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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 年明け初回はドル円をピックアップしました。2024年は米金利低下と円金利上昇による円高という大きな流れには変化は無いと考えていますが、年初からの急速な円安進行で昨年末安値から6円以上もの戻しが入っています。テクニカルに戻しの水準と、その後の長期的な円高のターゲットについて改めて考えます。
前回執筆した年末から大きく動きましたので、今週もドル円(USDJPY)を取り上げます。
ドル円(USDJPY)は相変わらずよく動きます。昨年1年間を振り返っても、ドル円が25円近く動いたのに対してユーロドルは800pips強と値幅は3倍も異なっています。年明け後もドル円の動きが際立っていて、今年も為替市場で最も動く通貨はしばらくドル円となりそうです。
昨年末のレポート執筆時点では米金利が早いタイミング、速いペースで利下げが進むという思惑と、日銀も早ければ第1四半期にイールドカーブコントロール(YCC)の撤廃とマイナス金利の解除に動くのではないかとの思惑から急速にドル売り・円高が進み140円台前半まで円高が進行していました。
しかし、年明け早々に起きた能登半島地震の影響で日銀の出口戦略思惑は後退し、ポジション調整による円売りからスタートすると同時に、12月FOMC議事録が公開され思ったほどハト派ではないとの見方から、米金利上昇によるドル買いが重なりました。円売り材料とドル買い材料が重なる中で、米国雇用統計が予想よりも強かったことで、先週金曜には146円目前の水準まで上昇することとなりました。
その後も年始からのポジション調整からドル円、クロス円とも下がったところでは買いという動きになっていましたが、昨日の米国CPIも予想より強かったことを受け、一時146円台半ばまでドル高が進行しています。
このようにドル円は12月下旬の日米金利差縮小思惑によるドル売り・円買い、年明け後の日米金利差縮小思惑後退によるドル買い・円売りと日米金利差思惑が今年も最大の相場材料になってくることは間違いありません。長期債の利回りから見る日米金利差とドル円の相関はここ数年非常に高く、ほぼ同じような動きをしてきたと言っても過言ではありませんので、3月の米国の緩和思惑があり、日本も地震の復興が見えてくれば長期的な円高方向への動きは出やすいと言えるでしょう。
テクニカルには週足チャートをご覧ください。
年初からの戻しは昨年高値とその後の12月安値との半値戻し146.088から61.8%戻し147.466の間で終わると見ています。個人的にはCPI後の高値146.416が短期的な高値になった可能性は高く、145円の大台をトライし144円水準までの押しを考えています。
その後は1月の金融政策ウィークに向けて横方向のもみあいが続きやすいでしょうが、長期的な日米金利差縮小は既定路線と考えて良く、そうなるとドル円は昨年安値と高値の半値押しとなる139円台半ば、そして61.8%押しの136円台半ばをターゲットに円高方向への動きが出てくるという長期的な見方には変化はありません。