オプションに関する必須知識を完全にマスター

目標に最適な決断を下せるようにしましょう

オプションとは

オプションとは、金融資産(株式、株価指数、通貨など)を事前に合意した所定の価格で、指定日またはそれ以前に売買する権利(義務ではなく)を買い手に付与する契約です。

指定日は満期日と呼ばれ、オプションの原資産を行使価格で売買する行為は、オプションの「行使」と呼ばれます。オプション保有者が理解すべき基本的な点は、オプションを行使する法的義務はないということです。

オプションはやや複雑な可能性があり、リスクが高いため、経験レベルの高いトレーダーや投資家の方が適していると一般的に考えられています。オプション取引を始める前にできるだけ知識を蓄えて、個人的な金銭目標に合うかどうかを判断できるようになるのが重要な理由はそのためです。

オプション取引を始める用意がまだあまりできていなくても、心配いりません。現時点では、基本的な仕組みを理解するだけでも非常に有用です。準備ができたと感じたときには、自信が深まっており、この先の選択肢に関して十分な知識を得ていることでしょう。

資産を特定の価格で特定の日付前に売買する契約としてのオプションを説明するイラスト。オプション取引における時間の重要性を象徴するクラシックな懐中時計が特徴です。

オプションの特徴

オプションに関して学ぶ場合、各オプションには主な特徴が6つあり、それらによって仕組みが定まることを知っておく必要があります。以下の各項目は、売買の違いを問わず、すべてのオプションの骨組みとなります。

1. プレミアム

プレミアムはオプションの購入価格です。株式などの原資産を購入または売却する権利(義務でなく)を取得するための参入コストと考えるといいでしょう。例えば、オプション購入時には、売り手にプレミアムを一括で支払います。

2. 行使価格

行使価格は、原資産の購入(コールオプション)または売却(プットオプション)する所定の価格であり、オプション購入時に固定されます。例えば、行使価格50ドルでオプションを購入する場合、市場価格が上昇しても資産を50ドルで購入する権利があります。言うなれば、将来必要なものを現時点で確保する取引です。

3. 満期日

すべてのオプションには満期日があり、オプションを行使するか、そのまま満期を迎えるかを決める期限となります。満期日を過ぎると、オプションは有効でなくなり、資産を売買する権利を失います。満期日は行動可能な期限であるため、注意が必要です。満期日のあるクーポンを考えてみましょう。期限切れになる前に使わなければなりませんよね。

4. 契約サイズ

契約サイズとは、オプションで裁量可能な原資産高を指します。通常、オプション契約1枚は原資産100株に当たります。つまり、オプション1枚を購入すると、実際には100株を売買する権利を購入することになります。オプション価格は1株あたりで提示されることが多いのに対し、ほとんどの売買は100株単位で行われるため、この情報は覚えておくと役に立ちます。

5. 行使方式

行使方式によりオプションを行使可能な時期が決まります。行使時期の柔軟度が変わるため、どちらの方式で取引しているかを把握しておく必要があります。

    行使方式は次の2つに大別されます。

  • アメリカン方式のオプションは、満期日までいつでも行使できます。
  • ヨーロピアン方式のオプションは、満期日のみ行使できます。
6. 決済方式

決済方式とは行使時にオプションを決済する方法のことです。

現金決済方式では、行使価格と資産の直近市価の差額を現金で受け取ります。

物理的決済方式では、オプションを行使した場合、行使価格で現物資産(株式持ち分など)の引き渡しを受けます。

上記6つの特徴を合わせるとオプション契約の基盤となります。各要素を学びながら、オプション取引を詳しく理解するにつれ、売買を実行する自信が深まるでしょう。あせらずに、常に学習し続ければ、いつのまにか、オプション投資を始める準備が整うはずです。

オプションの種類

オプションには、コールオプション(権利の購入)とプットオプション(権利の売却)の2種類あります。

コールオプション

コールオプションを購入すると、指定期間内に一定額の特定株式の購入権利を取得します。この権利に対してコールプレミアムを支払います。コールプレミアムの価値は原資産の値動きに沿って変動します。

