株式

サマリー: 今週は銅先物CFDを取り上げます。同価格は景気の先行指標と言われますが、最近は株式市場が持ち直しているにも関わらず銅価格は下げるいっぽうです、何が同価格を下げる要因となっているのか、またここからの値動きはどうなるのかをファンダメンタルとテクニカルの観点から考えます。
銅は産業用途として幅広く利用される非鉄金属のため、銅価格は景気先行指標として見られる商品です。特に消費の5割を中国が占めることから同価格と中国景気とは密接な関係があると言われます。
しかし、ここ1カ月ほどは上海総合など中国の主要株価指数は上昇しているにも関わらず、銅価格は下落する一方となっていて6月3日の月間高値457.35セントから先週24日には363.65セントと3週間で20%以上の下げを演じています。日足チャートをご覧ください。
(チャート提供:サクソバンク証券)3月の年初以来高値から5月までの下げは中国のロックダウンの影響による景気悪化懸念ということで説明が付きますが、直近の下げはインフレ懸念による米国を中心とした利上げの加速が年後半の景気減速を招くという思惑が重石となっているようです。
サクソバンクのエコノミストであるオーレ・ハンセン氏も「危機を脱したかを判断するのは時期尚早で、世界成長に対する見方がどこまで悪化するか、中国が新型コロナウイルスのロックダウンから抜け出す方法を見つけられるか、にかかっている」と中国景気に対してやや悲観的な見方を示しています。
テクニカルには5月安値を下抜けた動きが売りを加速させたと見ることが出来ますが、週足チャートで見ても400セント水準は2021年初から何度か試して抜け切れず今回抜けたという動きです。ここから戻しが入った場合でも6月の下げに対する38.2%戻しが399.44セントと400セント水準と重なっていることから、400セントに向けては戻りが鈍くなっていくと言えそうです。
いっぽう下値はより長いチャートで考える必要があるため、週足チャートをご覧ください。
(チャート提供:サクソバンク証券)コロナショック後の安値と2022年高値の半値押しが352.70セントですが、2021年初にもみあっていた際にサポートとなっていた水準と重なります。350セント水準がサポートとなりやすいと見てよさそうです。当面は世界景気減速懸念を背景に上値が重くなりやすく350~400セントのレンジで上値が重い展開を考えておきます。