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サマリー: 中央銀行は2024年に前年の引き締め姿勢から転換し、利下げに踏み切ると考えられます。投資機会は貴金属、防衛関連やバリュー株などの株式テーマ、より長期のソブリン債、米ドル安で生じる見込みです。地政学的緊張と政治におけるポピュリズムが重大なリスク要因として登場しており、注意深く監視する必要があります。
昨年第4四半期に、当グループは、生産性と人口の伸びがまったく足りないために世界経済が歴史的高水準の実質利回りに対応できないとの考えから、債券に注目するよう述べました。金融政策の遅行効果が現れるまでに過去にないほど長い期間を要しましたが、高水準の債券利回りが2023年にようやく下がり始め中央銀行の2024年の利下げが市場に織り込まれるなど、状況に変化が見られます。
2024年の投資環境は複雑かつチャレンジングであり、投資家に多くのリスクと不確実性を突きつけています。しかし、この混迷の中でも投資機会は依然として存在します。株式市場では、インド、メキシコ、ブラジル、ベトナムなどの新興国に期待することができます。これらの国々は、世界的なリショアリング(企業が海外に移していた事業・業務拠点を国内に戻すこと)の流れを受けて成長する構えを見せています。しかし、米国の超大型株のバリュエーションは持続不可能で、これらの銘柄は要注意です。
債券では、イールドカーブのブル・スティープ化に備え、この流れから利益を得るために債券ポートフォリオのデュレーションを長期化するべきです。投資適格債やハイイールド債については、経済活動が減速する可能性がある中でソブリン債とのスプレッドが魅力的でないことを踏まえると、慎重になるべきです。為替市場では、2024年は米ドル安が予想されます。ユーロ・ドルは第1四半期初めに1.12ドルに達する可能性があり、ユーロ円とポンド円は依然として底堅いとみられます。一方、アジア通貨は、米ドルが下落し中国が回復の兆しを見せれば反発する可能性があります。
コモディティでは、フェデラル・ファンド金利と実質利回りが低下する可能性が高いことから、貴金属への需要が再び高まるとみられます。プラチナでは供給不足の拡大と市場の逼迫が予想されます。銅は供給不足となる見通しで、2024年も強気見通しに変わりありません。
地政学的情勢は、2024年の世界経済と金融市場で重要な役割を果たすとみられます。経済的な不満や伝統的中道政党が失敗したとの認識を背景としたポピュリスト的心情の高まりも考慮すべき重要な要因です。中国への投資は困難を伴いますが、テクノロジー、先進的な製造業、エネルギー、グリーン・メタルに投資機会があります。3中全会は、中国の中期的開発戦略の非常に重要な指標となります。