株式などの原資産が値上がりしたら、コール価格も上昇します。逆もまた同様であり、原資産が値下がりしたら、コール価格は通常下落します。

プットオプション

一方、プットオプションを購入する場合は、特定の原資産の売却権利を取得します。この場合にもプットオプションのプレミアムを支払います。

プットプレミアムの価値は株式自体と逆方向に動きます。株価が下落したら、プット価格は通常上昇します。そのため、プットオプションは「株式投資の保険」と呼ばれることもあります。

逆もまた同様であり、原資産が値上がりしたら、プット価格は通常下落します。

プットとコールを説明するオプション取引のインフォグラフィック。プット:有効期限までに指定された価格で証券を売る権利。コール:有効期限までに指定された価格で証券を買う権利。1月1日がハイライトされたカレンダーページを特徴としており、有効期限を象徴しています。

オプション取引の仕組み

オプションは一見とっつきにくく思えるかもしれませんが、いったんコツをつかむと柔軟かつ刺激的な投資方法となります。では、どのような仕組みをしているのでしょう。

まず、オプションの定義を明確にしてから、詳細な仕組みを説明していきます。

オプションは、株式などの原資産証券の価値をベースとする金融商品です。オプション契約を購入する場合、一定期間内に原資産証券を購入または売却するオプションの支払いをします。

単純に言うと、一定期間内に、所定価格で資産を購入または売却する権利の対価を支払います。ただし、権利を行使する義務はありません。

    オプション契約では次の点も重要であり、検討が必要です。

  • 行使価格 - オプションが行使される場合の原資産商品の購入または売却価格です。
  • 満期日 - オプション保有者が権利を行使可能な最終日です
  • 契約サイズ - オプション契約が表象する原資産の数量です。

オプション取引では、基本的に、一定期間内に所定価格(通称「行使価格」)で資産を購入または売却する権利(義務でなく)を付与する契約を売買します。

オプションにはコールとプットの2種類があります。コールオプションでは行使価格で資産を購入する権利を取得し、プットオプションでは売却する権利を取得します。

オプションが特殊なのは、オプションの対象となる資産を所有する必要がないという点です。投資家は単純に選択権の購入対価を支払うだけであるため、株の値動きから利益を得る、コストの低い方法となる可能性があります。

ただし、オプションには満期日があるため、選択権を行使するか、そのまま失効させるかをその日までに決断する必要があります。株価が予想どおりの方向に動けば、行使価格で資産を売買して利益を確定させるか、オプション自体を売却して利益を得ることができます。

逆に、株価が予想とは逆の方向に動いた場合は、オプション対価として支払った額を失うことになりますが、損失はその額に限定されます。

オプション取引は柔軟性が高く多くの機会が得られます。学習曲線の個人差はあるものの、投資家は投資・取引戦略の強化ツールとして利用できます。

時間をかけて徐々に学ぶのも一案です。焦ることはありません。基本的な仕組みを理解することが確信を持って取引するための最初のステップになります。

オプションを取引する理由

オプション取引によりトレーダーや投資家は次のような多くのメリットが得られます。

  • プレミアムが収入源に - オプションを定期的に売却すると、収集したプレミアムが収入源になる可能性があります。
  • リターン向上の可能性 - 満期日の評価額より安い価格で株式を購入すると含み益が発生します。オプションは本質的にレバレッジ投資であるため、相場変動や原資産のボラティリティシフトにより、オプション価格が急変することがあります。
  • 安全策 - オプションは投資の保険契約のような役割も果たす可能性があります。保有株式が近々値下がりすると予想する場合、オプションを使って損失額を限定できます。
  • 低リスク・高リターン - 多額の株式を数分の1のコストで取引可能なこともオプションのメリットの1つです。つまり、比較的少ない資金でより多くの利益を獲得できます。
オプション取引の理由をリストしたインフォグラフィック:レバレッジを使った取引、ロングまたはショートポジションを取る、投資ポートフォリオを多様化する、取引所の流動性にアクセスする、柔軟な戦略を利用する、ヘッジする。各利点を表すアイコンが含まれています。

