中国経済は債務過多に陥り、かつては容易に経済成長を押し上げられた政府の能力には今や限界があり、同国は長期的な調整を経て債務比率を下げ、経済を牽引する輸出への依存度を下げていくことになるというのが当社の見解です。
FedExは物流量減少から打撃
6月20日の米国市場終了後に予定されているFedExの決算発表が注目されます。アナリストは、物流量の減少が打撃となり、2023年度第4四半期(5月31日期末)の売上高は前年同期比3%減の909億ドル、EBITDAは102億ドルから95億ドルに減少すると予想しています。収益性の改善が求められるFedExの決算で投資家が注目するのはコスト削減になるでしょう。経営陣のコスト削減が功を奏していることを示す兆候は、3月に同社が2023年度のEPS見通しを従来の13-14ドルから14.60-15.20ドルに引き上げたときに現れていました。
24年度第1四半期(8月31日期末)の取扱量は引き続き減少すると予想され、2024年度の予想売上高はわずか0.3%増の912億ドルで、さらに悪いことに、現在の2024年度の売上高予想は2022年4月時点と比べて10%以上減少しています。コロナ・パンデミック(世界的大流行)の最中、物量増に加え強力な価格決定力を誇った物流企業の蜜月は終わりを告げ、現在はコスト削減に重点が置かれています。FedExは2027年度までに60億ドルのコスト削減を目指しており、その一環としてトラック輸送よりも低コストの鉄道輸送の割合を8%から15%に引き上げることを計画しています。