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最高投資ストラテジスト(Saxo Group)
サマリー: 昨夜、第1四半期決算を発表したNvidiaの第2四半期(5-7月期)の売上高見通しは110億ドルと、予想の72億ドルを大幅に上回りました。これを受けて、同社の株価は時間外取引で27%上昇しています。第2四半期のガイダンスは、最も強気な予想さえも上回るサプライズとなり、ChatGPTやBardをはじめとするチャットボットの商業的成功でAI競争が加速する中、AI半導体の需要が驚異的なペースで拡大している現状を浮き彫りにするものとなりました。Nvidiaの成長性に対する極めて強い市場の期待感は、そのバリュエーションに明確に反映されており、収益性で比較するとS&P500種株価指数の構成銘柄で首位に立っています。
※本レポートは自動翻訳を一部修正したものです。原文と和訳に齟齬がある場合は原文が優先されます。
Nvidiaのように時価総額が1兆ドルに迫る企業が決算を発表し、業績への期待感から昨夜ほど市場が大きく反応したケースは、これまで見たことがないと断言できます。Nvidiaは今年2月下旬に行った投資家向けのコンファレンスで、2024年度第1四半期(2-4月期)の売上高は65億ドルに上る見通しであると発表しました。しかし、同社が昨晩発表した決算で売上高の実績は72億ドルに達し、ChatGPTやそれに続くGoogleのBardを巡る熱狂によってAI半導体の需要に予想外の変化が急速なペースで生じていることが浮き彫りになりました。
Nvidiaのジェンスン最高経営責任者(CEO)は「AI半導体の本源的な需要はまだ初期の段階にあり、ここから10年サイクルが始まる」と述べました。こうした発言は決して偽りではありませんが、AIバブルが生じている可能性があり、NvidiaなどのAI関連銘柄がその一部であることを十分に理解していないことを示しています。また、このようなコメントによって多くの個人投資家がすでに過熱気味のAI関連銘柄に吸い寄せられ、一層バブルを醸成することになります。この問題が10年後にどうなっているのかは、誰にもわかりません。AI半導体のアウトプットには極端なばらつきがあり、そのためNvidiaの適正株価を導くことはほとんど不可能です。また、ミスプライスが生じる可能性が高く、バブルにつながりかねません。
12ヶ月先のEV/売上高倍率は、バックテストで最も有益な定量的要因のひとつであり、Qレシオが非常に高いという特性を持ちます。これは、最上位と最下位の十分位数に入る銘柄群のリターンの格差が大きいことを意味します。つまり、EV/売上高倍率が最も高い銘柄は、EV/売上高倍率が最も低い銘柄を大きくアンダーパフォームする傾向にあります。当然ながらこのような現象はあくまでも統計に基づくものであり、常に「外れ値」が生じます。例えばAmazonも20年近くその「外れ値」の一つでした。そのためNvidiaも統計上の傾向に逆らった外れ値となる可能性もあるでしょう。しかしAmazonとNvidiaの重要な違いは、Amazonは小規模なベンチャー企業としてスタートを切った後、大きな成長を遂げたという点です。一方、Nvidiaは時価総額が1兆ドルに迫る企業としてスタートしています。
Nvidiaは今年2月の投資家向けプレゼンテーションで、同社の事業機会は売上高にして約1兆ドルに上るとの見通しを示しています。この数字が、半導体関連の市場全体の売上高を示しているのか、またはNvidiaの将来的な市場シェアに基づくものなのかは、明らかではありません。しかし、同社のスライドは、Nvidiaが予想する市場規模を把握し、今後の見通しを立てる上で有益です。参考までに、今年、世界経済の規模は米ドルに換算(現在の為替レート)して約106兆ドルに達すると予想されています。
しかし、AIがもたらす投資機会はリスクを伴うものであり、アナリストにはそれらのリスクを指摘する義務があります。先日発行した「半導体セクターを待ち受ける事業機会とリスク」では、主に2つの重要なリスクについて指摘しましたが、ここではもう1つのリスクを追加したいと思います。以下は、NvidiaとAI・半導体のテーマ全体における3つの重・要なリスクとなります;