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Chief Investment Strategist
サマリー: 米国の消費者物価指数(CPI)は多くの項目で高止まりしているにもかかわらず、株式市場は総合インフレ率が予想通り低下していることに大きく反応し、トレーダーはFRBが来年1月の会合までに100ベーシスポイントの利下げを実施するとの予想を織り込んでいます。当グループの見解は、危機的な状況が発生しない限り、こうした市場の期待と足元の経済指標との間に関連性を見出すことは困難で、そのつながりは途絶えていると考えています。本稿では、Disneyのストリーミング事業が抱える業績不振の問題と、欧州銀大手ING Groupの力強い第1四半期決算の内容を振り返ります。
※本レポートは自動翻訳を一部修正したものです。原文と和訳に齟齬がある場合は原文が優先されます。
昨日発表された米4月消費者物価指数(CPI)はFF金利先物のフォワードカーブを押し上げ(利下げ予想)、市場がFRBが来年1月の会合までに100ベーシスポイントの利下げを実施するとの予想を織り込中、投資家のセンチメントは上向きました。しかし、こうした市場の予想は、下半期に深刻な経済危機が生じない限り、実体経済との整合性がつかないものとなっています。ここでは、その理由について考えたいと思います。
米国で相次いで公表されている経済指標からは、同国の経済が成長トレンドを辿っていることを示唆しています。名目GDP成長率は前年同期比7%、賃金の中央値は1年前に比べて6.4%上昇しています。最近になって米国の労働市場はやや鈍化しているものの、2020年のパンデミック前に比べると、依然タイト化しています。また、米国の地方銀行の危機にもかかわらず、金融情勢はこのところ緩和傾向にあり、このことも米国経済が金利上昇に耐えられる可能性を示しています。最後に、総合インフレ率が低下する一方で、コアサービスでのインフレは6.3%と、依然高止まりしていることを認識することは重要です(下図参照)。FRBが今年後半から来年初めにかけて目標インフレ率を維持することは現実的ではありません。上記の要因によってフォワードカーブは実体経済を反映していないとみられ、したがって、FRBの利下げを促すには危機的状況に陥る必要があると考えられます。
大幅な利下げを引き起こす可能性のある危機として考えられるのは、米国がデフォルトを回避するために大幅な歳出削減に踏み切った場合です。米国政府の財政赤字は現在、名目GDPの8%を占めており、名目GDPの力強い伸びを支える大きな原動力となっています。もし米国政府が歳出削減を余儀なくされれば、経済に極めてネガティブな影響を及ぼすでしょう。債務を-8%から-4%に削減することは、歳出を3.7%削減することを意味し、予想以上に厳しいリセッションを引き起こす可能性があります。
しかし、FF金利先物のフォワードカーブと実体経済の間に明らかな断絶が生じているにもかかわらず、株式市場はインフレ指標を好感し、株価は上昇しました。これは、株式市場が依然としてハードランディングを想定しておらず、名目経済が成長を続ける一方で実質的には緩やかな景気後退にとどまると予想していることを示唆しています。
数年前、ディズニーは配信事業の未来はストリーミングに委ねられていると判断し、ゲーム事業で遅れを取っていたこともあり、クリティカルマスを獲得するためのプライスリーダー(価格支配力を備えた企業)となることを目指して業界に参入しました。同社の積極的な価格戦略は功を奏し、急速にクリティカルマスを獲得し、2023年度第2四半期(1月~3月)のDisney+の加入者数は、Netflixの加入者数2億3300万人に対して、1億5800万人に達しました。
銀行や資産運用から保険まで幅広い事業を手掛けるオランダの金融サービス大手ING Groupは第1四半期の決算を今朝発表し、純利益が予想12億ユーロを上回り、16億ユーロ(予想12億ユーロ)に達しました。主に純利息収入の伸びと貸倒引当金の減少(貸倒引当金は2億5000万ユーロ減)が予想を上回ったことが寄与しました、これは、INGの顧客が融資残高を著しく悪化させることなく、金利上昇の影響を吸収できていることを示しています。これはマクロ経済とINGの株主のいずれにとっても心強い兆候です。同行の経営陣は将来に明るい見通しを持っており、自社株買いを15億ユーロに増額(時価416億ユーロ)する計画です。また、今年度中の貸倒引当金繰入額を低い水準に維持することに強い自信を持っていると表明しています。INGの配当利回りは4.9%と高い水準にあり、常に配当投資家を魅了してきました。また、自社株買い実施によって株主への総還元利回りは8~9%程度に達する見込みです。同行の株価は足元4%上昇しています。