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ドル円(USDJPY)

FX
Yasuji Yamanaka 400x400 03
山中 康司

アナリスト/アセンダント代表

サマリー:  ドル円が介入前高値を上抜け147円台に乗せてきました。円安の速度が速く介入警戒感も高まっていますが、日柄的にも短期的には147円台はいったん止まりやすい水準です。しかし中長期的には日米の金融政策に変化が出てくるまで円安は止まりそうもありません。ここから上の水準のターゲットをテクニカルな観点から確認しておきましょう。


今週はドル円(USDJPY)と米国個別株CFDを2つ取り上げます。

■ドル円(USDJPY)

最近は急速に円安が進んだり、円買い介入が出たりと動き自体が激しいため、ドル円を取り扱うことが多いのですが、ここに来て介入前高値を上抜ける動きとなってきたため、今週はドル円(USDJPY)を取り上げることとしました。

為替市場の動向を考える上で米国CPIと米金利の動きが重要であると考えていますので、このレポートは米国CPIが発表されるのを待って執筆しています。米国9月CPIは予想(8.1%)よりも強く、前年比で8.2%となりました。前月の8.3%よりは下げているものの、前月比では0.4%とこちらも予想よりも強い数字となっています。

米国のインフレがまだ収まっていないという判断から発表直後に米金利は上昇、10年債利回りは4.08%と2008年以来の水準へと上昇しました。金利上昇の動きを受け、株式市場は急落、為替市場はドル買いで反応しましたが、その後急速に米金利が低下し3.93%台へ入る動きとともに、株式市場は反発し売られる前の水準以上に上昇する動きとなっています。

いっぽうで為替市場ではユーロドルは株式市場と同様に下げる前の水準よりも買われていますが、ドル円は147円台後半へと円が一段安となったこともあり、ドル高値圏での動きを続けています。今回ドル円は1998年のドル高値147.65レベルを上抜け147.664をつけています。こうなると、それよりも前の水準を確認するところから始めないとということで、前回同様に長期チャート見てみることとしましょう。

以下のチャートは四半期足チャート1985年以降の動きを示しています。
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(チャート提供:TradingView)

長期的には1998年高値は、1985年高値262.80と2011年安値75.58との38.2%戻しとも重なる位置にあり、いったんは止まってもおかしくない水準です。ここで止まらないと次は1990年高値160.16を視野に入れる展開となりますが、個人的にはそのトライまでは今回は行かないと考えています。

前回1997~1998年の円買い介入が実施された際の最初の介入後の動きと似ていることを指摘しましたが、まさにその通りの動きとなってきました。介入実施日を安値にその後2日ほど上昇、その後1週間程度のもみあいを挟み改めて円安再開という動きでしたが、今週は円安再開の動きになったと言えます。

長期的には米国の緩和への転換か、日本の引き締めへの転換が起きるまで簡単にはドル高・円安は止まらないのですが、短期的にはどこまで円安が進むのか日足チャートからテクニカルに考えてみます。

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(チャート提供:サクソバンク証券)
介入後の安値を起点に10月3日までの上げ、その後5日の押しを3点とする短期上昇N波動を想定し、フィボナッチ・エクステンションでここからの上値の目途を計算してあります。

本日のCPI発表後の高値は長期的にもいったん止まりやすい水準であることは前述したとおりですが、短期的にも147.321に最初のターゲットがあったことから147円台はいったんは上昇が止まりやすい水準と言えます。日柄的にも10月11・12日前後(誤差1日として13日まで)はドル高値をつけやすい時間帯となっているため、短期的には148円台を見ることなく、1998年高値到達の達成感から下げに転じやすいと考えています。

ただ、その場合でも145円割れでは既にドル買いオーダーが入ってきていると見られ、その後上昇に転じる動きが出てくる時には上記チャートの次のターゲットである148.496をターゲットに再上昇する流れになると考えられます。

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