株価は反発したものの、下落リスクは大きく依然として前途多難 株価は反発したものの、下落リスクは大きく依然として前途多難 株価は反発したものの、下落リスクは大きく依然として前途多難

株価は反発したものの、下落リスクは大きく依然として前途多難

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APAC Strategy Team

サマリー:  イーロン・マスク氏によるTwitterの買収と米国債利回りの低下をきっかけに、米国株は反発しました。アジアでは、中国でのロックダウンの動きが懸念されたほど大きくなく、中央銀行と国務院の発言がプラス材料となったことから、26日朝、中国市場と香港市場は上昇しました。中国の中央銀行は、外貨預金準備率を引き下げることで、人民元の下落ペースがやや速すぎることを示唆しています。


最新の相場動向

26日の反落は小幅にとどまっています。米国の株価指数が3月の安値を割り込む恐れは続いていますが、25日の引けにかけて下げは一服しました。S&P 500(US 500.I)は0.6%上昇して引け、ハイテク株中心のNASDAQ 100(USNAS 100.I)はTwitter買収を受けて1.3%上昇しました。国債利回りの低下も株式市場にプラスとなりました。アジア株式は中国のロックダウンが拡大される恐れから下落圧力を受けていましたが、中国人民銀行が景気を支援する取り組みや発言を強めたことを受けて、下落圧力はやや和らぎました。26日朝には日経平均株価(NI225.I)が0.6%上昇した一方、シンガポールのSTI Index(ES3)は0.4%下落しました。連休明けとなったオーストラリアでは、鉄鉱石などの工業用金属をはじめとするコモディティが反落し、ASX 200は2%近く下落して7356の下値支持線を割り込みました。

中国A株と香港株は反発しました。 中国人民銀行の幹部による追加支援の発言と、国内消費拡大を目指すとの国務院の確約を受けて、CSI300 (000300.I)およびハンセン指数は買い戻され、1%超の上昇となりました。 北京では新たに11地区の住民に新型コロナの検査が義務付けられますが、今回の新たな措置は、懸念されていたロックダウンほど厳格ではありません。 香港市場で売買されている中国の大型株が株価上昇を牽引し、アリババ(Alibaba、09988)、美団(Meituan、03690)、テンセント(Tencent、00700)、京東商城(JD.COM、09618)は3%~10%の上昇となりました。

中国人民銀行が5月15日から外貨預金準備率を9%から8%へと1%引き下げると発表したことを受けて、米ドル/オフショア人民元(CNH)は反落しました。 この発表前には1米ドル=6.609元まで上昇しており、人民銀行の動きの直後に6.57元まで下落しました。 本稿執筆時点では、1米ドル=6.5557元で取引されています。 中国には約1兆500億米ドル相当の外貨預金があるので、今回の1%の引き下げにより銀行システムにおける貸出可能な外貨流動性は約105億米ドル増加することになります。

Twitter(TWTR)の買収は、ソーシャルメディアの未来に一石を投じるものです。イーロン・マスク氏による幅広い変革への期待は、特にインターネット上の言論の自由に関する同氏の考えを踏まえると、どう転ぶか分からない状況です。代替プラットフォームはおそらく既に開発中ですが、それに関心が集まるかどうかは、マスク氏によるTwitterへの変更がどれくらい不評かによって決まるでしょう。


今後の注目点

日銀会合を控えて米ドル/円は下落に転じています。米国債利回りの低下およびオフショア人民元(CNH)/円のクロスポジションの削減という2つの要因から、円安は一服しました。鈴木財務大臣は、日米の外為協調介入協議に関する報道は事実ではないと述べました。米ドル/円は、これまでの大幅な上昇を考えると、さらに下落する余地がありますが、FRBと日銀の政策の相違は引き続き重要なテーマであり、日銀による政策の微調整があるかどうかが注目されます。

