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前週の市場総括と今後の展開 - 2025年6月10日

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コーエン・ホーレルベケ

オプション戦略責任者

注:当記事はマーケティング用の資料です。

前週の市場総括と今後の展開

2025年6月10日 (2025年6月2日~10日の週の振り返り)

主なニュースと動向

株式市場は、米中貿易のニュースの見出しの変化、新たな関税措置、政治的な雑音を切り抜けました。S&P500は、好調な米国の雇用統計に支えられ、2月以降初めて6,000を上回って週を終えました。ボラティリティは序盤の神経質な様子が薄れ、主要中央銀行は政策転換を示唆しました。暗号資産とコモディティは、より広範なマクロのムードに追随し、銀と鉄鋼が際立っていました。


株式

米国株式は、トランプ大統領と習近平主席の米中貿易交渉の可能性をめぐる楽観的な見方から、週明けに堅調に取引を開始しました。鉄鋼メーカー(クリーブランド・クリフス(Cleveland-Cliffs)+23%、ニューコア(Nucor)+10%)は関税のニュース(6月3日)で急騰し、自動車株(フォード・モーター(Ford)、GMは-3.8%)はEUでの売上低迷で下落しました。Nvidia(エヌビディア)と他のハイテク企業が上昇を主導し、S&P 500は金曜日(6月6日)に6,000を超える過去最高値を記録しました。

Tesla(テスラ)は、トランプ大統領がマスク氏との政府契約を取り消すと脅した後、6月5日に14%下落しましたが、緊張が緩和された6月6日には反発し、3.7%上昇しました。

欧州の独DAX指数と仏CAC40指数は、法人税の減税と広く予想されていたECBによる25bpの利下げ(6月6日)を受けて上昇しました。英国のFTSE100種総合株価指数は、6月6日のワイズ(Wise PLC)(+7%)の力強い上昇に支えられ、新高値を更新しました。アジアはまちまちで、日本市場と韓国市場では半導体輸出企業と電気自動車(EV)企業の株式がアウトパフォームした一方、香港市場はハイテク企業の弱さと新たな貿易摩擦による緊張状態を受けて遅れをとりました。


ボラティリティ

市場のボラティリティは、今週を通じて着実に低下しました。VIX指数は月曜日の18以上から6月5日の終値17.61まで低下し、トレーダーがヘッジのポジションを解消したことで見通しが落ち着いたことを反映しています。金曜日(6月6日)に、VIX指数は一時的に18.35に達しましたが、堅調な米国雇用統計を受けて株式が上昇したため、下落して取引を終えました。短期的なボラティリティ指標も緩和され、投資家が週末に向けて安心感を得ていたことを示唆しています。


デジタル資産

暗号資産市場は、先週の序盤に下落し、その後、安定しました。ビットコインは104,800ドル(6月5日)を上回った後、6月6日に103,135ドルに下落しました。イーサリアムも同様の道筋をたどり、金曜日には2,463ドルで取引を終えました。

ブラックロックIBIT ETFは週半ばに安定した資金流入を記録しましたが、リスク選好が冷え込んだ6月6日に4月以来の資金流出となりました。iShares Ethereum Trust ETF(ETHA)は、週後半に下落したにもかかわらず、前月比で力強い成長を遂げました。暗号資産のボラティリティは数年ぶりの低水準にとどまっており、オプション市場では深刻な下落の恐れはほとんどありませんでした。


債券

米国債利回りはマクロのデータとともに変動しました。利回りは、弱い雇用に関するデータ(ADP雇用者数や新規・継続失業保険申請件数)とISM(購買担当者景気指数)のデータを受けて4.40%(6月5日)を下回りましたが、その後、5月の好調な雇用統計を受けて4.51%(6月6日)回復しました。

ECBは6月6日に25bpの利下げを行いましたが、今後の利下げ幅は縮小することを示唆し、ドイツ国債の利回りを2週間ぶりの高水準に押し上げました。日本の国債入札はまちまちで、円の下降圧力が続いています。


商品

コモディティは幅広く上昇しました。米国の鉄鋼・アルミニウム先物は数年ぶりの高値(6月3日)を記録し、銀は週間で9%急騰し、2012年以来の高値を記録しました。金と原油は経済と地政学的な動向に連動し、米中協議が再開されたため、原油は65ドルを超えて取引を終えました。NY銅先物(HG)のロンドン銅先物(LME)に対するプレミアムは、関税と供給懸念から拡大しました。


通貨

金曜日の米ドルは、堅調な雇用統計を受けて上昇し、ドルインデックス(DXY)は99.3を上回ってピークに達しました。ユーロはECBの会合後、上昇しましたが、週後半には下落しました。円は、軟調な国債入札需要と日銀のハト派的な姿勢により、さらに円安に転じました。英ポンドとカナダドルは貿易動向と国内雇用統計に牽引された一方、豪ドルは豪中銀(RBA)の懸念から下落しました。


主なポイント

  • S&P 500は新高値を更新。テスラ(Tesla)、鉄鋼、テクノロジーセクターの銘柄はニュースを受けて不安定な動きとなりました。
  • ボラティリティは着実に低下し、VIX指数は下落して週を終えました。
  • ビットコインとイーサリアムは安定しています。IBIT/ETHAへの資金流入はまちまちで、ボラティリティは抑制されたままです。
  • 債券利回りは、中央銀行と雇用統計の結果に反応しました。
  • 銀、鉄鋼、エネルギーがコモディティの上昇を牽引しました。
  • 米ドルは米国の堅調な雇用を背景に堅調に推移しました。ユーロと円は圧力を受けています。

今後の展望(2025年6月10日〜13日)

  • 水曜日:米5月消費者物価指数(CPI)は、FRBの金利決定の予想に非常に重要
  • 木曜日:テスラ(Tesla)のロボタクシーの発売、アドビ(Adobe)の決算発表、米5月生産者物価指数(PPI)
  • 金曜日:米ミシガン大学消費者信頼感指数(6月速報値)

  • 市場の焦点は、米国のインフレ、英国(ロンドン)からの貿易に関する進展の可能性、ゲームストップ(GameStop)のビットコイン関連のアップデートを含む、さらなるテクノロジーセクターの企業決算に移るでしょう。

結論

序盤の不安にもかかわらず、株式市場と暗号資産市場は好調な調子で週を終えました。ボラティリティは後退し、中央銀行の行動は冷静に受け止められました。来週のインフレと企業収益(決算結果)に関するデータに注目が集まり、貿易や政策の不確実性が続く中、投資家は方向性を模索しています。

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