企業業績に関する楽観、ショートカバー、PayPalを巡る懸念 企業業績に関する楽観、ショートカバー、PayPalを巡る懸念 企業業績に関する楽観、ショートカバー、PayPalを巡る懸念

企業業績に関する楽観、ショートカバー、PayPalを巡る懸念

株式 7 minutes to read
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ピーター・ガンリュー

株式戦略責任者

サマリー:  AlphabetとUPSが1日夜に好調な決算を発表したことから、米国の株式市場のセンチメントは改善し、Nasdaq 100先物は200日移動平均を上回っています。さらにショートカバーが株価の回復を後押ししており、Saxoの顧客の間で明らかにその兆候が見られています。VIXが低下する中で株価が反発していることは、相場状況が落ち着いてきていることを示していますが、金融引き締めとインフレ圧力という基調は持続しているため、株価の下落リスクは依然として高いままです。今回(2月2日付)のエクイティアップデートでは、PayPalの低調な見通しについても取り上げます。


GoogleとUPSの決算でセンチメントが改善

21日夜、Alphabetは第4四半期決算を発表し、売上高(トラフィック獲得コストを除く)およびEPSが好調となり、予想を上回ったことを明らかにしました。これを受けて、時間外取引で株価が上昇し、プレマーケットでは11%上昇となっていることから、全体的なセンチメントが改善しています。またAlphabetは、120の株式分割も発表しました。これにより、個人投資家が同社株を買いやすくなります。Alphabetの決算の唯一のマイナス材料は、Googleのクラウド事業の営業損失が予想を上回ったことです。

Source: Saxo Group

Alphabetの好決算に加え、1日夜にはUPSも、予想を大幅に上回る第4四半期の業績を発表しました。さらに重要なことに、2022年の売上見通しが1,020億ドルと予想の1,000億ドルを上回り、営業利益率の見通しは13.2%の予想に対して13.7%になることが示されました。売上高の成長率が上昇するとともに利益率が拡大していることは、一般に投資家が好む傾向と言えます。また、今後の見通しからも、今後数四半期は需要が堅調だとの見方が強まっています。

最近の決算発表によると、売上高の成長率はNasdaq 100では前期比3.9%S&P 500指数では前期比3%となり、年換算すると非常に高い数字になります。しかし、同じスピードで利益を成長させることができるのはテクノロジー企業だけであり、S&P 500企業は実際には利益率の縮小により利益が減少しています。

決算発表を巡る楽観論を背景に、Nasdaq 100先物は200日移動平均を上回りました。多くの個人投資家が、この水準を転換点、すなわちテクノロジー株を買い戻すタイミングと見ています。終値で200日移動平均を上回っただけで、個人投資家の買いが徐々に増え、短期的にリスクオンの傾向が強まりました。

Source: Saxo Group

ショートカバーが反発を後押し

124日の週から現在までのSaxoの顧客の行動によると、株価の反発を大きく後押ししたのは、ショートカバーを巡る動きだったと見られます。顧客は、127日には相場下落の中で投機的な成長株のショートを加速していました。しかし、いくつかのバブル株やその他の投機的な成長株では、28日の反発の中でショートポジションの半分が買い戻され、31日も買い戻しが続きました。このフローは現在は減少しているため、株価の回復ペースは減速しそうです。

VIX IndexVIXフォワードカーブはともに、株式市場の不安が和らぎ、リスクオンが強まる方向に変化していますが、インフレ圧力を緩和するために来期には大幅な金融引き締めが予想されており、株式市場の根底にあるリスクは持続しています。先進各国における財政刺激策も減少しており、さらに経済成長を鈍化させる圧力になります。我々の見解に変更はありません。すなわち、投資家は、米国金利への感応度を抑えるため、コモディティ、流通、超大型株、半導体、サイバーセキュリティ、インド株などのインフレヘッジ銘柄へとポートフォリオのローテーションを続けるべきだと考えます。

PayPalはプレマーケットで17%下落

決算が楽観視される中で最大のネガティブサプライズとなったのは、PayPalの第4四半期決算で取扱高の減少が明らかになったことでした。さらに、第1四半期の業績見通しではEPS0.87ドル(予想は1.17ドル)、2022年通年見通しではEPS4.60ドル~4.75ドル(予想は5.23ドル)と、大きなネガティブサプライズとなり、市場を動揺させました。同時に、同社は2025年に75,000万口座を目指す目標も取り下げました。PayPalの減速の一因は、以前の親会社であるEBayPayPalからの決済の移行を進めていることですが、買物客が実店舗に戻ってきていることも、Eコマース決済の伸びが鈍化する要因となっています。同社株に対する強気派は、高利回り口座、後払い決済機能、暗号通貨取引などの多くの新口座サービスを理由に挙げるでしょう。しかし今のところ、PayPalは投資家の信頼を失い、同社株はプレマーケットで17%の下落となっています。欧州では、急成長中の決済企業Adyenが最近はPayPalの成長鈍化から影響を受けてきました。一部の投資家は、Adyenも打撃を受けるのではないかと不安視していますが、PayPalの業績に対する22日の投資家の反応から判断すると、Adyenの成長性への信頼は回復しているようです。

Source: Saxo Group

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