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テクニカルアナリスト
サマリー: 昨日の米国株式市場では、EV大手テスラが大きな売りに見舞われ、株価は下値支持線を下回る110ドル近辺で取引を終えました。株価の下落に歯止めが掛からない中、年末にテスラ株を保有したいと思う投資家はいないはずですが、押し目買いの好機と捉える向きもあるかもしれません。しかし、テクニカル指標では下値が徐々に切り下がっており、来年はさらなる下落局面が待ち受けている可能性を示唆しています。
昨日、テスラ株は前回のテクニカル・アップデートで指摘した下値支持線を下回る110ドル近辺で取引を終えました。
足元の株価は、2020年Q3からQ4に形成したボックス圏内で最も低い水準となります。次の下値抵抗線は91ドルに切り下がっていますが、その水準で持ちこたえることはできないかもしれません。
2022年の年末にテスラを保有したがるファンドマネジャーはあまりいないでしょう。年初のラリー相場を見込んで押し目買いを狙う投資家も少なからずいるかもしれません。ただし、調整があったとしてもあくまでも短期的なものにとどまるとみられ、テスラの投資家は2023年にさらなるダウンサイド・リスクが待ち受けている公算が大きいと当社は考えます。
同社の株価チャートを見ると、・短期(日足)・中期(週足)・長期(月足)のいずれも下降トレンドを辿っており、RSIのダイバージェンスは発生していません。相対力指数(RSI)は40を下回っており、いずれの期間でもセンチメントは総じてネガティブであり、短中期的に下値の余地があることを示しています。2023年にテスラ株が64ドル、あるいはそれ以上に下落する可能性がますます高まっているようです。
その理由については、11月1日付のテクニカル・アップデートをご覧ください。 https://www.home.saxo/content/articles/equities/ta-tesla-bubble-imploding-22112022
テスラ株はまるで破裂寸前のバブルのようです。もしバブルが破裂すれば、株価は一気に底を目指して下落していくでしょう。ここでいう底値とは、同社の株が上昇し始める以前の20ドル~30ドル近辺の水準を意味しており、もし来年64ドル割れの局面が生じれば、底値を目指す展開も十分あり得るでしょう。
投資家は押し目買いによって高い代償を支払うリスクを意識しつつ、損切のタイミングを厳しく見極めながら臨むべきでしょう。一方、株式市場に新たな資金流入が生じた場合には、急速に調整が入り、株価が5~10%上昇する局面もあり得るでしょう。ただ、トレンドはあくまでも下落基調を辿っており、先に述べた水準に向かって再びテスラ株に下押し圧力が高まる可能性が十分あります。
RSIダイバージェンス:相場が高値・下値を更新しているにもかかわらず、Relative Strength Index(RSI:相対力指数)は高値・下値を更新していない現象を意味します。これは市場に不均衡が生じており、上昇、または下降トレンドが転換するサインとなります。市場のダイバージェンス(乖離)またはインバランス(不均衡)は長期的に生じる場合もありますが、足元のトレンドが一巡した可能性を示唆する指標となります。