a_high_resolution_cinematic_ultra_realistic_city_1_under100kb_1672_q50

テクノロジーの先へ:第2四半期決算が示した、広がるAI投資テーマ

株式 5 minutes to read

重要なポイント:

  • AIは、より幅広い設備投資サイクルへと発展:データセンターには、重機、発電設備、送電網インフラ、冷却設備、不動産、そして多額の外部資金が必要です。
  • その動きは企業決算で一段と鮮明に:GEベルノバは上期に50億米ドル超のデータセンター関連受注を開示しました。イートンはデータセンター関連売上高が約65%増加し、デジタル・リアルティとトレイン・テクノロジーズも、それぞれリースと業務用空調需要の力強い伸びを示しました。
  • 投資対象セクターの広がりは、必ずしもリスク分散を意味しない:各社は異なる業種に属していますが、増分需要の多くは、最終的にハイパースケーラーによる継続的な投資に依存しています。

ここ数年、AIへの投資といえば、主にテクノロジー分野を意味していました。エヌビディア、半導体、メモリー、ネットワーク、そしてハイパースケーラーそのものです。

しかし昨今では、その定義では狭すぎるようになっています。

AIデータセンターは、GPUだけでは稼働しません。建設し、送電網に接続し、冷却し、安定した電力で支え、資金を調達する必要があります。こうした要件は、従来ならAI関連株とはみなされなかった企業の決算にも、ますます表れています。

ディアとキャタピラー:データセンター建設を支える重機と建設需要

ディアの直近の建設・林業部門の売上高は、前年同期比18%増加しました。米国のインフラ投資とAIデータセンター建設が、その一因となっています。

キャタピラーにも同様の傾向が見られました。建設機械部門の売上高は35%増、エネルギー・運輸部門は17%増となりました。エンドユーザー向けの大型発電機セットとタービンの販売が大きく伸び、経営陣はデータセンター需要を重要な成長要因として挙げています。

投資家の視点:当社の見方では、これらの決算は、AIインフラへの投資が伝統的な産業企業の業績にも影響する規模へ拡大していることを示しています。ただし、ディアもキャタピラーもAIに特化した投資対象ではありません。農業、鉱業、建設、そして幅広い景気循環が、引き続き重要な業績要因です。

GEベルノバとドミニオン・エナジー:AIの成長が電力需要を押し上げる


AIインフラの拡大は、発電と送電網のテーマにもなりつつあります。

GEベルノバは、2026年上期に50億米ドルを超えるデータセンター関連受注を計上しました。これはすでに2025年通年の同受注額の2倍を超えています。第2四半期の受注全体は、オーガニックベースで88%増加しました。

ドミニオン・エナジーの決算は、需要側の裏付けを示しています。同社のバージニア事業は世界最大級のデータセンター市場の一つで事業を展開しており、同部門の第2四半期の調整後営業利益は22%増の6億7,000万米ドルとなりました。データセンター需要の拡大が、電力負荷の伸びに寄与しています。

投資家の視点:当社は、利用可能な電力が今後のAIインフラ拡大を左右する主要な制約の一つになりつつあると考えています。これは、発電、送電、公益事業投資への需要を支える可能性があります。一方で、この成長に対応するには多額の設備投資が必要であり、規制や資金調達コストによって、最終的に株主リターンへ結び付く度合いが左右されます。

イートンとトレイン・テクノロジーズ:演算密度の上昇で電力・冷却インフラの需要が拡大

電力がデータセンターに届いた後は、消費電力が一段と高まるサーバーへ安定的に配電しなければなりません。また、こうしたサーバーは大量の熱を発生させます。

イートンは、第2四半期にデータセンター関連売上高が前年同期比約65%増、同受注が約85%増となりました。同社は、データセンター内で使用されるスイッチギア、遮断器、配電システムなどを提供しています。

トレイン・テクノロジーズでは、米州の業務用HVAC受注が50%増、応用機器の受注が約130%増となりました。受注残高は70%増121億米ドルに達しています。同社はAI関連売上高を単独では開示していませんが、データセンター向け冷却設備は業務用需要を支える重要な要因です。

投資家の視点:これらの決算は、AIを支える目立ちにくいインフラ、特に電力管理と冷却設備の重要性が高まっていることを示唆しています。リスクとしては、高い成長期待がすでに株価に織り込まれている可能性があること、そして受注の伸びがデータセンター建設の継続に依存していることが挙げられます。