オプションチェーンとは

オプションチェーンとは、特定の株式または資産で利用可能なオプションの詳細を表示する一覧表です。オプションを初めて取引する場合、オプションチェーンを選択肢のメニューとして利用してみたらいかがでしょうか。オプション売買のさまざまな戦略を探るのに役立ちます。

コールオプション(株式の購入権利を取得)とプットオプション(株式の売却権利を取得)の両方が所定の価格(通称「行使価格」)と共に掲載されています。満期日も表示されているため、オプションを利用するかどうかを決断するまでにどれだけ期間があるかがわかります。

オプションチェーンにはこうした情報がまとめられており、行使価格と満期日別にオプション価格、ボラティリティ、ギリシャ指標を比較できます。一見、複雑そうですが、利用可能なすべての選択肢が明確にわかる形態となっており、金銭的目標とリスク許容度に基づきより多くの情報を参考にして決断を下すのに役立ちます。

オプションチェーンの使い方に徐々に慣れていくうちに、投資に対する理解を深め、管理するための強力なツールだと気づき始めるはずです。最初は情報量に圧倒されるかもしれませんが、それが普通の反応です。次第に、楽に使いこなせるようになります。

オプションのロングとショートとは

オプション取引ではロング(オプションの買い)またはショートオプションの売り)のいずれかが可能です。各取引を詳しくみていきましょう。

ロング(オプションの買い)

コールオプションのロング:コールオプションを購入する理由は、原資産の値上がりを期待しているためです。コールオプションを購入すると、指定日までに所定価格(通称「行使価格」)でその原資産を購入する権利が得られます。この権利に対して、「プレミアム」と呼ばれる手数料を支払います。市場で原資産価格が行使価格を上回ったら、低い行使価格で購入してから、より高い市場価格で売却して利益を得ることができます。行使価格を超えない場合、支払ったプレミアムのみが損失となります。

プットオプションのロング:プットオプションを購入する理由は、原資産の値下がりを期待しているためです。プットオプションを購入すると、指定日までに所定価格(「行使価格」)でその原資産を売却する権利が得られます。資産価格が行使価格を下回った場合、より高い価格で売却してから、低い市場価格で買い戻して利益を得ることができます。市場価格が行使価格を上回り続ける場合、支払ったプレミアムのみ損失が生じます。

ショート(オプションの売り)

コールオプションのショート:コールオプションの売却では、買い手は所定価格で資産を購入する権利を取得します。売り手はプレミアム(買い手が支払う料金)を受領します。資産価格が上昇した場合、買い手は高い確率で、オプションを行使します。一方、売り手は低い行使価格で資産を売却する必要があるため、損失を被ることになるでしょう。

プットオプションのショート:プットオプションの売却では、買い手は所定価格で資産を売却する権利を取得します。売り手はこの取引に対してプレミアムを受け取ります。資産価格が下落して、買い手がオプションを行使すると、売り手は高い行使価格で資産を買う必要があり、損失を被ることになります。

まとめ:

ロング = 購入

ショート = 売却

  • ロング取引とは、相場が有利な方向(コールの場合は上昇、プットの場合は下落)に動き、利益を得ることを期待してコールまたはプットオプションを購入する取引を指します。
  • ショート取引とは、コールまたはプットオプションを売却してプレミアム収入を得る取引です。ただし、相場が思惑とは逆方向に動くと、損失を被るリスクも負います。

いずれの場合も、市場の方向を予測する投機取引になりますが、ロングする場合はリスクの上限を限定(支払ったプレミアム)できますが、ショートする場合はより多額の損失リスクにさらされることになります。

