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アナリスト/アセンダント代表
3月FOMCでは当初インフレ率低下のスピードが鈍化してきていること、またFRB関係者の発言がタカ派寄りであったことから、シリコンバレー銀行の破綻前までは0.5%の利上げが行われ、ターミナルレート(ピーク金利)も上昇、年内の緩和への転換は無いという見方がコンセンサスでした。
しかしシリコンバレー銀行破綻をきっかけに米国の急激な金利上昇が金融機関の経営危機の大きな要因との見方が広がり、FOMCでの利上げ幅は0.25%がコンセンサスと以前の見方へと戻りました。しかし、ターミナルレートと緩和への転換は大きく見方が変化し、3月の利上げで4.75~5.0%でターミナルレート到達となり、6月には利下げに転じ、2023年末の水準は3.75~4.0%と見られています。
またFRBは米国の金融機関の状況をある程度は把握していることを考えると、場合によっては今回の利上げを見送り現状維持とする可能性もあります。そうなると、更なる金融機関への懸念が広がり、一段のリスクオフ相場に繋がると言えるでしょう。
コンセンサスの0.25%の利上げは織り込み済み、サブシナリオとして現状維持によるリスクオフ相場の拡大(金利低下、株安、ドル安)という見方を示しておきます。
FOMC(連邦公開市場委員会)とは、日銀の金融政策決定会合に相当し、年に8回開催される米国の金融政策決定会合です。FOMCのメンバーはFRBの議長、副議長、理事、NY連銀総裁が常任、それ以外の11の地区連銀総裁のうち4名が毎年持ち回りで担当します。
ちなみに2023年のFOMCメンバーは2022年に比べるとややハト派のメンバーが多いため、緩和に転じる際には予想よりも早いタイミングで利下げが行われる可能性があるのではないかと考えられます。
また、8回のFOMCのうち、3, 6, 9, 12月のFOMCでは金利の見通しも併せて発表されるため特に注目度が高い開催回となっています。
政策金利(FF、フェド・ファンド)は先物市場でFF先物が36限月(毎月3年先まで)の取引が行われていることCME(シカゴマーカンタイル取引所)で公式に政策金利変更の織り込み度を公表しているため、金利市場参加者の思惑とFRB関係者の見通しとの差異も各金融市場に影響を与えています。