デジタル・リアルティとブラックストーン:データセンター需要が不動産・インフラ資産を下支え

AI関連投資の拡大を背景に、データセンター向け不動産やデジタルインフラ資産への需要が高まっています。

デジタル・リアルティの第2四半期売上高は前年同期比29%増となりました。年間換算で3億700万米ドルの新規契約を締結し、四半期末のリース受注残高は過去最高の19億米ドルに達しました。契約更新時の現金ベース賃料上昇率は25.4%でした。

ブラックストーンの事例も同様の傾向を示しています。同社によると、第2四半期に価値が上昇した上位10件の投資のうち9件がAI関連で、QTSデータセンターなどのデジタルインフラ資産も含まれていました。

投資家の視点:こうした動きは、計算能力と電力インフラを同時に確保できるエリアへの需要が急速に高まっていることを示しています。一方で、データセンター不動産は極めて資本集約的な事業であり、金利環境や電力供給能力、将来的な利用率の前提に大きく左右されることになります。

ゴールドマン・サックスとバンク・オブ・アメリカ:AIインフラ整備には巨額の資金が必要

データセンター投資の規模が拡大するにつれ、AIサイクルは銀行や資本市場にとっても重要性を増しています。

ゴールドマン・サックスの第2四半期の投資銀行業務手数料は55%増の34億米ドルとなりました。ただし、AI関連取引による寄与額は個別に開示していません。

バンク・オブ・アメリカは、2025年以降、AI関連企業による債券・株式市場での資金調達を、約5,000億米ドル支援したとしています。

企業がデータセンター、GPU、発電設備、周辺インフラへの投資資金を手当てするなか、資金調達機会は融資、債券発行、株式による資金調達、ストラクチャード・ファイナンス、アドバイザリー業務へと広がっています。

投資家の視点:私たちは、AIが株式市場のテーマであるだけでなく、資本市場全体を動かすテーマへと発展しつつあると考えています。ただし、銀行業界におけるAIの恩恵は設備投資関連企業ほど直接的ではありません。銀行の収益は依然として金利環境、信用状況、市場取引の活発さ、そしてM&Aや資金調達を含む取引環境全般に大きく左右されるためです。

 


企業決算が投資家に示していること

企業決算は、AI投資がもはや半導体やソフトウェアだけの話ではないことを示しています。

私たちは、AI投資テーマは「テクノロジー銘柄への投資」から、「AIを支えるための設備投資サイクルへの投資」へと転換してきていると捉えています。

ただし、注意すべき点もあります。業種が異なる企業へ投資しているように見えても、その収益拡大の源泉をたどると、最終的にはAI向け支出を続けるハイパースケーラーに行き着くケースが増えているからです。


 

コンテンツ免責事項

本項目で提供される情報は、金融商品の売買を勧誘、推奨、または承認するものではなく、金融、投資、または取引に関するアドバイスを目的としたものではありません。当社およびサクソバンクグループの各法人は、執行専用のサービスを提供しており、すべての取引および投資はご自身の判断に基づいて行われます。分析、調査、および教育コンテンツは情報提供のみを目的としており、アドバイスや推奨として解釈されるべきではありません。
言及されている金融商品を実際に取引される際は、必要証拠金等の取引条件について「注意喚起文書」ならびに「契約締結前交付書面(取引説明書)」、また取引チケット上から必ずご確認ください。 
※各金融商品のリスクについては、重要事項及びリスク開示からもご確認いただけます。

当社のコンテンツは、著者の個人的な見解を反映している場合があり、予告なく変更されることがあります。特定の金融商品の言及は、例示目的であり、金融リテラシーの向上を目的としています。投資調査として分類されるコンテンツはマーケティング資料であり、独立した調査の法的要件を満たすものではありません。
投資判断を行う際には、ご自身の財務状況、ニーズ、目標を十分に考慮し、必要に応じて独立した専門家のアドバイスを受けるかどうかの判断も含め、自己責任であることをご理解ください。当社は、提供される情報の正確性または完全性を保証するものではなく、この情報の利用により生じた誤り、脱漏、損失または損害について一切の責任を負いません。

 

 

サクソバンク証券株式会社
Saxo Bank Securities Ltd.
Izumi Garden Tower 36F
1-6-1 Roppongi Minato-ku
Tokyo 106-6036
〒106-6036 東京都港区六本木1-6-1
泉ガーデンタワー36F

