Press Release

2023年 株式市場の最新予想をサクソバンクのアナリストが公開

サクソバンク(Saxo Bank A/S)の株式戦略責任者である Peter Garnry (ピーター・ガンリュー) による株式市場の動向分析を発表しました。

■サマリー
昨年第4四半期はエコノミストやアナリストが来るべきリセッションの時期を巡り議論を繰り広げ、著名投資家のウォーレン・バフェットでさえ世界の株式市場が20%下落しても慎重姿勢を維持しました。しかし、今年に入って経済は再び勢いを取り戻し、グロース株を中心にアニマルスピリットの回復が株式市場の上昇を支えています。このところの上昇相場は債券利回りの上昇を吸収し、金利リスクがほぼ相殺されている可能性を示唆しています。ここから先の展開は、経済がリセッションを回避して持続的な回復を遂げるか、あるいは再びリセッション懸念が台頭するかが、鍵となります。


■2023年は好調な滑り出しに
昨年10月に急激な金利上昇が世界の株式市場に与えるインパクトはピークに達し、市場は急速にリセッションリスクを織り込み、不透明なインフレ見通しや経済活動の減速が株式リスクプレミアムの拡大につながり、株式は下落するとのシナリオに傾きました。しかし、昨年の悲観的なシナリオに反して、長期債の利回りと期待インフレ率が切り下がる中、株式市場は年初から徐々に回復を遂げました。昨年12月にはテスラ株や暗号資産を巡る懸念の高まりを背景に、株式市場が大きく売られる局面もありました。しかし、これらの懸念は今年に入って後退し、MSCIワールド・インデックスは年初来で8.3%、バブル株(投機的な成長株)は27%上昇しています。グロース株ではその他にも来週の株式レポートで取り上げる予定のエネルギー貯蔵、半導体、eコマース関連の銘柄が年初から20%以上上昇しています。年初からの力強い上昇を踏まえると、テック株はこのまま長期的に上昇するのか、あるいはテック株の弱気なポジションの入れ替えによる短期的な上昇にとどまるのか、という疑問が湧いてきます。

当グループのシナリオは、「2023年第1四半期予想:株式市場:2023年は痛みを伴う転換期に」( https://www.home.saxo/ja-jp/content/articles/quarterly-outlook/jp--a-painful-phase-transition-08022023 ) で述べた通りです。価値システムの二極化(独裁国家vs民主主義国家)による対立や、過去10年間続いたハイテクブームの陰で放置されてきたインフラの再構築が進む中で、有形資産が無形資産をアウトパフォームするという、痛みを伴う転換期を迎えます。当グループのテーマ別バスケット全体の過去1年間のモメンタムを比較した場合に防衛、再生可能エネルギー、コモディティ、原子力、物流、建設、輸送インフラ関連の銘柄が最も好調なパフォーマンスを上げていることも、当グループのシナリオに沿った変化が生じていることを裏付けています。


■リセッションが相場の鍵に
株式市場にとっての主なリスクは、「リセッション入りするかどうか」ということに他なりません。過去数か月にわたってお伝えしてきたように、米国の主要経済指標はリセッションは避けられない見通しです。ブルームバーグ・エコノミクスのモデルによると、昨年10月時点でアメリカ経済が1年以内にリセッション入りする確率は100%であると推定されています。一方、経済指標は引き続き堅調に推移しており、米経済はクレジット・ブームの最中にあり、キャタピラー社が最近行った決算カンファレンスで言及したように建設需要は持ち直しています。こうした中で、世界経済の再加速が中国の経済再開と重なることによって、インフレ圧力が強まり、長期国債の利回りが足元の水準から一段の上昇に向かう可能性が懸念されます。ただ、その場合も2023年に企業の利益マージンが極端に悪化しない限り、株式が15%〜20%下落する可能性は低いと考えられます。

今、株式市場は理想的なシナリオを織り込んでいます。もしそれが実現するならば、このまま世界経済は再び加速する中でインフレは年率2.5%の水準へと回帰し、中国経済は順調に回復を遂げ、地政学的リスクは大きく悪化せず、エネルギー危機は徐々に収束に向かうことになります。これらが全て同時に起こる可能性はあり、どこかのタイミングで何らかの変化が生じることは間違いありません。ただ少なくとも足元では、株式市場の上昇相場が続いています。ここで警戒すべき点は、コモディティ市場が景気再加速のシナリオに反する相場展開を見せていることです。ブルームバーグ商品指数は年初から4%下落しており、中国経済再開に対してポジティブに反応していないようです。