満期日での損益算定方法

ロングとショートのどちらのポジションでも、オプションが満期日に到達したときに利益または損失が決まります。

  • コールのロング取引の損益 -   コールオプションの買い手の満期日における損益は、原資産価格が行使価格を上回るかどうかによって決まります。
    • 資産価格が行使価格を上回る場合、買い手はオプションを行使して、原資産価格と行使価格の差額から支払ったプレミアムを控除した額の利益を取得します。
    • 資産価格が行使価格を下回る場合、オプションは無価値で失効し、買い手は支払ったプレミアム分の損失を被ります。
  • コールのショート取引の損益 - コールオプションのライター(売り手)は、満期日に買い手がオプションを行使する場合、資産の引渡義務を負うことになります。
    • 資産価格が行使価格を上回る場合、売り手は行使価格で資産を引き渡す必要があります。この場合、資産価格が上昇するほど、損失は膨らんでいきます。ただし、取引当初に受け取ったプレミアム分だけ損失額は減額されます。
    • 資産価格が行使価格を下回る場合、オプションは無価値で失効します。売り手が受け取ったプレミアムはそっくり手元に残ります。
  • プットのロング取引の損益 - プットの買い手の満期日における収益は、原資産価格が行使価格を下回るかどうかによって決まります。
    • 資産価格が行使価格を下回る場合、買い手はオプションを行使して、行使価格と原資産価格の差額から支払ったプレミアムを控除した額の利益を取得します。
    • 資産価格が行使価格を上回る場合、オプションは無価値で失効し、買い手は支払ったプレミアム分の損失を被ります。
  • プットのショート取引の損益 -プットオプションの売り手は、買い手がオプションを行使する場合、資産の買い戻し義務を負うことになります。
    • 資産価格が行使価格を下回る場合、売り手は市価より高い行使価格で資産を購入する必要があります。この場合、資産価格が下落するほど損失は膨らみますが、受け取ったプレミアム分だけ損失は部分相殺されます。
    • 資産価格が行使価格を上回る場合、オプションは無価値で失効します。売り手が受け取ったプレミアムはそっくり手元に残ります。

まとめ:

コールとプットのいずれの場合も、オプションを購入する場合、支払いプレミアムを超えて損失が生じることはないため、下落リスクは限定的です。コールオプションでは、獲得利益額に上限はありません。一方、プットオプションの最大利益は、行使価格に契約サイズ・契約数を乗じた金額(株価がゼロを付けた場合)が上限となります。

逆に、オプションを売却する場合、獲得可能な利益額は限定的であり、大半の場合、取引当初に受け取ったプレミアム額が収益となります。反面、リスクは高くなります。コールの売りではリスクは天井知らず、プットの売りでは、行使価格に契約サイズ・契約数を乗じた金額(株価がゼロを付けた場合)が最大損失となります。

ロングおよびショートのコールオプションとプットオプションの満期時のペイオフ図。左側には、ロングおよびショートポジションの損益分岐点と行使価格を示すコールオプションが表示されています。右側には、同様の詳細を持つプットオプションが表示されています。背景はピンクとブルーの半分に分かれています。

株取引とオプション取引の違い

株式とオプションにはいくつか相違点があります。

株式はごく単純でわかりやすいため、投資初心者にも適しています。一方、オプションはきわめて複雑であるため、より経験のある投資家やトレーダーの方が適していると考えられます。

別の相違点として、株式投資に当初必要な資本は通常株価と等しいのに対して、オプションで必要な初期資本額は株価よりはるかに低い点が挙げられます。
簡単に言うと、同額の株式のオプションを購入する方が、株式そのものを購入するよりコストは低くなります。

株取引では投資家は企業の株式持ち分を所有する機会が得られますが、オプションはデリバティブ商品であるため、企業の所有権は得られません。

株式とオプションの比較チャート。株式とオプションはどちらも証券として取引され、上場市場で取引されます。オプションには有効期限と契約サイズがあり、株式とは異なります。株式は市場前後に取引でき、企業の所有権を表します。コインの山の上に木が描かれています。

