口座開設は無料。オンラインで簡単にお申し込みいただけます。
最短3分で入力完了!
Chief Investment Strategist
サマリー: リセッションへの警戒が続き、テクノロジー株が米金利上昇の圧力を受けていた年初、テスラ株は予想に反して素晴らしいパフォーマンスを示しています。しかし、テスラ株には逆風が吹いており、7月のピークから20%以上も株価を下げています。金利上昇が需要に悪影響であること、中国での価格引き下げが利益率に影響を及ぼしていること、そして中国経済の軌道に対する懸念が主な要因です。また、2023年第2四半期のバッテリー式電気自動車(BEV)の販売台数は、自動車メーカー15社全体で150万台を突破しました。
※本レポート内日本語は、ご参考情報として原文(英語)を機械翻訳したものです。
テスラ株は、7月に300ドル近くまで上昇した後、20%以上下落していますが、それでも年初来で80%を超える大幅上昇を記録しています。テスラはまだ自動車メーカーというよりテクノロジー企業のように評価されているため、テスラ株は今年のテクノロジーとAIラリーの波に乗っています。また、電気自動車の高成長が続いていることも後押ししています。
今年の初め、積極的な値下げがテスラ株の上昇を促しました。価格引き下げの背景には、主に2つの要因がありました。
それらに加え、AIブームが加速したこと、業績が予想に反して好調だったこと、他の自動車メーカーがテスラとの充電技術を業界標準として採用する契約を結んだことで、テスラの株価は上昇を続けました。
最近のテスラの低迷は、金利上昇が長期化し、自動車需要が減少するとの見通しによるものとみられます。世界経済がスタグフレーション環境に入る可能性もあり、自動車産業のような景気循環セクターには不利な投資環境となります。最後に、中国市場は重要なEV市場であるため、中国経済の問題はテスラにとって悪いニュースとなります。今週に入り、テスラはわずか3日間で2回目の中国での値下げを発表しました。これは、炭酸リチウム価格が再び下落するという予測に立ったものである可能性が高いが、中国市場が予想以上に低迷しているか、単に競争が激化していることの表れでもあるといえるでしょう。いずれにせよ、2023年第2四半期の業績(粗利益率18.2%、EBITDAマージン14.3%)と、2022年第1四半期の業績(粗利益率29.1%、EBITDAマージン23.9%)を比較すると、既に利益率の低下が示唆されています。
2023年第2四半期のEV納車台数は過去最高を更新し、弊社が追跡する自動車会社を15社に拡大しました。前期は154万台、バッテリーEV(BEV)の納車台数は過去最高を更新し、2020年第1四半期からの累計1,000万台を超えました。テスラの市場シェアは、2020年第1四半期の推定67%から、2023年第2四半期には30%程度まで低下しており、これは1年前とほぼ変わらない数値です。30%という安定した市場シェアは、現在のトヨタの世界市場シェアの約3倍であり、興味深い数字でもあります。もしテスラが、世界の自動車がBEVのみの販売に転換する中で市場シェアを維持できるのであれば、テスラはトヨタの3倍の価値で評価されるべきだという議論も成り立つでしょう。興味深いことに、これは市場が現在適用している基準でもあります。テスラの時価総額7,390億ドルに対し、トヨタの時価総額は現在2,650億ドルです。もちろん、これは単純な計算であり、規模を示す現実的なアプローチではありません。
世界の自動車産業で印象的なのは、22の大手自動車メーカー(純粋なEVメーカーとICEメーカー)の時価総額合計が、2015年12月の0.7兆ドルから1.9兆ドルに上昇し、同期間の世界自動車生産台数の伸びを上回っていることです。これは、投資家が将来のBEVの価値を、現在のICE(ガソリンエンジン)よりも1台当たりで高いと割り引いていることを示唆しています。この仮定は、テスラをはじめとするEVメーカーの投資家にとって、依然として最大かつ主要なリスクの一つです。BEVは将来、本当にICEよりも営業利益率が高くなるのでしょうか?
現在世界で街中を走っている1,030万台のBEVは、これらが街中を走っていなかった場合と比較して、石油需要を0.28Mb/d(百万バレル/日)減少させていると試算されています。原油市場にとって重要な変曲点は、新たに追加されるBEVによる年間石油需要削減量が1Mb/dに達した時でしょう。現在のBEVによる12ヶ月間の石油需要の減少幅は約-0.14Mb/dであるため、現在のBEV普及台数では、石油需要のピークはおよそ3~4年先にあります。四半期が経過するごとに、原油価格の動向はBEV普及率をますますディスカウントしていくでしょう。