Press Release

サクソバンク 2023年第1四半期予想を発表 〜日本円にとって有利な展開が待ち受けていると予想〜

サクソバンク(Saxo Bank A/S)は、当グループ会社のアナリストチームによる2023年第1四半期の予想を発表しました。

2023年第1四半期予想
https://www.home.saxo/ja-jp/insights/news-and-research/thought-leadership/quarterly-outlook

注目は日本円についてです。昨年末に米ドル/円は150円台まで高騰しましたが、その後日本円は米ドルに対して大幅に上昇しました。第1四半期からおそらく第2四半期初めにかけて、日本円にとって有利な展開が待ち受けていると予想されます。当グループは昨年のレポートでドル/円が「危険な水準まで格差が拡大している」と指摘しました。その後、格差はさらに拡大したものの、最終的にはトレンドは緩やかながらも反転しつつあります。

また、今は無形資産への投資が支配するデジタル経済ではなく、私たちが見て手に触れることができる有形資産、つまり実体経済に目を向ける必要があると考えます。現在、無形資産を主体とする業種はS&P500指数の時価総額の実に90%を占めています。つまり、世界的に進められている財政・金融政策やグリーントランスフォーメーション、そして大量の電力を消費するデジタル化といった目標を達成するには、実体経済が小さすぎるのです。この問題に対処するためにやるべきことは、単純により多くのインフラを建設し、より安価で環境に優しいエネルギーを生み出し、何よりも生産性を高めることであると考えます。


2023年第1四半期予想のトピック

モデルの崩壊
世界の金融市場はコロナやウクライナ侵攻前に戻ろうとしていますが、従来の政治経済モデルはもはや機能しなくなっています。今は無形資産への投資が支配するデジタル経済ではなく、私たちが見て手に触れることができる有形資産、つまり実体経済に目を向ける必要があります。 担当:スティーン・ヤコブセン

株式市場:2023年は痛みを伴う転換期に
1980年代に始まったグローバル化の時代の終わりと共に、世界は転換点を迎えました。従来の経済モデルの崩壊により、過去3年間にわたって有形資産セクターは無形資産セクターをアウトパフォームしています。私たちは、物理的世界の復活というトレンドはまだ始まったばかりであると考えます。 担当:ピーター・ガンリュー

中国経済の再開が、今年も好調なコモディティ市場を牽引
波乱に満ちた2022年を終えて、コモディティ市場は今年に入り好調なスタートを切っています。需要の伸びは今後鈍化する見通しであるものの、主要なコモディティの需給は向こう数年間にわたって逼迫する傾向が続く可能性が高いと予想します。コモディティ市場は昨年に続いて今年もポジティブな展開となる見通しであり、中国の政策がパフォーマンスを左右する展開となりそうです。 担当:オール・ハンセン

ユーロと円は、2023年上半期に最も安全な逃避先となる可能性が
第1四半期からおそらく第2四半期初めにかけて、日本円にとって有利な展開が待ち受けていると予想されます。円がメリットを享受できると考える理由としては、各国中銀が金融引締めのペースを減速しつつある中で、日銀が現行の緩和路線から完全に脱却しないまでも、金融政策の正常化に動き出すとの期待が高まっていることや、今年上半期に世界経済の先行きが予想以上に悪化すれば、これまで円高要因となってきた利回り格差の縮小が生じる可能性があるためです。 担当:ジョン・ハーディ

壊れた欧州経済
実のところ、ユーロ圏の景気は予想以上に堅調です。ユーロ圏経済はリセッションを回避できる可能性があると確信しており、GDP成長率はプラス0.3%~0.4%程度に上振れる公算が大きいと判断しています。ほんの数か月前は、アナリストの9割が2023年の基本シナリオはリセッションであると予想していたことを考えれば、これは驚くべき変化であると言えるでしょう。 担当:クリストフ・ダンビ

オーストラリアは中国経済再開の恩恵を享受できるか?
コモディティの最大消費国である中国が2023年上半期に大規模な調達に動くことによって、資源セクターが恩恵を享受するとの期待があります。中国政府が再び経済成長を目指す中、資源依存型のオーストラリア経済はコモディティ需要の回復による恩恵が期待でき、2023年も好調なスタートを切りそうです。 担当:ジェシカ・アミール

アジア:脱グローバル化する世界における投資機会
アジアでは、これまでの中国依存のモデルが崩壊しつつあります。この傾向は、中国経済の急速な冷え込みにかかわらず、2022年にアジア経済が総じて堅調に推移したことからも明らかです。中国の経済再開は、アジア域内において新たなサプライチェーンモデルの構築や域内協力の発展を促すものと期待できます。これらのポジティブな変化を背景に、世界経済におけるアジアの重要性は、今後も一段と高まっていくでしょう。 担当:チャル・チャナナ

「壊れた成長エンジン」の復旧に動く中国
中国は、経済の本格的な再開に向けて、コロナ規制の解除や不動産セクターに対する支援策、IT業界規制の緩和、インターネット企業の規制緩和、主要な貿易相手国との関係改善に乗り出しました。これらは中国経済に複合的なインパクトをもたらす見通しであり、2023年第1四半期は中国株式市場に一段の上昇をもたらすと同時に、世界のコモディティ市場と経済成長を牽引するでしょう。 担当:レドモンド・ウォン

機関投資家は暗号資産の救世主となるか?
暗号資産は今、根本的な課題に直面しています。個人投資家の取引がこのまま減少すれば、暗号資産市場の投機的な特性は薄れる一方、長期的にはより力強く持続可能なモデルが形成される可能性も期待できます。ただし、投機的な取引が失われれば、大半の暗号資産は存続の危機に晒されるでしょう。今後、暗号資産市場が持続的発展を遂げるためには、暗号資産はそれぞれのルーツに立ち返り、分散化された独自の取引モデルを提供し、経済的に持続可能な資産として成熟することが重要となるでしょう。 担当:マッズ・エバーハート

60/40ポートフォリオは過去のものなのか?
長年にわたり、株式60%債券40%のバランス型ポートフォリオはすでに過去のものであると考えられてきました。60/40ポートフォリオが昨年、機能不全に近い状態に陥ったことは間違いありません。しかし、足元で金利が大きく上昇し、株式市場が弱気相場入りした今、伝統的な60/40ポートフォリオは、2年前と比べてはるかに幸先の良いスタートを切っています。 担当:ピーター・シクス

 
1992年に設立されたサクソバンク(Saxo Bank A/S、以下サクソバンク)は、デンマーク金融監督庁の認可を受け、同国コペンハーゲンに本社を置くグローバルオンライン銀行です。ロンドン、アムステルダム、シンガポール、上海、香港、シドニー、東京、パリ、チューリッヒ、ドバイなど、世界中の金融センターに60国籍以上、2,100人以上の従業員がおり、世界180カ国以上の顧客やパートナーにサービスを提供しています。サクソバンクの取引・投資プラットフォームは25カ国語で40,000以上の商品が提供されています。

サクソバンク証券株式会社は2006年に設立され、サクソバンク(Saxo Bank A/S)の100%子会社であり、金融庁の認可を受けたオンライン証券会社です。150種類以上の通貨ペアを提供する外国為替証拠金(FX)、8,600銘柄以上を取り扱うCFD、米国・欧州・中国をはじめとする11,000銘柄以上を取り扱う外国株式など多彩な商品を競争力のある取引手数料で提供しています。より詳しい情報はwww.home.saxo/jpをご覧ください。

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