ドル円(USDJPY)
サマリー: 今週の動画では円買い介入について扱いましたが、レポートでも動画と連動させてドル円を扱うこととしました。1997~1998年の円買い介入では介入後は反転、もみあいを経て改めて円安に動きました。今回の介入後も似た動きになっていることから、長期的なドル高・円安トレンドには変化は無いと見ています。動画も併せてごらんいただくとより理解が深まると思います。
■ドル円(USDJPY)
ドル円(USDJPY)は、今週の動画解説「円買い介入を考える)でも取り上げましたが、レポートでも改めて取り上げておこうと思います。
9月22日に政府日銀は24年ぶりの円買い介入に踏み切りましたが、私も含めて実弾介入は行われないと考えていた市場参加者のほうが圧倒的に多かったはずです。しかし、9月8日の三者(財務省、日銀、金融庁)会談から15日のレートチェックの間に米国から単独介入の了承を取り付け、22日の日銀会合後の145円台乗せを見たことで介入実施となりました。
直前に神田財務官からスタンバイの状態という発言はあったものの、介入はかなりのサプライズで145円台から140円台まで5円以上も円高に振れることとなったわけです。24年ぶりでインパクトも強かったことから介入金額は1兆円程度ではないかと考えていましたが、今週に入り円資金移動の推定から介入金額は3~3.5兆円程度と過去最大の規模で実施されたと言われています。
3兆円で145円としても約207億ドルとかなりの金額です。1998年4月の介入が約200億ドルとこれまで最大の規模であったことを考えると、3兆円以上使って5円は動いたもののその後は144円台後半でのもみあいを続けていて、改めて円安継続を窺う展開になっています。
過去の状況から今回の介入後の動きについて考えてみましょう。1997年12月と1998年4月の円買い介入時の動きから見て行きます。
次に今回の介入のチャートです。
前回はその後7営業日ほどもみあいを続けた後に再びドル高・円安トレンドへと回帰しています。今回も10月初めまでもみあいを続けその後ドル高・円安へと回帰する可能性は結構高いのではないかと考えています。
円買い介入が出るということはそれだけ円売り圧力が強かったからに他なりません。前回はアジア通貨危機でドルの独り勝ち、今回は米国の速く大きな利上げによるドルの独り勝ちです。背景は異なってもドルの独り勝ちになりやすい材料は変わっていないわけで、145円をトライし新高値146円、さらには150円を目指す動きとなってもおかしくないどころか、そうなる可能性のほうが高いと言えます。
前回は結局1998年8月ロシアのデフォルトがドル安への転換点となりました。今回もロシアということは無いでしょうから、ドル円に関しては日銀の緩和から引き締めへの転換が大きな転換点となることは間違いないところです。しかし、年内にはそうした動きは考えにくく、黒田日銀総裁の任期満了となる2023年4月以降でしょうか。
いつ思惑が先行するか、おそらくは年明けでしょうから、それまでは長期的なドル高・円安のトレンドには変化は無いと見ていた方がよさそうです。