お問い合わせ

日本
日本

【重要事項及びリスク開示】

■外国為替証拠金取引は各通貨の価格を、貴金属証拠金取引は各貴金属の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、売買の状況によってはスワップポイントの支払いが発生したり、通貨の金利や貴金属のリースレート等の変動によりスワップポイントが受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■外国為替オプション取引は外国為替証拠金取引の通貨を、貴金属オプション取引は貴金属証拠金取引の貴金属を原資産とし、原資産の値動きやその変動率に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、オプションの価値は時間の経過により減少します。また、オプションの売り側は権利行使に応える義務があります。
■株価指数CFD取引は株価指数や株価指数を対象としたETFを、個別株CFD取引は個別株や個別株関連のETFを、債券CFD取引は債券や債券を対象としたETFを、その他証券CFD取引はその他の外国上場株式関連ETF等を、商品CFD取引は商品先物取引をそれぞれ原資産とし、それらの価格の変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、建玉や売買の状況によってはオーバーナイト金利、キャリングコスト、借入金利、配当等調整金の支払いが発生したり、通貨の金利の変動によりオーバーナイト金利が受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■上記全ての取引においては、当社が提示する売価格と買価格にスプレッド(価格差)があり、お客様から見た買価格のほうが売価格よりも高くなります。
■先物取引は各原資産の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。
■外国株式・指数オプション取引は、対象とする有価証券の市場価格や対象となる指数、あるいは当該外国上場株式の裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動、指数の数値等に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、対象とする有価証券の発行者の信用状況の変化等により、損失が発生することがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。さらに、外国株式・指数オプションは、市場価格が現実の市場価格等に応じて変動するため、その変動率は現実の市場価格等に比べて大きくなる傾向があり、意図したとおりに取引ができず、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。また取引対象となる外国上場株式が上場廃止となる場合には、当該外国株式オプションも上場廃止され、また、外国株式オプションの取引状況を勘案して当該外国株式オプションが上場廃止とされる場合があり、その際、取引最終日及び権利行使日が繰り上げられることや権利行使の機会が失われることがあります。対象外国上場株式が売買停止となった場合や対象外国上場株式の発行者が、人的分割を行う場合等には、当該外国株式オプションも取引停止となることがあります。また買方特有のリスクとして、外国株式・指数オプションは期限商品であり、買方がアウトオブザマネーの状態で、取引最終日までに転売を行わず、また権利行使日に権利行使を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。また売方特有のリスクとして、売方は証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。売方は、外国株式・指数オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れ又は預託しなければなりません。その後、相場の変動や代用外国上場株式の値下がりにより不足額が発生した場合には、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要となります。また売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければなりません。すなわち、売方は、権利行使の割当てを受けた際には、コールオプションの場合には売付外国上場株式が、プットオプションの場合は買付代金が必要となりますから、特に注意が必要です。さらに売方は、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。さらにこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。外国株式・指数オプション取引(売建て)を行うにあたっては、所定の証拠金を担保として差し入れ又は預託していただきます。証拠金率は各銘柄のリスクによって異なりますので、発注前の取引画面でご確認ください。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、取引証拠金を事前に当社に預託する必要があります。取引証拠金の最低必要額は取引可能な額に比べて小さいため、損失が取引証拠金の額を上回る可能性があります。この最低必要額は、取引金額に対する一定の比率で設定されおり、口座の区分(個人または法人)や個別の銘柄によって異なりますが、平常時は銘柄の流動性や価格変動性あるいは法令等若しくは当社が加入する自主規制団体の規則等に基づいて当社が決定し、必要に応じて変更します。ただし法人が行う外国為替証拠金取引については、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用いて通貨ペアごとに算出(1週間に1度)した比率を下回らないように当社が設定します。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、損失が無制限に拡大することを防止するために自動ロスカット(自動ストップロス)が適用されますが、これによって確定した損失についてもお客様の負担となります。また自動ロスカットは決済価格を保証するものではなく、損失がお預かりしている取引証拠金の額を超える可能性があります。
■外国証券売買取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。
■取引にあたっては、契約締結前交付書面(取引説明書)および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。

サクソバンク証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
手数料:各商品の取引手数料についてはサクソバンク証券ウェブサイトの「取引手数料」ページや、契約締結前交付書面(取引説明書)、取引約款等をご確認ください。