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サマリー: 今週は、株式相場の上昇が復活するか、あるいは停滞し再びリスク回避の動きとなるかの分岐点となる可能性があります。インフレ圧力が再び高まり、ガス供給が10日間制限され、農業需要が再び供給を上回っていることが主な懸念材料です。今週は、水曜日(7月13日)の米消費者物価指数(CPI)、期待外れとなる可能性が高い米企業第2四半期決算、中国での新型コロナウイルス感染の再拡大の3つが、相場動向を左右する要因となると当社はみています。アジア太平洋地域の株式市場の動き、イーロン・マスク氏とツイッターの次の展開、そしてオーストラリアの雇用統計を控えて豪ドル円が注目される理由も取り上げます。また、米国のインフレ指標を控えて米ドル円がカギとなるのかについても考察します。
ブルームバーグ商品指数は2022年の安値から5%上昇しました。需要増が再認識され供給不足に対する市場参加者の関心が再び高まったことから、トウモロコシの価格はアジア取引時間に約6%上昇し、小麦の価格は米国取引時間に6.6%上昇しました。一方、ガス価格は、欧州へのガス供給が今後10日間減少することから、5.3%上昇しました。この問題により、今週のガス価格にはリスクプレミアムが加わる可能性が高いと思われます。
中国本土では7月10日、上海の69例を含む352例の新たな局地的感染例が報告されました。上海では、より感染力の強いBA.5亜種の陽性者が初めて報告された後、再び集団検査の実施が発表されました。また、マカオでは土曜日の時点で93名の陽性者が報告され、カジノを含むほとんどのビジネスを7日間停止すると発表されました。マカオのゲーム関連株は軒並み5%から6%、急落しました。中国の国家市場監督管理総局がアリババ(0988.xhkg)とテンセント(00700.xhkg)に対し、過去の独占的行為で罰金を科したことを受けて、インターネット銘柄が下落しました。罰金の額は極めて小さいものですが、中国のインターネット企業をめぐる規制リスクを投資家に再認識させることになりました。アリババは6%、テンセントは3%の下落となりました。ハンセン指数(HIS.I)は2.7%、ハンセンTECH指数(HSTECH.I)は3.9%、CSI300(000300.I)は2%、それぞれ下落しました。
欧州の世界経済の命運は、ロシアからの今後のガス供給にかかっています。本日発表したサクソ・スポットライトで述べた通り、今週注目されるのは(水曜日に発表される米国のCPI)、来週はECBとFRBの政策決定です。しかし、これらは世界市場にとってそれほど重要ではなく、問題はむしろ、ロシアが突然、欧州のエネルギー不足を引き起こした場合です。そのため、状況が明確になり、進展があるまで、欧州地域の資産はリスクプレミアムが加わった価格で取引されることになると予想されます。ガスパイプラインは10日間のメンテナンスのために停止される予定です。しかし、予定通りパイプラインが再開されるまでは緊張が続くでしょう。週末にカナダが、ロシア経済制裁を一時棚上げして、必要な主要部品の輸出を認めると発表したことは、救済材料となりました。しかし最大の懸念は、ロシアが1か月、石油の輸出を停止することです。
6月の工業品卸売物価指数(PPI)は前年同月比6.1%上昇と、5月の6.4%から低下しました(ブルームバーグのコンセンサスは6.0%)。消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇と、5月の2.1%から上昇しました(ブルームバーグのコンセンサスは2.4%)。中国のCPIの上昇幅と、諸外国の中央銀行の積極的な利上げを勘案すると、中国人民銀行が利上げに転じる余地は限定的と当社は考えています。今後の金融政策の主な手段は、銀行貸出の促進を通じた緩和策となるとみられます。
米ドル/円は数週間の保ち合い(レンジ)相場の後、再びドル高を狙える最も簡単なクロス通貨となるかもしれません。6月中旬までは米ドル/円のロングが2022年のドル取引の主流でした。しかしその後、景気後退のリスクが再び高まり基調の転換が促されました。第3四半期の見通しで述べましたように、インフレは現在、FRBにとって最大の脅威であり、これは米国の利回りが上昇することを意味します。このような環境では、円は通常、下押しされます。これは米ドル/円が再び選好されるように見えるかもしれません。
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