オプション戦略とは

オプション取引でまず理解すべきなのは、市場の現況です。自分のリスク許容度と金銭的目標に適した戦略を練り始めるのは、その次のステップとなります。

    オプションの売り手がよく採用する戦略を以下にいくつか紹介します。

  • カバード・コール -  現物株式を所有する場合、その株式のコールオプションを売却すると、追加所得につながる可能性があります。この戦略は「カバード・コール」と呼ばれます。
  • キャッシュ・セキュアード・プット -  この戦略では、プットオプションを売却すると共に、当該オプション契約の義務履行に備えて原資産株式の購入に必要な現金を確保しておきます。プレミアムの獲得に加え、低い価格で株式を購入する機会もあります。
  • バーティカル・スプレッド -  オプション取引でよく利用される戦略で、満期日が同じで行使価格が異なる同じオプションの買いと売り(コールまたはプット)を同時に行います。

購入オプションの選定方法

購入するオプションを選定するうえで何より重要なのが、自分の個人的な投資・取引目標と相場の先行きに対する予想を見極めることです。まずは、市場に対する見方が強気(株価の上昇を予想)なのか弱気なのかを自問しましょう。

ある株式が値上がりすると予想する場合、コールオプションを購入すると、所定の価格でその株式を購入する権利が得られるため、予想どおり上昇すれば利益が出ます。

逆に、ある株式の値下がりを予想する場合、プットオプションを購入すると、将来の市場価格より高い価格で株式を売却できます。次に、行使価格(株式を購入または売却可能な価格)と、満期日(オプションの有効期間)を選択する必要もあります。

一般的に、行使価格が現在の市価に近く、満期日までの時間が長いオプションほど、利益が出る可能性は高くなりますが、プレミアムも高くなる傾向があります。詰まるところ、相場予想に対する自信とリスク許容度を天秤にかけて判断することになります。取引に慣れるまでは少額で単純な取引からスタートするのが常に最善の策です。

    購入オプションの選定時には次の点に注意すると良いでしょう。

  1. 投資と取引目標を明確にする。
  2. リスク許容度に関して自分の本心と向き合う。
  3. 現在の世界情勢を調べ、市場ボラティリティに影響するかどうか、どのように影響する可能性があるかを検討する。
  4. 自分の目標とリスク許容度を織り込んだ戦略を立てる。
  5. 満期日と行使価格が戦略と一致するオプションを選ぶ。

オプション取引のリスク

他の金融商品同様、取引時または投資時には検討すべきリスクがつきものです。

オプション取引に付随するリスクと、リスク軽減策としてお勧めの戦略をいくつか以下にご紹介します。

  • 多額の損失リスク -  オプションの売却は多額の損失につながる可能性があり、不利な方向に市場が急変する場合は特にそうなります。損失を被る可能性を認識し、リスクを適切に管理することが不可欠です。
  • 証拠金要件-  オプションを売る場合、証拠金取引口座の維持が必要となります。具体的には、口座に担保として一定額の資本を確保しておかなければなりません。証拠金要件の把握はリスクを効果的に管理するために重要です。
  • 義務の早期履行リスク -   オプションを売る場合、義務の早期履行が必要になるリスクが常に伴います。義務の早期履行が必要になるのは、オプションの買い手が満期日前に原資産を買うまたは売る権利を行使する場合です。このリスクは、オプションの本質的価値に目を光らせ、必要に応じてすぐ対応できるようにすることで対処可能です。
    上記リスクを軽減するには、次の戦略を利用できます。

  • ストップロスの設定 -  ストップロスの設定は、潜在的な損失の限定策となります。ストップロスとは、株価が一定水準に達したときに発動される売りまたは買い注文です。
  • スプレッド取引 -  潜在的な損失額を限定するにはスプレッドも利用できます。スプレッドでは、オプションを売ると同時に別のオプションを買うことで、潜在的な利益と損失の両方を限定させます。
  • ヘッジ取引 -  ここではできるだけ単純な説明を心がけますが、リスク管理にさらに役立てることができるヘッジ取引などの高度な戦略もあります。オプション取引に慣れてきたら、詳しく検討してみるとよいでしょう。

オプション取引での証拠金の利用

オプションは証拠金を使って取引でき、証拠金要件は多岐にわたります。この証拠金要件は、株式や先物取引の証拠金のようにレバレッジとして使われるのではなく、ポジションを確保するための担保の役割を果たします。

