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最高投資ストラテジスト(Saxo Group)
サマリー: 先週は、中国が厳格なゼロコロナ政策を大幅に緩和するとの観測が流れましたが、興味深いことに、当社の2つの中国テーマバスケットは、それがどの程度のスピードで達成されるかについての確信という点では一致していませんでした。香港で取引されている流動性の高いテクノロジーおよび消費者関連銘柄を中心とする当社の中国消費財・テクノロジーバスケットは4%上昇し、本土の取引所で取引されている銘柄を中心とする中国の小さな巨人バスケットは1%下落しました。先週のもう一つの重要な出来事は、ブラード・セントルイス連銀総裁が政策金利についてタカ派的な発言をしたことで、当社のバブル株バスケットは先週9%下落しました。
先週は、2つのシナリオと取引に振り回された一週間でした。中国が厳格なゼロコロナ政策を緩和して経済を再開するというシナリオと、欧州はウクライナの国境に近いポーランドの小さな町にミサイルが落下したため、軍事力を強化する必要があるというシナリオです。その結果、当社の中国消費財・テクノロジーバスケットと防衛バスケットは、それぞれ4.4%と2.3%の上昇となり、この2つが最も好調なパフォーマンスを示しました。
大型消費財・テクノロジー企業を対象としたバスケットは4.4%上昇し、香港で取引される多くの流動性の高い銘柄で構成されているため、外国人投資家からのアクセスも容易です。もう一方のバスケットは、中国の小さな巨人、つまり本土の取引所に上場している主にハードウェアテクノロジー企業から構成されており、したがって国内投資家による売買が圧倒的であり、先週は1%下落しました。先週は、外国人投資家が、中国のゼロコロナ政策からの転換(「習近平ピボット」)への期待から買いを入れ、国内投資家は方向性とスピードに確信が持てないという話だったのでしょうか。
いずれにせよ、厳格なゼロコロナ政策から脱却する道が、想像以上に困難であることは明らかです。北京から300kmほど離れた人口1100万人の都市、石家荘市では、リスクの高い地域の住民が家から出ることを禁じる制限的な政策モードに逆戻りしました。中国としては経済を活性化させるために再び開放するインセンティブは大きいものの、この2週間で投資家が織り込んだように、その道のりは平坦ではなさそうです。