ピーター・ガンリュー(Peter Garnry)について
2010年にサクソバンクに入社し、現在株式戦略責任者を務める。2016年には、金融市場へコンピューターモデルを応用する手法に特化したクオンツ戦略チームの責任者に就任。株式市場と個別株式の分析を行っています。
https://www.home.saxo/ja-jp/insights/news-and-research/authors/peter-garnry

 
1992年に設立されたサクソバンク(Saxo Bank A/S、以下サクソバンク)は、デンマーク金融監督庁の認可を受け、同国コペンハーゲンに本社を置くグローバルオンライン銀行です。ロンドン、アムステルダム、シンガポール、上海、香港、シドニー、東京、パリ、チューリッヒ、ドバイなど、世界中の金融センターに60国籍以上、2,100人以上の従業員がおり、世界180カ国以上の顧客やパートナーにサービスを提供しています。サクソバンクの取引・投資プラットフォームは25カ国語で40,000以上の商品が提供されています。

サクソバンク証券株式会社は2006年に設立され、サクソバンク(Saxo Bank A/S)の100%子会社であり、金融庁の認可を受けたオンライン証券会社です。150種類以上の通貨ペアを提供する外国為替証拠金(FX)、8,600銘柄以上を取り扱うCFD、米国・欧州・中国をはじめとする11,000銘柄以上を取り扱う外国株式など多彩な商品を競争力のある取引手数料で提供しています。より詳しい情報はwww.home.saxo/jpをご覧ください。

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
所在地 :〒106-6036 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー36F
加入団体:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会

【ご留意事項】

■当予測は、サクソバンクグループのアナリストによるマーケット分析レポートの転載からの寄稿となっております。
■当予測は、いずれも情報提供のみを目的としたものであり、特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
■当予測は、作成時点において執筆者またはサクソバンク証券(以下「当社」)が信頼できると判断した情報やデータ等に基づいていますが、執筆者または当社はその正確性、完全性等を保証するものではありません。当資料の利用により生じた損害についても、執筆者または当社は責任を負いません
■当予測で示される意見は執筆者によるものであり、当社の考えを反映するものではありません。また、これら意見はあくまでも参考として申し述べたものであり、推奨を意味せず、また、いずれの記述も将来の傾向、数値、投資成果等を示唆もしくは保証するものではありません。
■当予測に記載の情報は作成時点のものであり、予告なしに変更することがあります。
■当予測の全部か一部かを問わず、無断での転用、複製、再配信、ウェブサイトへの投稿や掲載等を行うことはできません。
■上記のほか、当予測の閲覧・ご利用に関する「免責事項」 (https://www.home.saxo/ja-jp/legal/disclaimer/saxo-disclaimerをご確認ください。
■当社が提供するデリバティブ取引は、為替相場、有価証券の価格や指数、貴金属その他の商品相場または金利等の変動によって損失を生じるおそれがあります。また、お預けいただく証拠金額に比べてお取引可能な金額が大きいため、その損失は、預託された証拠金の額を上回る恐れがあります。
■当社が提供する外国証券取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。手数料については、「取引金額×一定料率」又は「取引数量×一定金額」で求めた手数料が一回の取引ごとに課金されます。ただし手数料の合計額が当社の定める最低手数料に満たない場合は、手数料に代えて最低手数料を徴収させていただきます。また取引所手数料等の追加費用がかかる場合があります。
■取引にあたっては、取引説明書および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。
■当社でのお取引にかかるリスクやコスト等については、 こちら (https://www.home.saxo/ja-jp/legal/about-trading-risk/saxo-about-trading-riskも必ずご確認ください

サクソバンク証券株式会社
Saxo Bank Securities Ltd.
Izumi Garden Tower 36F
1-6-1 Roppongi Minato-ku
Tokyo 106-6036
〒106-6036 東京都港区六本木1-6-1
泉ガーデンタワー36F

