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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 史上最高値を更新したNYダウですが米国の利上げ前倒し思惑が強まり昨夜は思いのほか調整の売りが広がりました。短期的にどの程度まで下げる可能性があるのかをテクニカルな観点で考えます。
NYダウ(US30.I)は年末に史上最高値を更新し、年明けには一段高となり昨日5日には36954.1へと最高値を更新後に反落する動きとなっています。
米国ではオミクロン株感染拡大は悪材料とされず、今後も景気は拡大するとの見方が広がったことから株高が続いていましたが、昨夜は前回テーパリング加速を決めたFOMCの議事録が発表され、目新しいことは無かったものの利上げペースが速まる可能性を嫌気して反落することとなりました。
シカゴのFF先物の取引を見ると、既に3月での利上げを織り込む状況となっています。3月時点でテーパリング終了することから、終了と同時に利上げも行われるということになりますが、同時にということが果たしてあるのかどうかは疑問です。それまで米国CPIが更に上昇するといった事態になれば可能性はありそうですが、そうでなければ3月FOMCではテーパリング終了のみ、次の5月4日FOMCで最初の利上げという流れのほうが妥当に思えます。ただ、2022年のFOMCメンバーのうち入れ替わる地区連銀総裁は2021年よりもタカ派寄りになることから、まずは1月26日FOMCでの議論が注目されるでしょう。
NYダウに話を戻すと、史上最高値更新による達成感と早期利上げ思惑が目先の売り材料となりますが、テクニカルにもいったんいいところに来たというチャートです。まず週足チャートをご覧ください。
昨年第2四半期以降は拡散型のウェッジ形状となっていますが、上値側を見ると今週の史上最高値がちょうどラインに乗っていることがわかります。多少の誤差は考える必要はあるものの、短期的に調整が先行しやすい水準から下げてきたということがわかります。
短期的な下値の目途は日足チャートから考えてみましょう。
12月20日安値と史上最高値とのフィボナッチ・リトレースメントを計算すると現在の水準は23.6%押し、ターゲットとしては38.2%押しの36078.7と重なる36000ドルの大台がターゲットとなりやすい水準と言えるでしょう。いったんこうした押しを挟んで上昇トレンドに戻るのか、下げが続くのかを考えることとなりそうです。