穀物の値上がりはいつまで続く可能性があるのでしょうか?米国北部で気温が低下し、降雨量が増えていることは、小麦の生産がさらに遅れることを示しています。トウモロコシ先物も、多雨で作付が遅れ、ブラジルのトウモロコシ生産量も減少する可能性があるとの見方から、価格が上昇しています。年初来でトウモロコシは35%、小麦は40%以上、値上がりしています。建玉明細(COT)報告書によれば、穀物セクターは大幅なネット・ロングとなっています。しかし、全般的なコモディティセクターの下落が続けば、良好なファンダメンタルズにもかかわらず、穀物セクターは投機的な売りにさらされることになります。

IMFは、アジアのスタグフレーションのリスクについて警告しています。アジア地域は、経済成長率が従来の予想より低い一方で、インフレ率が高いというスタグフレーションの見通しに直面しているとIMFは指摘してきました。ロックダウンの長期化や拡大、長引く不動産市場の低迷を背景に、中国で予想以上に景気が減速していることは、アジアにとって大きなリスクとなっています。大半の国で金融引き締めが必要になりますが、引き締めのスピードは国内のインフレ動向と外的な圧力に左右されます。


検討すべき取引アイデア

25日からの週には、S&P 500の時価総額の約半分に相当する企業が決算を発表します。Coca-Cola(KO)やActivision Blizzard(ATVI)の決算発表では、堅調な消費動向と、コスト上昇を転嫁できる力が引き続き示されました。とはいえ、期待外れだったActivision Blizzardの決算は、これから発表されるテクノロジー企業の業績もさらに期待外れになる可能性を示唆していますが、ともかく今後の決算発表を待つしかありません。当社のエクイティ・ストラテジストのピーター・ガンリューは25日の記事で、次のように述べています。「25日からの週の決算で、米国のテクノロジー企業が全体的にインフレの影響から守られていることが示されれば、投資家は途端に大型テクノロジー株をインフレヘッジとして扱い始め、株式市場は幅広く回復する可能性があります。一方で、幅広い非テクノロジー企業は引き続きインフレに苦しむことになります。」

人民元の下落トレンドは変わっていません。中国人民銀行は、25日に外貨預金準備率の引き下げを決定したことで、過去5営業日にわたる人民元安のペースを行き過ぎだと考えているというシグナルを市場に発しています。 一方で、これ以上の引き下げを行わず、昨年12月に行った2%の引き上げ分を反転させないことで、人民元安のトレンドを過度に後退させないようにする意図もあると見られます。8%という水準は、2007年からつい最近の2021年5月までの5%の水準をまだ大きく上回っています。 中国人民銀行が目指しているのは、穏やかな人民元安だと推測されます。特に、輸出見通しが悪化する中で、昨年9月以降、円、韓国ウォン、ユーロなどの貿易相手国通貨に対して急激に進んだ人民元高を反転させようとしているのではないかと思われます。


25日からの週に発表される主な経済指標

4月26日(火)米国耐久財受注、米国新築住宅販売件数
4月27日(水)オーストラリアの第1四半期インフレ指標
4月28日(木)日本の小売売上高、日銀会合、米国GDP
4月29日(金)ユーロ圏の4月インフレ率速報、米国の3月PCE指数、米国雇用コスト指数

 

注目すべき主な決算発表

4月26日(火):Warner Bros.Discovery(WBD)、UPS(UPS)、PepsiCo(PEP)、General Electric(GE)、Alphabet(GOOG、GOOGL)、Microsoft(MSFT)、General Motors(GM)、HSBC(00005)、China Overseas Land & Investment(00688)、Jiangxi Ganfeng Lithium(01772)
4月27日(水):T-Mobile US(TMUS)、Boeing(BA)、Kraft Heinz(KHC)、Ford Motor(F)、Meta Platforms(FB)、Qualcomm(QCOM)、BAIC Motor(01958)、BYD(01211)、BYD Electronic(00285)、China Life Insurance(02628)、Guangzhou Auto(02238)、HKEX(00388)
4月28日(木):Caterpillar(CAT)、Twitter(TWTR)、Comcast(CMCSA)、Merck(MRK)、Amazon(AMZN)、Apple(AAPL)、Intel(INTC)、PayPal(PYPL)
4月29日(金):Exxon Mobil(XOM)、Chevron(CVX)、Colgate-Palmolive Company(CL)、China Molybdenum(03993)、China Vanke(02202)、Haier Smart Home(06690)

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