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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 今週は150円の大台に乗せてきたドル円を取り上げます。介入警戒感は強いもののすぐには出ないだろうとの見方の方が現時点では多そうです。それ以上に来週の日銀会合でイールドカーブコントロールの変動幅拡大もしくは撤廃が議論される可能性が高まっていることが、円高の材料とされる流れになってきました。ひょっとすると日銀の政策変更と介入が同時に出てくる可能性もあるという見方を披露します。
今週はドル円(USDJPY)を取り上げます。
ドル円(USDJPY)は日米金利差によるドル買いと介入警戒感による回転が速い利食いとで、149円台後半で上下ともに抑えられる動きが続いていました。5%の大台を見た米金利(10年債利回り)も達成感から反落したもののすぐに上昇に転じ、昨日のNY市場ではドル円も150円の大台を突破、一時10月3日の高値を上抜けて150.319へと高値を更新しました。
今朝は鈴木財務相が円安の動きを注視しているとけん制したもののすぐに介入が出る印象も薄く、150.480と昨夜の高値を超える動きとなってきました。問題はここからですが、テクニカルには昨年高値151.945まで目立ったレジスタンスは存在しません。しかし、同水準まで何もしないとも思えず、急な動きで無くても円安が一段と進行するようであれば介入が入る可能性は高いでしょう。
そして介入以上に警戒されているのが来週火曜の日銀会合です。最近のドル円の動きは日銀の動向に対して海外勢を中心に警戒感が強く、先週も物価見通し上方修正に反応して円高に振れる場面が見られました。緩和縮小に繋がるニュースに敏感な地合いと言えますが、いっぽうで絶対的な日米金利差があることから、ポジション自体はドル買い(円売り)で考える参加者が多い状況です。
日銀が7月にイールドカーブコントロール(YCC)の変動幅を1.0%へと拡大した際に、金利上昇に対する幅を持たせると同時に為替のボラティリティ低下も考えていたということでしたから、10年債利回りが0.9%に近づき上限までの余裕が無くなってきていること、150円の大台に乗せ円一段安の動きにつながりかねないことを考えると、来週の日銀会合でYCCの変動幅拡大もしくは撤廃が議論される可能性は高いと見ています。
そうなると、ドル円はいったん調整で下げる動きにつながりますが、日銀の政策変更に合わせて財務省も為替介入に動くといったより効果を高める動きも否定できず、本日から来週火曜の日銀会合までは円高の動きに注意という流れになってきていると感じます。
念のため、チャートも見ておきましょう。今回は4時間足チャートです。
短期的には小規模介入が入ったとみられる10月3日の高値と安値が重要で、高値は超えてきましたのでごく目先はこの10月3日高値150.163はサポートとなるものの、それ以上に150.00がサポートとして認識されています。しかし日銀会合を前に、150円の大台に乗せたままで会合を迎えるとは考えにくいため、次のサポートを考えると10月3日安値から引いたサポートが現在149.60レベルから上昇中です。
今後、このサポートを下抜ける動きが出てくればいったん円買い戻しの動きにつながるのではないかと考えています。一方で上値については上述の通りレジスタンスは特にありませんが、150円台半ばから後半ではドルの買い手もいったん利食いを入れる可能性は高いように思えます。来週の会合に向けてそろそろドル売りポジションの仕込みどころを探りたいと考えます。