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サマリー: 米国株式市場では規制当局の救済措置を受けて銀行株の売りが一服し、S&P 500指数は2.3%上昇して取引を終えました。米2月CPIは概ね予想通りの内容となったものの、コア指数は若干予想を上振れました。金利先物市場が織り込む来週のFOMCでの利上げ幅は足元0.25%に縮小しています。また、これまで大きく低下していた米2年国債の利回りは反転し、4.25%に上昇しました。
昨日の米株式市場は反発し、ナスダック100指数は前日比2.3%高の12,199、S&P500指数は同1.7%高の3,920と、それぞれ上昇して取引を終えました。米金融当局の救済措置を支えにS&P500指数は目先で4,020~4,030近辺まで反発する可能性もありますが、全体的なトレンドとしては下落基調を辿るものと予想されます。債券市場は幾分落ち着きを取り戻したものの、規制当局が地銀に影響が波及することを食い止めることができるか否か、今後の動向を注視する必要があります。
KBW銀行株指数は、日中の取引時間に6.6%まで上昇した後、3.2%高で取引を終えました。S&P地方銀行セレクト・インダストリー・インデックスは2.3%上昇したものの、取引直後の10.2%上昇の大部分が巻き戻される格好となりました。
1万人の追加削減を発表したMeta(META:xnas)は、前日比7.3%高と急伸したほか、一部の部門の賞与削減と採用凍結対象を拡大したアップル(AAPL:xnas)も同1.3%上昇しました。一方、第1四半期の業績について赤字の見通しを示したUnited Airlines (UAL:xnas)は、前日比5.4%安と大幅な下落に見舞われました。
米国の地方銀行の株価が反発する中、ここ数日間で急速に拡大したクレジットスプレッドは足元で縮小し、米2月CPIのコア指数は前月比+0.45%とコンセンサス予想の0.4%を若干上振れました。こうした中、13日に急激に低下した米国債利回りは反転に向かい、米2年国債利回りは27bps上昇の4.25%、米10年国債利回りは12bps上昇の3.69%と、それぞれ上昇して取引を終えました。
黒海上空でロシア軍戦闘機と米軍の無人航空機の衝突事故や、プーチン大統領がノルドストリームの爆発事故に関連し、現場付近で爆破装置を発見したと主張したとの報道を受けて米国債に一部大きな買いが入りましたが、こうした動きは引けにかけて弱まりました。なお、金利先物市場が織り込む利上げ幅は縮小しており、FRBが利上げを一時停止する前に来週のFOMCで25bp利上げに動く確率が再び高まっています。
金融や不動産株の下落が重しとなり、ハンセン指数は2.3%安と大きく下落しました。米国での地銀を巡る信用不安が波及したことが一因となり、HSBC(00005:xhkg)は前日比4.7%安、Standard Chartered Bank (02888:xhkg)は同7.2%安と金融株の下げを主導しました。その他にも、保険会社のAIA(01299:xhkg)は同4.4%安、Prudential (02378:xhkg)は同6.3%安と失速し、いずれも下落して取引を終えました。
一方、この流れに逆らい半導体関連銘柄は大きく上昇し、半導体大手のSMIC (00981:xhkg) は前日比7%高と大きく上昇し、構成銘柄の寄与度で首位となりました。また、A株の半導体銘柄も上昇しました。CSI300指数は反落したものの、ハンセン指数をアウトパフォームし、0.6%安と小幅な下落にとどまりました。
2月の消費者物価指数(CPI)が強い内容となったほか、米銀の連鎖破綻が回避されSVB危機を巡る信用不安が目先で後退したことが、米ドルの支援材料となりました。その結果、米ドル以外の安全通貨はこれまでの上昇分を一部吐き出しました。ドル/円は、米CPI発表後に再び134.50を上回る一方、米ドル/CHFは一時0.9160近辺を付けました。日銀は1月の金融政策決定会合の議事録で金融緩和の必要性を改めて強調し、政策修正の可能性を否定した一方で、スウェーデン中銀が15日公表のCPIを前にタカ派的な発言をしたことを受けて、SEKは他の通貨をアウトパフォームしました。テデーン総裁は「インフレ率は依然高すぎる」とし、「金融政策を通じて妥当な期間内に目標の2%に戻す必要がある」と繰り返し主張し、データ次第で4月に0.25%か0.5%の利上げを行う可能性が高いとの見通しを示しました。
リスクオンの流れが広がる中で、原油0.5%上昇し71.81ドルで取引を終えたものの、節目となる80ドルを引き続き下回って推移しています。今後一段の下落に向かえばOPECプラスが減産に動く可能性もありますが、今後は中国やインドなどの非OECD諸国の需要拡大が見込まれることもあり、OPEC+は現在の生産量を維持する公算が大きいと考えられます。一方、エストニア、リトアニア、ポーランドは、ロシア産原油の価格上限を51.45ドルに引き下げるよう要請しました。先月、IEAは2023年の石油需要は前年比日量200万バレル増加するとの見通しを示しましたが、15日公表の報告書での最新の見通しが待たれます。
