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株式にとって史上最悪の上半期、米国債は上昇で下半期をスタート、リセッション懸念の過剰な織り込み、習近平主席が香港訪問

株式 4 minutes to read
チャル・チャナナ

マーケット・ストラテジスト

サマリー:  市場は景気後退を先取りしているため、下半期もインフレが重要な懸念材料になると思われます。市場が需要破壊の懸念を織り込んでいるため、コモディティ・スーパーサイクルの短期的な中断があるかもしれませんが、構造的な供給問題は依然として存在します。米国債は下半期に入り上昇し、ドルは再び上昇しました。


最新の市場動向

全体的な見通し

下半期に入るにあたり、上半期の主要指標の記録的な下落を鑑みると、今後のさらなる試練に備え、警戒することが賢明だと言えます。FRBは1980年代初頭以来最も速いペースで金融引き締めを進めており、今年、既に150ベーシスポイントの利上げが実施され、さらに175ベーシスポイントの利上げが年内に実施されることが市場に織り込まれています。これは量的引き締めとともに実施され、金融システムの流動性が低下することになります。インフレ率は今後も長期的に上昇すると見られ、中央銀行はインフレに対抗するために積極的な姿勢を維持しなければなりません。

市場にとって二番目に大きなリスクになるのは、次の決算発表シーズンです。EPSがマイナスになるという見通しを示した企業が70%を占めているにもかかわらず、アナリスト予想は高いままです。このため、決算が期待外れになり、株式市場がさらに打撃を受けることは確実だと思われます。

アジア太平洋地域の株式市場の大半は下落で下半期をスタート

米国のデータが厳密な意味でのリセッションの可能性を示しているため、市場は依然としてリセッションの懸念に過度にとらわれています。ニューヨーク証券取引所がマイナスで引けた中、アジア株も朝から売られ、石油価格の上昇も重しとなりました。日経平均株価(NI 225.I)はアジア市場の下落を主導し、7月1日の前場は0.9%近い下げとなりました。プーチン大統領が天然ガス工場「サハリン2」をロシアの新事業体に移転する大統領令に署名したという報道を受けて、東京ガス(9531)と大阪ガス(9532)がともに7~9%下落し、日経平均では公益セクターが最も大幅なマイナスとなりました。ロシアの動きにより、両社は主要なエネルギープロジェクトへの投資からの撤退を余儀なくされる可能性があります。

中国のCSI 300(000300.I)は0.3%下落しました。しかし、月間および四半期では上昇となり、アジア太平洋地域の牽引役となりました。中国の大型ハイテク株は、世界の株式市場、中でも米国の超大型ハイテク株の弱気トレンドに逆行する動きとなっています。香港市場は、25周年を記念する祝日で休場となっています。オーストラリアのASX200は+0.3%と、指数で唯一上昇しましたが、第2四半期は12%の下落となりました。シンガポールのSTI(ES 3)は横ばいで推移し、Wilmarが上昇の牽引役となりました。

米国債利回りは3%を割り込む

FRBによる利上げがリセッションを引き起こすのではないかという懸念が高まる中で、米国債は上昇して上半期をスタートしました。米国10年債利回りは夜間に3%を割り込んだ後、アジアの取引時間中にさらに2.95%を下回り、この動きが現地の債券市場にも広がりました。オーストラリアの3年債利回りは、オーストラリア準備銀行(RBA)の決定を翌週に控えて、21ベーシスポイント低下しました。

ドルは夜間の下落分を戻すも緩慢な動き

第3四半期のスタートとなった7月1日は、夜間に米ドルが大幅に下げた後、アジアの取引時間にはコモディティ通貨に対する強い米ドル買いで始まりました。豪ドル/米ドルおよびニュージーランドドル/米ドルは安値を更新し、それぞれ0.685ドル、0.620ドルを割り込みました。10年債利回りがさらに低下して3%を下回ったのに伴い、米ドルは135円に戻しました。豪ドル/円は最も大幅な変動となり、1.5%下落しました。

原油価格(OILUKAUG 22、OILUSJUL 22)は昨年11月以来の下落

原油価格は月間で昨年11月以来の下落となり、六ヶ月以上にわたる一貫した上昇ペースが圧迫される可能性があることを示しています。OPECプラスは、以前の合意の通り、8月の生産量を日量64万8,000バレルに引き上げることを約束しましたが、これが達成可能だという確信はほとんどありません。また、OPECプラスが9月の見通しを8月3日の会合まで延期したことは期待外れでした。中長期的には、供給の制約により強気の上昇相場が続くと思われますが、市場では需要崩壊の懸念が織り込まれていることから、短期的には逆風が続く可能性があります。

考慮すべき点

米国の成長懸念が拡大

米国個人消費は4月の前月比+0.6%から5月には前月比+0.2%に落ち込み、コンセンサス予想の+0.4%を下回りました。この結果、アトランタ地区連銀の「GDPNow」モデルは第2四半期に1.0%の経済縮小を予測しています。そうなれば、米国は二期連続で実質GDPがマイナス成長となり、厳密な意味でのリセッションになります。とはいえ、FRBがインフレを追い回し続ける可能性が高いとしても、米国が幅広いリセッションに向かっているとは我々は考えていません。FRBがインフレ指標として監視している米国のPCE価格指数は、前年同月比6.3%で横ばいとなりました。3月に記録した過去最高の6.6%は下回ったものの、高値近辺にとどまっており、インフレ率が長期的に上昇するという我々の見方を裏付けています。

日本のインフレ率は2%超で推移

日本では、6月の東京消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.3%となり、予想を下回りましたが、コア指数は前年同月比+2.1%と予想通りでした。ガソリン補助金により加速は抑えられているものの、半導体の供給不足による家電製品の値上がりや食料品価格の上昇から、消費者は打撃を受けています。エネルギー価格も+21.7%と、上昇が続きました。一方、日銀短観では、第2四半期には日本の大手製造業は悪化が示され、中小製造業はマイナスが続きました。今後の見通しも弱く、価格圧力はさらに高まると見られます。日銀がどこかの時点で降伏しなければならないとすれば、日本のインフレ圧力、さらに言えばインフレ予想が引き続き重要なデータとなります。

習主席が香港訪問

中国の習近平主席は、新型コロナのパンデミック後初めての国際訪問で、香港の中国統治25周年式典に出席しました。習主席は、香港を中国本土の中央政府の目標にしっかりと組み込むという今後の展望を示しました。また、習主席は香港の新しい指導者、李家超(ジョン・リー・カチョウ)氏を宣誓就任させました。7月1日の記念式典は、「一国二制度」と呼ばれる枠組みのもと、少なくとも2047年までは香港の自由主義制度と資本主義市場を維持するという、50年にわたる中国の約束の中間点にあたります。

検討すべき取引・投資アイデア

Micronの決算はテクノロジー株のセンチメントの警告シグナル

Micron Technology(MU)は6月30日夜、第3四半期(期末は6月2日)決算を発表しました。同社は、第4四半期の業績について、売上が68億ドル~76億ドル(予想は91億4,000万ドル)、EPSが1.43ドル~1.83ドル(予想は2.57ドル)と予想を下回る見通しを明らかにしました。また、消費者需要の落ち込みも示されました。これは、パソコン分野やスマートフォン分野について我々が警告してきたネガティブなセンチメントの兆候を示していますが、メモリーとストレージの需要は維持されています。

 

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