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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 先週3日のECB理事会後の総裁会見で、理事全員のインフレ懸念と年内利上げの可能性を否定しなかったことからユーロは急騰する動きを見せました。ウクライナ問題が小康状態を保っていることもユーロを買いやすくしていると言えます。ユーロは全通貨に対して強含んでいますが、今週は対円での動きを見て行きます。
ユーロ円(EURJPY)は先週のECB理事会後のラガルド総裁会見を境に急騰し、理事会が開催された3日の安値129.171から7日高値132.158まで週末を挟んで約3円の上昇を演じたこととなります。
ユーロ円は既に1月末から上昇に転じていましたが、これは昨今の欧州主要国における高いCPIからECB理事会において緩和縮小議論が行われるのではないかとの思惑から、依然として超緩和スタンスを維持する日銀との対比でユーロ買い・円売りの動きが入ったことがきっかけです。ECB理事会では結果こそ現状維持だったものの、その後の総裁会見で理事全員がインフレについて懸念を共有していること、また環境が整えば年内利上げもあると思われる発言をしたことでユーロは各通貨に対して急騰しました。
月曜のラガルドECB総裁講演ではテーパリンングが終わってからでないと利上げには移らないとも言ったことから現時点では9月までは利上げは無いと見られるものの、10~12月期には利上げの可能性があることとなります。今週10日にはエコノミストのレーン専務理事の講演もありますので、同氏の発言内容を見た上で今後のECBについての方向性がより明確になりそうですが、思ったよりも早期に緩和終了となる流れは確定的に思えます。
いっぽうでマクロン仏大統領がロシア、ウクライナと動き一時期よりはウクライナ情勢は小康状態を保っている状態となっていますが、今後の状況は不透明で、万が一ロシアがウクライナに侵攻となると地政学リスクからユーロが最も売られやすくなることもたしかです。短期的には可能性が低いリスクシナリオという押さえで考えておいてよいかと思います。
テクニカルには日足チャートをご覧ください。
12月安値から1月高値までの動き、その後の1月安値までの動きは丁寧な動きでしたが、ECB理事会後の急騰は最近のユーロ円では見られないほどの値幅を伴ってあげています。これだけの動きをすると押し目買いが出やすくなりますので、1月高値の131.587から131円台前半にかけてが現在サポートとなりやすい水準です。
ただ大きく上げた水準が2021年10月高値と12月安値の76.4%戻しとも重なっていることから、いったん落ち着きどころでもあります。132円前後でもみあいながらも131円台半ばまでの押しが入るようであれば当面は絶好の押し目買いの場となってくるのではないかという見方です。そしてさらに上昇する動きとなる場合には10月高値の133円台半ばも視野に入ってくるのではないでしょうか。