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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 最近動きが大きいので、今週もドル円を取り上げました。この間ドル円は大きめの調整が入っていますが、ウォラーFRB理事の発言もあり、一段安の可能性が残っていると見ています。下値のターゲットをテクニカルな観点から探ってみました。
今週もドル円(USDJPY)を取り上げます。
ドル円(USDJPY)は2週前16日の執筆時点では151円台前半に位置し、昨年高値を上抜け152円台半ばを試す可能性が高いという見方をしていました。しかし、その後も米国の経済指標は弱めの内容が多かったことに加え、ポジション的にも大きく円売りに傾いていたことから、そのポジション調整による円買い戻しが強まる展開となりました。
シカゴ通貨先物のポジションは火曜時点でのポジションが金曜NYの引けに発表されますが、14日時点で13万枚を超える円売りポジションと、2017年以来の円売りサイズとなったことで、その後の調整が152円近い水準から直近の146円台半ばまで円買いを招いたと見てよいでしょう。
また一昨日のウォラーFRB理事の発言も気になる内容でした。同氏は元来はタカ派のFRB理事と見られていましたが、「インフレ率がさらに数ヶ月低下すれば、政策金利を引き下げる根拠」と数ヶ月といった時期も含め、緩和への転換の可能性を示唆する誰よりも一歩踏み込んだ発言を行いました。146円台半ばまで下げた直接的なきっかけとなった発言です。
また昨夜の米国GDP改定値は上方修正ではあったものの、個人消費が予想よりも弱く、またベージュブックも前回に比べ景気が弱くなってきていることを示していました。これらのことから12月FOMCでの現状維持は確実視され、今度の経済指標によっては一段のドル安を見る可能性が高まってきたと言えるでしょう。
テクニカルには日足チャートをご覧ください。
ドル円は大きく円安が進んだ2023年の流れの中で比較的大きめの調整が3月と7月に入りました(黄色の矢印)。どちらも約8円幅での調整となっていて、今回も同様の調整が入るとすると144円水準までの下げに相当します。
また7月安値から11月高値までの上げに対して、半値押しが144.574となっていることも144円台前の調整を見る可能性があるという見方につながります。12月FOMCでの現状維持は確定的ではありますが、今後出てくる米国経済指標、あるいはFRB関係者の発言次第で145円の大台を割り込む展開が意外と早いタイミングで見るのではないかと考えています。