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Global Head of Sales Trading
サマリー: 米SVB銀行の破綻の影響が世界的に波及するとの懸念が高まる中、欧州の銀行株に売り圧力が強まり、EURO STOXX 銀行株指数は8%以上下落して取引されています。本稿では現状に至るまでの経緯や市場の値動きから捉えるべきポイントを探ります。また、こうした状況においてサクソバンクのマルチアセット商品群が安全な投資機会を提供できる理由を詳細にお伝えしたいと思います。
米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けて、米規制当局はその影響を最小限に抑え、金融セクター全体に波及することを回避するために介入に踏み切りました。FRBは新たな流動性供給措置の導入とSVBならびにシグネチャー銀行の預金者に対する全額保護を発表し、銀行セクターへの波及リスクをどうにか食い止めようとしています。
しかし、今私たちが目にしているのは、規制当局が金融環境の悪化やシステミックリスクの世界的な波及に対処する中で、市場がさらなる混乱に陥っていることです。また、これらはいずれも各国中銀の過度なインフレを抑制するための取り組みと相反するものとなっています。
金融システム全体のレバレッジは依然として高い水準にあり、インターバンク市場の流動性は枯渇しています。また、ボラティリティは更なるボラティリティの上昇を招くという、パンデミック禍の市場の混乱と似たような悪循環に陥っており、投資家は市場の変動に備えなくてはなりません。
クロスアセットの相関性で考えると、株式とクレジットは現行の利上げサイクル全体にわたって予想以上に上手く持ちこたえてきたと言えます。特に金融セクターのバリュエーションは大きく切り上がっており、調整が入り易い状況にあります。先週SVBの破綻が報じられてから、Stoxx 600 Banks 指数は15%下落しましたが、それでも昨年9月末より23%高い水準にあります(下図を参照のこと)。現状は決して望ましいものではありませんが、今まで見過ごされてきたリスクに対処する必要があったとも言えるでしょう。
当グループの株式戦略責任者であるピーター・ガンリューは先日のレポートで、金融環境がタイト化している局面では常に小型株のリスクが相対的に高まるため、投資家は小型株のエクスポージャーを削減することをを検討すべきであると述べています。また、負債比率が低く、投下資本利益率が高く、産業をリードする優良銘柄を選好することを推奨しています。
また、より「安全な逃避先」を探す場合は、当グループのFX戦略責任者であるジョン・ハーディが指摘するように、当グループは銀行株の下げが市場の重しとなる中で上昇した「日本円」と「金」は、最も安全な逃避先となり得ると考えます。
今後状況は悪化の一途を辿る可能性が高いと考える投資家は、ショートポジションを積み上げることでリスクヘッジを取ります。この戦略を活用するためには、サクソバンクのプラットフォームが提供する特定のセクターやインデックスのショートポジションを取るインバース・インデックス・トラッカー・ファンドのほか、保険と似た役割を果たす個別株式や株価インデックスを原資産とするプット・オプションの購入や、株価指数CFDも有効な選択肢となるでしょう。これらの商品を株式のポートフォリオに加えることで、市場の下落により損失が生じた際に、ショートすることでリターンを獲得し、損失を相殺することが可能です。
市場が手に負えない状況に陥ることがなければ、銀行株の値動きの相関性を先行指標として用いることができます。値動きに極めて高い相関性が認められる限り、市場はマクロ経済の動向や、金融不安とシステミックリスクが後退するか否かに大きく左右されます。銀行株の値動きの相関性が弱まり始めた時は、資金やファンダメンタルズが再び勢いを取り戻す最初のサインとなるでしょう。
サクソバンクは、健全なバランスシートを備えた強固な財務基盤を維持し、長期金利の変動に対するエクスポージャーを最小限に止めるために、戦略的な意思決定を行っています。当グループは住宅ローンや商業用ローンを保有しないため、これらの商品に内在する信用損失のリスクに晒されることはありません。私たちは、投資家の皆様が引き続き安全性と信頼性の高いサクソバンクのサービスを活用し、この危機を乗り越えることを願っています。