下落相場におけるインフレ対策 下落相場におけるインフレ対策 下落相場におけるインフレ対策

下落相場におけるインフレ対策

Søren Otto Simonsen

Senior Investment Editor

サマリー:  急激にインフレが進む中、どのようにして対処すべきなのでしょうか。その方法を探ります。


現金を目減りさせる「無言の暗殺者」と呼ばれるインフレが今、世界中で勢いを増しています。多くの国で、インフレ率は過去40年間で最も高い水準に達しています。例えば、4月のインフレ率は米国で8.3%、欧州では7.5%となりました。大半の中央銀行がインフレ目標を2%以下に設定していることを考えると、現在のインフレ率は非常に高水準にあります。これは、持っているお金で買えるものが少なくなるということなので、理想的な状況ではないことは明らかです。これを防ぐ方法を金融関係者に聞けば、おそらく投資するように言われるはずです。投資のリターンにより財産の目減りを相殺することができる、つまり購買力を維持することができるからです。

しかし、取引プラットフォームにログインしたり、少しニュースに目を通したりすれば、金融市場が全般的に好調ではないことに気付くでしょう。実際、米国の株価指数のS&P 500と欧州のEuro Stoxx 50はいずれも、年初来でほぼ15%下落しています。悲惨な状況のように見えますが、購買力を維持しようと思うならば、目を向けられるところはまだあります。

インフレに負けないようにしながらも下落相場で痛手を負わないようにするには、どこに注目すれば良いのか、当社の株式戦略責任者のピーター・ガンリューとコモディティ責任者のオール・ハンセンに聞いてみました。二人は、これから注目されそうな3つの投資アイデアを示し、現在のような時に役立つアプローチを提案しています。

インフレ連動債

「貯蓄をインフレから守ろうとするなら、インフレ連動債への投資を検討しても良いでしょう。簡単に言うと、インフレ連動債に投資するETF(上場投資信託)などに投資すれば、消費者物価指数に連動して元本が増加する債券に投資することになります。つまり、インフレ率が上昇すれば、金融商品の価値が上がるということです。当然ながら、インフレ率が低下すれば、金融商品の価値も下がるというリスクがあります。また、金利上昇も物価連動債に悪影響を及ぼします」とガンリューは述べています。

コモディティ

「インフレに対抗できそうなもう一つの方法は、幅広いコモディティに投資することです。コモディティは全ての生産品への最も基本的な投入財であるため、コモディティ価格はインフレと比較的強い関連性があります。例えば、家を建てることや新しい車を作ることをはじめ、待ち望まれるグリーントランスフォーメーションに至るまで、どんなことにも、アルミニウム、銅、リチウム、ニッケルなどの大量の工業用金属が必要になります。景気後退のリスクの中でも、これらの価格は維持される可能性が高そうです」 とハンセンは述べています。



「金は投資におけるセーフヘブンだと考えられています。これは、相場環境が厳しい時に目を向けるところという意味です。歴史的に見て金はインフレとの関連性が比較的強く、購買力の低下に対抗する優れた手段の一つだと一般的に考えられています。以前は、金に投資するには金を買う必要があったので難しかったのですが、現在はオンラインで取引できる金ベースの商品があります。しかし、自分が選ぶ商品の種類について把握し、リスクを含めてそれがどう動くのかをしっかりと理解してから、資金を投じる必要があります」 とハンセンは言います。

投資を分散してポートフォリオを守る

何に投資するべきかに関するアイデアとは別に、ガンリューは、注意点とともに、もう一つ考慮すべきことを示しています。「今は投資をするには非常に難しい時期なので、リスクを管理する必要があります。最近の相場は荒れ気味なので注意が必要です。一般的に、資産配分と呼ばれるものを見直す時期に来ていると思われます。これは、株式や債券などの投資資産の構成を意味します。株式から他の金融商品に一部の資金を移す時期に来ている可能性があるということです。」 とガンリューは述べています。

インフレについて

インフレが現金を目減りさせる「無言の暗殺者」と言われるのは、まさにそれが事実だからです。インフレは社会における物価が上昇していることを意味し、社会が金融面でどう進展しているかを示す重要な尺度です。しかし、インフレは現在の世界的な金融インフラの重要かつ有益な部分だとみなされているものの、多額の現金準備と貯蓄にとっては有益とは言えません。なぜなら、価格が上昇すると、その分貯蓄で買えるものが減ることになるからです。

例えば、新しい車を購入するために10,000ドルを貯金したとします。買いたい車は10,000ドルですが、少し余裕を持つために一年待つことにします。インフレ率が8%ならば、翌年にはその車は10,800ドルになります。つまり、さらに800ドル貯めなければ、車を買うことができなくなってしまうのです。10,000ドルの予算の中で800ドルは大した金額ではないと思われるかもしれませんが、時間の経過に伴う複合的な値上がりは多額になる可能性があります。銀行が一般的に投資を推奨するのはそのためです。長期的にプラスのリターンを得る可能性があれば、購買力を維持するのに役立ちます。

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