たちの日常生活のいたるところで適用が可能で、将来的にはほとんどすべての分野でAIが不可欠な要素となる可能性が高いでしょう。このことは、AI技術やアプリケーションに対する需要の高まりに乗じようとする投資家にとってチャンスを提供します。

新たな技術への投資

AI分野は高い成長が見込まれます。調査会社Statistaのレポート「世界の人工知能市場規模2021-2030年」では、その市場規模が2021年の1,000億ドルから2030年には1.8兆ドルに達すると算出されています。これは年率換算で38%の成長率に相当します。しかし、これは一つの予測であり、私たちがこれまで目撃したことのない新技術の成長を予想したものであることに留意すべきです。

AIに投資を行う方法の一つは、「壮大なる7銘柄」(The Magnificent Seven)と呼ばれるAmazon、 Alphabet (Google)、Apple、Meta、Microsoft、Nvidia、Teslaに投資することです。これらの企業はいずれもAIの開発と応用において重要な役割を担っていますが、その収益の柱はまだAIではないことを覚えておく必要があります。また、個別銘柄への投資は一般的に投資信託やETFを通じた分散投資よりもリスクが高いことも認識しておくべきです。

AI関連銘柄に連動するUCITS ETF(欧州連合の法律に従って設立・運用されているETF)のうち、十分に分散化され、コストも許容範囲であるのは、L&G Artificial Intelligence UCITS ETFとWisdomTree Artificial Intelligence UCITS ETFの2つです。両ETFとも、モーニングスターの持続可能性レーティングで5段階のうちの3段階以上の評価を獲得しています。しかし、どちらのETFもモーニングスターの総合レーティングは付与されていません。

L&G AI ETFは現在、Alphabet (Google)、Global Unichip, Nvidia、Shopifyなど、有名無名を問わず68の銘柄を保有しています。一方、WisdomTree ETFはBlackberry、C3.AI、Nvidia、Upstart.など62銘柄を保有しています。運用コストはそれぞれ年間0.49%(L&G)と0.40%(ウィズダムツリー)です。両ETFとも複数の市場で取引されており、ユーロ建てとドル建てがあります。

L&GのETFの主要な目標は、ROBO Global® Artificial Intelligence Index TRに連動することであり、WisdomTree ETFはNasdaq CTA Artificial Intelligence NTR Indexに連動することです。どちらのETFも、コストを除いたベースで、ベンチマークのパフォーマンスにほぼ追随し、これまでのところ運用目標を達成しています。

両ETFとも、配当利回りは年率0.25%から0.75%で、積立型で配当は自動的に再投資されます。AIセクターの株式バリュエーションは非常に高く、多くがキャッシュフローを成長のために再投資しているため、これらの銘柄の基本的な配当利回りは低いのが普通です。

AI関連銘柄に投資する際に考慮すべき主なリスクは、当然ながら市場リスクそのものです。また、このセクターの株式バリュエーションが高いことも重要なリスクであり、金利が上昇した場合には、そのリスクが増す可能性があります。これら企業の成長に対する期待は非常に高く、来る第2四半期決算の発表はその期待を試す重要な試金石となるでしょう。AI関連企業のほとんどは米国に拠点を置いているため、AIテーマへの投資には米ドルリスクが伴います。L&G ETFの運用リスク、実績リターン、コスト、通貨スプレッドに関する詳細情報はこちらから、WisdomTree ETFの詳細情報はこちらからご覧いただけます。

AIというテーマは、間違いなく世界の株式市場にとって今年最大の驚きでした。本レポートでは、インターネット黎明期以来、その将来に最も楽観的な期待が寄せられる、この新技術への投資を行うための様々な方法を取り上げます。
 

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