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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: ロシアへの金融経済制裁を受けてロシアからの輸出が激減する見通しからエネルギー関連だけでなく、穀物など商品価格全般が上昇しています。そうした環境下で豪州に目を向けるとエネルギー関連や小麦などロシアの輸出品目と重なる部分も多く代替輸入先として資源国の中でも注目が高まっています。最も影響を受けている欧州との比較からユーロ豪ドルは急落を演じていますので、どのような状況なのかを見て行きます。
ユーロ豪ドル(EURAUD)は為替市場における最弱通貨と最強通貨の組み合わせと言えます。
ユーロはロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに地政学リスクが急速に高まりましたが、金融経済制裁を強化していることから欧州の景気後退懸念も高まっています。さらにはドイツを中心にロシアの天然ガスに依存してきたことから代替輸入先の確保に動いていますが、エネルギー価格が急騰していることが更なる欧州の景気後退リスクを高めています。こうした悪材料を背景にユーロは主要通貨に対して弱い地合いが続いてきました。
いっぽうで豪ドルは資源国としての優位性から買われているのですが、ロシアの輸出品目はエネルギー(原油、天然ガス)、金属、木材、小麦などが上位に、また豪州の輸出品目は、金属(主に鉄鉱石)、エネルギー(石炭、天然ガス、原油)、肉、小麦などが上位に並んでいます。比較するとロシアの輸出品目とかなりの部分で重なっていて、ロシアから輸入しない場合、代替国として注目されています。
以前からユーロは豪ドルに対して弱い(上値が重たい)流れが続いていましたが、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに滝が落ちるような下げを演じています。日足チャートをご覧ください。
直近高値は2月4日につけた1.62223、安値はNY原油が高値をつけた3月7日の1.45602となっていて、約1か月で1662.1pips、率にして10%を超える下げを演じました。その後、OPECプラスによる増産ニュースで買い戻しが入っていますが、戻りの目途はこの下げに対して38.2%戻しとなる1.51951から半値戻しに1.53913がいいところだと思われます。
ウクライナ情勢も停戦協議が始まったとして予断を許さない状況ですし、ロシア側が無理筋を引っ込めないとまとまる協議もまとまりません。上がったところでは改めて売りが出て来て、再び最安値をトライしやすい状況には変化が無いものと見ています。