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サマリー: 今週もドル円(USDJPY)を取り上げました。12月20日の日銀会合でドル円は円高方向への動きを確定したと言えますが、年始には一時129円台半ばまで円高が進みました。今回の円高局面のターゲットがどのあたりなのか、長期、短期テクニカル双方の観点から探っていくこととします。
今週は先週に続いて調整が続くドル円(USDJPY)と米国個別株CFDを2つ取り上げます。
■ドル円(USDJPY)
先週書いた通りですが12月20日の日銀会合前と後とでは完全に為替市場を取り囲む環境が変わってしまったと言えます。9月の大規模介入の後も円安が進行し151.935という2022年高値を見ましたが、同日の更なる大規模介入で方向転換、さらに米国の予想よりも弱いインフレ率を背景に米金利のピーク感も強まり、それまで円安一辺倒だった為替市場に年末に向けての調整が強まっていたところに日銀のイールドカーブコントロールの変動幅拡大という実質的な緩和縮小政策を見て、誰もが既に当面のドル高値は見てしまったという認識を強めた年末となりました。さらに年始の相場で円買い戻しの動きが見られ、ドル円は戻り売りの流れになっているということが、明確になってきた展開です。
今回は長期のチャートから2022年のドル高とその後の調整をその前の同様の事例と比較することから始めたいと思います。四半期足チャートをご覧ください。2011年安値75.298から2015年高値125.851までの上げが50.553円と約50円の上昇、その後の下げは2016年安値の98.818と半値押しの水準を若干超える下げです。今回はドル高の起点が2021年ですから2021年安値102.582から2022年高値151.935までの上げが49.353円とやはり約50円の上昇、その後の下げは半値押し127.259をターゲットとしている可能性が高いものの、そこまでは下げていません。今回も半値押しをやや下回る水準となると、まずは125円の大台を目指し、その後の動きはそれから考えるということになるでしょう。
上記のことを前提に日足チャートもご覧ください。
2022年高値151.935を起点とした平行下降チャンネルの中での推移を続けていて、現在は2015年高値125.851を視野に入れながら次に下げを狙っている段階にあると考えられます。買い戻しが先行してもチャンネル上限のレジスタンスラインでの反落が考えられ、現在そのレジスタンスラインは133円台前半を下降中です。最近の円相場は値動きも大きいため、レジスタンスラインまでの戻しもあり得る前提でドル売りを考えるという戦略がよいと思います。
まだ1月も始まったばかりですから、1月中に125円台トライはいかにもありそうな流れではないでしょうか。今回はテクニカルな観点からドル円の一段安を考えてみました。