お問い合わせ

国・地域を選択

日本
日本

【重要事項及びリスク開示】

■外国為替証拠金取引は各通貨の価格を、貴金属証拠金取引は各貴金属の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、売買の状況によってはスワップポイントの支払いが発生したり、通貨の金利や貴金属のリースレート等の変動によりスワップポイントが受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■外国為替オプション取引は外国為替証拠金取引の通貨を、貴金属オプション取引は貴金属証拠金取引の貴金属を原資産とし、原資産の値動きやその変動率に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、オプションの価値は時間の経過により減少します。また、オプションの売り側は権利行使に応える義務があります。
■株価指数CFD取引は株価指数や株価指数を対象としたETFを、個別株CFD取引は個別株や個別株関連のETFを、債券CFD取引は債券や債券を対象としたETFを、その他証券CFD取引はその他の外国上場株式関連ETF等を、商品CFD取引は商品先物取引をそれぞれ原資産とし、それらの価格の変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、建玉や売買の状況によってはオーバーナイト金利、キャリングコスト、借入金利、配当等調整金の支払いが発生したり、通貨の金利の変動によりオーバーナイト金利が受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■上記全ての取引においては、当社が提示する売価格と買価格にスプレッド(価格差)があり、お客様から見た買価格のほうが売価格よりも高くなります。
■先物取引は各原資産の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。
■外国株式・指数オプション取引は、対象とする有価証券の市場価格や対象となる指数、あるいは当該外国上場株式の裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動、指数の数値等に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、対象とする有価証券の発行者の信用状況の変化等により、損失が発生することがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。さらに、外国株式・指数オプションは、市場価格が現実の市場価格等に応じて変動するため、その変動率は現実の市場価格等に比べて大きくなる傾向があり、意図したとおりに取引ができず、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。また取引対象となる外国上場株式が上場廃止となる場合には、当該外国株式オプションも上場廃止され、また、外国株式オプションの取引状況を勘案して当該外国株式オプションが上場廃止とされる場合があり、その際、取引最終日及び権利行使日が繰り上げられることや権利行使の機会が失われることがあります。対象外国上場株式が売買停止となった場合や対象外国上場株式の発行者が、人的分割を行う場合等には、当該外国株式オプションも取引停止となることがあります。また買方特有のリスクとして、外国株式・指数オプションは期限商品であり、買方がアウトオブザマネーの状態で、取引最終日までに転売を行わず、また権利行使日に権利行使を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。また売方特有のリスクとして、売方は証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。売方は、外国株式・指数オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れ又は預託しなければなりません。その後、相場の変動や代用外国上場株式の値下がりにより不足額が発生した場合には、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要となります。また売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければなりません。すなわち、売方は、権利行使の割当てを受けた際には、コールオプションの場合には売付外国上場株式が、プットオプションの場合は買付代金が必要となりますから、特に注意が必要です。さらに売方は、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。さらにこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。外国株式・指数オプション取引(売建て)を行うにあたっては、所定の証拠金を担保として差し入れ又は預託していただきます。証拠金率は各銘柄のリスクによって異なりますので、発注前の取引画面でご確認ください。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、取引証拠金を事前に当社に預託する必要があります。取引証拠金の最低必要額は取引可能な額に比べて小さいため、損失が取引証拠金の額を上回る可能性があります。この最低必要額は、取引金額に対する一定の比率で設定されおり、口座の区分(個人または法人)や個別の銘柄によって異なりますが、平常時は銘柄の流動性や価格変動性あるいは法令等若しくは当社が加入する自主規制団体の規則等に基づいて当社が決定し、必要に応じて変更します。ただし法人が行う外国為替証拠金取引については、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用いて通貨ペアごとに算出(1週間に1度)した比率を下回らないように当社が設定します。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、損失が無制限に拡大することを防止するために自動ロスカット(自動ストップロス)が適用されますが、これによって確定した損失についてもお客様の負担となります。また自動ロスカットは決済価格を保証するものではなく、損失がお預かりしている取引証拠金の額を超える可能性があります。
■外国証券売買取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。
■取引にあたっては、契約締結前交付書面(取引説明書)および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。

サクソバンク証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
手数料:各商品の取引手数料についてはサクソバンク証券ウェブサイトの「取引手数料」ページや、契約締結前交付書面(取引説明書)、取引約款等をご確認ください。