どのような取引を検討する場合でも、証拠金要件を十分理解して、市場が変動的になった場合に確実に満たせるようにしましょう。

証拠金は、オプションを売る場合、潜在的な損失を補填するために維持しなければなりません。証拠金必要額は、原資産に応じてサクソバンク証券 が決定します。証拠金要件を満たすことができない場合、資本の欠損手続きが開始され、サクソバンク証券 によってオプションが解約される可能性があります。

オプション戦略を利用することで、必要証拠金が減額する仕組みの構築が可能になります。

 

オプション取引は投資家にとってチャンスの宝庫となる可能性があります。ただし、基本的な理解がその前提となるため、可能な限りオプションの基本についての学習を続けましょう。そのうち、取引の準備ができたと感じられるようになります。

知識が豊富な投資家はオプションを使って投資ポートフォリオを分散し、リスクを管理し、リターンを増大させることができます。

オプションのギリシャ指標とは

金融分野においてギリシャ指標はさまざまな要素の変化に対するオプション価格の感応度の尺度となります。例えば、原資産価格、インプライドボラティリティ、満期日までの期間などの要素が考えられます。名称の由来は呼び名を表すギリシャ文字で、デルタ、セータ、ガンマ、ベガ、ローがあります。

以下は各指標の紹介です。

  • デルタ -  原資産価格の変動に対するオプション価格の変動幅を表す推測値です。コールオプションでは0から1、プットオプションでは-1から0の範囲となります。例えば、株価が2ドルの株式に対するコールのデルタが0.5の場合、株価が1ドル変動すると、オプション価格は2.5ドルとなります。オプションのデルタの決定要因として、株価、行使価格、ボラティリティ、金利、配当、満期日までの期間が挙げられます。
  • セータ-  他のすべての要因が一定である場合における、時間の経過に伴うオプション価格の減少値(近似値)です。例えば、コールオプションの価格が3米ドルでセータが0.10の場合、翌日のオプション価格は、他のすべての要因が変わらない場合、2.90米ドル(3米ドル - (0.10 x 1))となります。
  • ガンマ -  他のすべての要因が一定である場合、原資産価格の変動に対するデルタの変化率(近似値)です。オプションのデルタの安定度を把握するために重要な指標で、多額のオプションポートフォリオを運用するトレーダーにとって特に重要です。
  • ベガ -  原資産のボラティリティの変動に伴う、オプション価値の変化をとらえる尺度として使用されます。ボラティリティの変動に依存するオプション戦略で重要な指標です。ベガが高いほどボラティリティの変化に対するオプション価格の感応度は高くなり、低いほど、感応度は低くなります。
  • ロー -  金利変動に伴うオプション価値の変化をとらえる尺度として使用されます。金利は長期的な資金の時間的価値に影響するため、満期日までの期間が長いオプションにとってより重要な指標です。
ギリシャをテーマにしたデザインのオプションギリシャ文字チートシート。デルタ、シータ、ガンマ、ベガ、ローの定義を含む。デルタ:基礎資産に対するオプションプレミアムの変化。シータ:時間経過に対する変化。ガンマ:基礎資産に対するデルタの変化。ベガ:ボラティリティに対する変化。ロー:金利に対する変化。スタイライズされた船と風景を特徴としています。

アメリカンとヨーロピアンオプションの違い

主なオプション方式にはアメリカンとヨーロピアンの2つがあります。この2つの方式名は、オプションの登録場所でなく、契約明細に由来します。誤解しないように注意してください。この契約明細について以下で説明しましょう。

アメリカン方式のオプションでは、買い手は期間中(満期日まで)いつでもオプションを行使でき、売り手は義務の履行に応じる必要があります。この条件により、オプションの売り手/ライターのリスクは高まります。オプション価格が満期日までずっと上昇し続ける可能性があるためです。逆に、満期日前に売却すると、将来の値上がり益を享受する機会を逃してしまいます。

