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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 対ロシア経済制裁でロシアからの輸出が大幅に減少するとの見通しから原油価格は2011年以来の高値となってきました。しかもすぐにでも2011年高値を上抜ける可能性が高く、そうなると目立ったレジスタンスは史上最高値までありません。WTI原油先物の長期チャートから現在の原油価格の立ち位置を確認しておきましょう。
WTI原油先物CFDはエネルギー価格全般の上昇で上値の目途として100ドルを見越した動きが続いていましたが、ロシアによるウクライナ侵攻とそれに対しての金融・経済制裁でロシアからの輸出が大幅に減少するとの懸念で急騰、3月に入ってからは更に騰勢を強め本日は114ドル台にまで水準を切り上げています。
この水準はかなり以前まで遡らないと無かった水準ですから、月足20年チャートで現在の水準を確認していきます。一点注意が必要なのはCFDのためNY原油とは連動しているものの2020年最安値が取引所では-40ドルまで下げましたが、CFDでは0ドル水準に留まっている点です。テクニカルなターゲットは両者で異なりますが、我々が取引するのはCFDですから、このCFDでのターゲットを見ることになります。
現在の114ドル台は2011年5月の114.80ドル以来の水準ですが、本日中に上抜けそうな勢いで、これよりも上となると2008年7月につけた史上最高値147.23ドルまでもはや目立ったレジスタンスはありません。史上最高値と史上最安値(このチャートでは-0.01ドル)との76.4%戻しが112ドル台半ばで、多少の誤差を考えると現在の水準はいったん止まってもおかしくはない水準です。
協調での国家備蓄放出といった話は出ているものの現時点ではロシアからの輸出減の影響の方が大きいという判断でしょう。今回のウクライナ侵攻がきっかけになるとは思いませんでしたが、今後ますます化石燃料からの脱却が進んでいくことは間違いないでしょう。
またエネルギー以上に気になるのはロシアからしか産出されないレアメタル、パラジウムです。全世界の算出量の93%がロシア産でエネルギーと違って代替手段がありません。主な用途は三元触媒の原材料(プラチナ・パラジウム・ロジウムを用いる)ですが、このことから最も強く連想されるのは電気自動車の時代が思ったよりも早くやって来るということではないかと思います。