主なポイント
2月の米消費者物価指数(CPI)の総合指数は事前予想に沿った前月比0.4%の上昇にとどまり、全体的な物価が減速傾向にあることを示唆したほか、前年同月比の上昇率も6.0%と前月から大きく低下しました(1月:前月比0.5%、前年同月比 6.4% YoY )。この前年同月比の伸び率は、2021年9月以来の低水準となり、2022年6月のピーク(9.1%)を3.1%下回りました。FRBがインフレ指標として重視するコア指数(食品とエネルギーを除く)は0.5%と前月から0.1%上昇し予想をやや上振れしたものの、前年同月比は5.5%の上昇と前月から0.1%低下し、ブルームバーグのコンセンサス予想と一致する結果となりました。インフレ圧力の主な要因のひとつであるサービス(エネルギーを除く)の上昇率の内訳は、航空運賃が前月比6.4%上昇、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格が0.8%上昇(ホテル2.6%、家賃0.8%)となりました。なお、当グループの見解では、財のディスインフレは十分なスピードで顕在化していないと考えています。
2月CPIが底堅く推移した後、今週はその他の消費・物価関連の経済データの公表を控えており、その動向が注目されます。15日は米生産者物価指数(PPI)および小売売上高が発表される予定です。いずれの指標も緩やかな鈍化が予想されるものの、引き続き堅調さをい維持する見通しです。なお、コンセンサス予想では、米2月PPIは前月比+0.3%(前回:+0.7%)、前年比5.4%(前回:6.0%)の上昇が見込まれています。米小売売上高は、暖冬の影響で大きく増加した1月からの反動減で前月比-0.4%となる見通しです。
英国のジェレミー・ハント財務相は15日に2023年春季予算案を発表する予定です。昨年9月にハント財務相の前任者であるクワシ・クワーテン元財務相とリズ・トラス元首相が打ち出した大型減税策を巡って英国経済や市場に大きな混乱を引き起こした後、ハント財務相がどのように対処するかが注目されます。予想ではハント財務相は公的部門の財政を健全な水準にとどめることを優先し短期の借り入れを削減する一方、英国の財政状態の中期的な見通しは若干の改善にとどまるとの見方が優勢です。エネルギー価格の下落は当面にわたって英国の経済成長を下支えし、リセッション懸念は後退するものと予想されますが、労働参加率ならびに労働生産性の低下が続く中、長期的な成長見通しは依然として厳しいものとなっています。
C中国の習近平国家主席はウクライナとロシアを仲介する動きを積極化しているとみられます。メディア各社は習主席はロシアが訪問し、プーチン大統領と会談した後にウクライナのゼレンスキー大統領とも電話会談を計画していると報道しています。また、さらに、バイデン大統領が習主席との電話会談を行うとの報道も見受けられます。こうした一連の動きは、中国が国際問題において仲介役を果たすことに積極的な姿勢を強めていることの表れであり、その他の先進国との関係にも今後、影響を及ぼす可能性があります。
シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、シルバーゲート銀行の破綻は、デジタル資産のエコシステムのみならず、シリコンバレーにおける今後の資金調達活動に深刻な影響を与えるものと予想されます。しかし、こうした中でもビットコインは一時26,000ドル台を回復し、その後、暗号資産の関連銘柄の株価も軒並み上昇しました。当グループは、リスクの高い融資に携わってきた米銀3行の破綻がもたらす影響は資本要件の厳格化につながり、いずれは未公開企業に波及する可能性があると考えます。なお、FRBは中堅銀行の財務健全性をリセッションに耐え得る水準に改善するために、自己資本等の要件を変更することを検討しているほか、資産規模が1,000億ドルから2,500億ドルの企業は、より厳しい制約を受けることになる可能性が指摘されています。FRBの規制要件の見直しについて、詳細が待たれます
Facebookの親会社であるMetaは、今後数ヶ月で1万人規模の追加人員削減を行い、また約5000人のポジションの採用も見送る方針であることを発表しました。米ハイテク業界で相次ぐ大規模な人員削減の波は、低金利時代に急成長を遂げた企業が厳しい事業環境に置かれている現状を浮き彫りにしていますが、依然としてタイトな状況にある労働市場には反映されておらず、需給の不均衡は解消されていません。Metaは前日比7.3%高と大きく上昇しました。また、Appleも一部の部門の賞与削減とコスト削減の取り組みを拡大する計画を発表しました。
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