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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: ドル円はトランプラリー時の高値をもあっさりと上抜けFOMC後に119円台を見ることとなりました。材料的には円売り材料しか見当たらないのですが、日本経済への悪影響を懸念して財務官、財務相は為替相場を注視するという発言をしています。ここまでの円安の流れを見ながら、ここからどのような展開が考えられるのかを考察します。
ドル円(USDJPY)は昨日のFOMC後に一時119.113の高値をつけ2016年トランプラリー時のドル高値118.656を上抜け2016年2月以来6年ぶりの水準を見ています。
ここに至るまでのドル円の動きを週足を見ながら振り返ってみます。
長期的には2021年1月にドル円でドルは安値をつけ、それ以降はテクニカルなレジスタンスを次々と上抜けながらドルの高値追いを続けてきました。背景にあったのはコロナショックから米国経済が立ち直り米金利が上昇するいっぽうで日本の大規模緩和政策は終わりが見えないといういわゆる日米金利差拡大の思惑がベースにありました。
その後も大台を次々と抜ける動きとなっていましたが、今年に入ってからはロシアがウクライナ侵攻という暴挙に出たことでこれまでとは異なるリスクオフの考え方がドル買いにつながりました。これは冷戦時代のリスクオフの考え方ですが、万が一ロシアとNATO軍が衝突するようなことでもあれば、世界最大の軍事力を背景に米国資産が買われやすくなるという有事のドル買いという考え方です。
この動きは米国同時多発テロをきっかけに急速にリスクオフの円買いという考え方へとシフトしていきましたが、今回のウクライナ危機で久しぶりに有事のドル買いを見ることとなりました。
そしてそこからは改めてトランプラリー時のドル高値を意識され、FOMCで年内7回(0.25%を1回として)の利上げ見通しが示され、さらに次回FOMCでバランスシート縮小にも着手する可能性に言及されたことで119円台を見ています。こうなると次のターゲットは大台120円、そして2015年高値の125.851と、かなりの円安を考えざるを得ないということがテクニカルな観点からは見えてきます。