ヨーロピアン方式のオプションはいつでも権利を行使可能なわけではなく、買い手は契約満期日にのみオプションを行使できます。インデックスオプションは通常このタイプであり、満期日まで保有すると、現金で決済されます。決済が行われる「決済価格」は、証券取引所が所定の標準的な規則に従って設定します。ユーロネクストの決済価格であるAEXは、満期日の15:30から16:00における平均AEX指数に基づいて決定されます。

例:ポートフォリオにAEX指数12月物オプションがあるとします。行使価格は750.00で、契約サイズは100です。満期日である12月第3金曜日のAEX指数は760.00であり、コールオプションは10ポイント、インザマネーの状態にあります。現金決済額は、10 * 100 = 1,000ユーロとなります。

アメリカンオプションとヨーロピアンオプションを比較するインフォグラフィック。アメリカンオプションは、有効期限前のいつでも行使可能で、柔軟なタイムラインで示されています。ヨーロピアンオプションは、有効期限日に行使が制限されており、固定ポイントで示されています。背景には都市のスカイラインが描かれています。

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■外国株式・指数オプション取引は、対象とする有価証券の市場価格や対象となる指数、あるいは当該外国上場株式の裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動、指数の数値等に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、対象とする有価証券の発行者の信用状況の変化等により、損失が発生することがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。さらに、外国株式・指数オプションは、市場価格が現実の市場価格等に応じて変動するため、その変動率は現実の市場価格等に比べて大きくなる傾向があり、意図したとおりに取引ができず、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。また取引対象となる外国上場株式が上場廃止となる場合には、当該外国株式オプションも上場廃止され、また、外国株式オプションの取引状況を勘案して当該外国株式オプションが上場廃止とされる場合があり、その際、取引最終日及び権利行使日が繰り上げられることや権利行使の機会が失われることがあります。対象外国上場株式が売買停止となった場合や対象外国上場株式の発行者が、人的分割を行う場合等には、当該外国株式オプションも取引停止となることがあります。また買方特有のリスクとして、外国株式・指数オプションは期限商品であり、買方がアウトオブザマネーの状態で、取引最終日までに転売を行わず、また権利行使日に権利行使を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。また売方特有のリスクとして、売方は証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。売方は、外国株式・指数オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れ又は預託しなければなりません。その後、相場の変動や代用外国上場株式の値下がりにより不足額が発生した場合には、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要となります。また売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければなりません。すなわち、売方は、権利行使の割当てを受けた際には、コールオプションの場合には売付外国上場株式が、プットオプションの場合は買付代金が必要となりますから、特に注意が必要です。さらに売方は、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。さらにこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。外国株式・指数オプション取引(売建て)を行うにあたっては、所定の証拠金を担保として差し入れ又は預託していただきます。証拠金率は各銘柄のリスクによって異なりますので、発注前の取引画面でご確認ください。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、取引証拠金を事前に当社に預託する必要があります。取引証拠金の最低必要額は取引可能な額に比べて小さいため、損失が取引証拠金の額を上回る可能性があります。この最低必要額は、取引金額に対する一定の比率で設定されおり、口座の区分(個人または法人)や個別の銘柄によって異なりますが、平常時は銘柄の流動性や価格変動性あるいは法令等若しくは当社が加入する自主規制団体の規則等に基づいて当社が決定し、必要に応じて変更します。ただし法人が行う外国為替証拠金取引については、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用いて通貨ペアごとに算出(1週間に1度)した比率を下回らないように当社が設定します。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、損失が無制限に拡大することを防止するために自動ロスカット(自動ストップロス)が適用されますが、これによって確定した損失についてもお客様の負担となります。また自動ロスカットは決済価格を保証するものではなく、損失がお預かりしている取引証拠金の額を超える可能性があります。
■外国証券売買取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。
■取引にあたっては、契約締結前交付書面(取引説明書)および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。

サクソバンク証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
手数料:各商品の取引手数料についてはサクソバンク証券ウェブサイトの「取引手数料」ページや、契約締結前交付書面(取引説明書)、取引約款等をご確認ください。