7月はソフトランディング観測から株価が力強く上昇 7月はソフトランディング観測から株価が力強く上昇 7月はソフトランディング観測から株価が力強く上昇

7月はソフトランディング観測から株価が力強く上昇

株式
PG
ピーター・ガンリュー

株式戦略責任者

サマリー:  米国株式は7月、9.3%上昇しました。インフレ圧力が緩和され、企業財務にも大きな改善がみられたことから、市場では経済のソフトランディングに賭ける動きが強まったためです。また、第2四半期の企業決算が好調であったことから、MSCIワールド・インデックスの収益が第1四半期から約13%回復した点についても考察します。今週は、キャタピラー、アリババ、BMW、アディダスの決算が注目されます。


過去50年間で株式相場が最も好調な月のひとつとなった7月

7月は世界の金融資産にとって信じがたいほど好調な月となりました。FOMCの金利決定と、パウエル議長が記者会見においてFRBはデータに基づく政策方向にシフトすると言及しフォワードガイダンスを示さなかったため、米国株式は9.3%上昇しました。市場は今のところ、FRBがまもなく引き締めのペースを緩めることを示唆するものと受け止めており、来年の利下げを織り込んでいます。市場は、インフレ圧力が緩和され、経済が実際にソフトランディングすることに賭けているようです。これは不確実性が高く、インフレ上昇要因の多くが依然として残っていることを考えると、大きな賭けです。昨年のインフレが消費者に及ぼした影響はまだ完全に顕在化しきっていないため、投資家はまだ慎重であるべきです。

MSCI米国ネット・トータルリターン・インデックスは1969年12月以来、月間ベースで過去16番目の高水準となり、モメンタムが続くのか、それとも平均回帰効果によって株価指数が下落するのかが大きな関心事となっています。短期的には平均回帰効果が支配的であるため、統計的には株式はその方向に向かうと予想されます。7月の上昇により、MSCIワールド・インデックスの株価バリュエーションは0.4標準偏差まで上昇しましたが、これは6月にシカゴ連銀全米活動指数の3か月平均がマイナスに転じ、今年の大幅な減速を示唆したことを考えるとやや過大評価です。

暗号資産はリスクテイク姿勢を最も純粋に表すため、当社のテーマバスケット全体では、暗号関連企業が好調な結果となりました。再生可能エネルギーおよびエネルギー貯蔵関連株も好調でした。これは、欧州のエネルギー危機が継続し、ロシアからの供給に依存しなくともエネルギー需要に対応できる新たなソリューションが早急に求められていることを示しています。7月の市場で最もパフォーマンスが低かったのは中国のテクノロジーおよび消費関連株で、9.6%下落しました。中国当局による締め付けが引き続き成長を圧迫していること、また多くの中国企業が将来的に上場廃止となる可能性があり、米国の公開市場での資金調達手段が狭まりつつあることが要因です。
 

第2四半期の業績は回復基調

第1四半期は、投入コストの上昇により営業利益が減少し、商品価格の高騰とウクライナ戦争により見通しが悪化したため、企業は苦境に立たされました。その後、企業はコスト削減と値上げによって奈落の底から這い上がり、第2四半期の収益は前期比12.9%増となりました。これは、インフレによる価格上昇で収益が増加し、営業利益も全般的に増加したためです。第2四半期の収益成長率を詳しく見ると、ナスダック100企業ではほぼ横ばいであるのに対し、MSCIワールド構成銘柄は、無形資産銘柄に比べ有形資産銘柄の収益が大幅に増加したことにより全体として大幅な増収となりました。
今週は注目すべき決算が目白押しですが、その中でも特に重要なものを以下に挙げしました。欧州のエネルギー危機を考えると、BMW、アディダス、バイエル、ヴォノヴィアなど、今週発表されるドイツ企業の見通しが気になるところです。明日のキャタピラーの決算は、世界の建設業、ひいてはマクロ経済の土台に関する究極のバロメーターであり、最も重要な決算発表といえます。水曜日のブッキングも、消費者に関する何らかの見通しを示すものとして注目されます。水曜日は、中国経済が依然として弱く、週末に米国証券取引所からの上昇廃止警告リストに追加された、電子商取引大手のアリババが大きな注目材料となります。

月曜日:信義光能(シンイー・ソーラー)、HSBC、ハイネケン、アクティビジョン・ブリザード、デボン・エネルギー、モザイク

火曜日:貴州茅台酒、ゼネラリ保険会社、三菱UFJ、BP、コーニンクレッカDSM、AMD、キャタピラー、ペイパル、スターバックス、エアビーアンドビー、オクシデンタル・ペトロリウム、マリオット・インターナショナル、ウーバー・テクノロジーズ、フェラーリ、エレクトロニック・アーツ

水曜日:ニュートリエン、マースク、ソシエテ・ジェネラル、シーメンズ・ヘルシニアーズ、BMW、インフィニオンテクノロジーズ、ヴォノヴィア、任天堂、JDEピーツ、CVSヘルス、ブッキング、モデルナ、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、フォーティネット、アルベマール、イーベイ、メルカド・リブレ

木曜日:ノボ・ノルディスク、クレディ・アグリコール、メルク、バイエル、アディダス、バイヤスドルフ、トヨタ、ソフトバンク、グレンコア、INGグループ、イーライ・リリー、アリババ、アムジェン、コノコフィリップス、EOGリソーシズ、エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ、ブロック、ドアダッシュ、トゥイリオ

金曜日:カナディアン・ナチュラル・リソーシズ、サンコア・エナジー、アリアンツ、ドイツポスト、ナトゥルジー・エナジー・グループ゚

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