不確実性が最高潮に達する最中での欧州株 不確実性が最高潮に達する最中での欧州株 不確実性が最高潮に達する最中での欧州株

不確実性が最高潮に達する最中での欧州株

株式 7 minutes to read
PG
ピーター・ガンリュー

株式戦略責任者

サマリー:  本日のエクイティノートでは、欧州で不確実性が最高潮に達したことを受けて株価が予防原則によって押し下げられてため、欧州株が米国株に比べて新安値圏まで下落している状況を紹介します。株式は将来のキャッシュフローを占うものであり、将来を見通すことが全くできなくなってしまうと、投資家は欧州株の評価の引き下げを余儀なくされ、株式のリスク・プレミアムの上昇に拍車をかけます。現在、欧州株は米国株に対して30%割安な水準に評価されていますが、それでも今が欧州株を購入する好機であると主張することは困難です。特に、欧州の競合企業に比べて、米国とカナダの肥料メーカーが天然ガス価格の下落に伴う強い追い風を受けている農薬業界についても取り上げます。


ウクライナでの戦争の最中に将来を具現化できるのか?

国際商品市場の高騰や欧州で大規模な戦争が進行しているにもかかわらず、世界の株式は3月4日の終値ではわずか11%の下落にとどまっています。景気後退の可能性は消えましたが、ウクライナ侵攻に伴う結末の可能性は無限です。これこそ究極の不確実性に関する真の定義であり、株価には企業の成長と将来のキャッシュフローが割り引かれているため、株価評価に対して大きな責任を負っています。基本的には、将来が極めて不確実になり、リスクに関する予防原則に基づくと、株価評価を引き下げ、株式のリスク・プレミアムを押し上げる以外に手立てがないため、ウクライナでの戦争は将来の崩壊を意味しています。

ウクライナでの戦争を受けて、ユーロ建てのトータルリターンでは、欧州株が米国株に対して1999年以来の相対的に低い水準まで下落しています。米国株とのパフォーマンス比較という点での欧州企業の苦難の歴史は実に15年に及び、投資家は反対取引を検討する時期が訪れると見ていますが、短期的には欧州株の不確実性があまりにも高くなっています。

本日の立合いでは、ウクライナが憲法を改正して中立性(NATOやEUなどのいかなるブロックにも加入しないこと)を維持すること、クリミア半島をロシア領と認めること、ならびにルハンスクとドネツクを独立国家として承認することを条件に、ロシアは停戦する用意があるというニュースが報じられるまでは、欧州株が大幅に下落しました。これらの要求は、基本的には、ロシアから以前に伝えられた内容と同じですが、ウクライナに潜在的な平和が訪れる道が開かれたと解釈され、株式市場には安堵感が流れ、株価上昇を演出しました。本日の日中のボラティリティは、「将来を織り込むことができない」ため、短期的なセンチメントがあらゆる動きを駆り立てていることを示しています。

Source: Bloomberg
Source: Bloomberg

12ヵ月物フォワードEV/EBITDAに基づくと、現在、欧州株は米国株より30%割安な水準に評価されており、米国経済がウクライナでの戦争に伴う副次的な影響から比較的守られていることを反映したものであることは言うまでもありません。エネルギーや食糧の安全保障という点では米国のリスクは低くなっています。欧州株と米国株の株価の格差を見る時に注目すべき点は、米国株式市場はハイテク銘柄の比率がはるかに高く、時間とともに上昇してきたことです。最も有効な比較はセクター全体で比較することです。

欧州の製造企業と米国の同業他社を比較すると、市場はパンデミックの期間を通して欧州株を比較的高く評価しており、米国の製造企業に比べると欧州の製造企業が比較的順調に回復していたことを示しています。欧州でエネルギー危機が加速した2021年夏には形勢が逆転し、ウクライナでの戦争によって割引率が再び20%近くまで拡大し、過去最低を記録しました。果たして今は欧州株の買い場なのでしょうか?

ウクライナでの戦争やロシアに対する制裁措置の結末に関する不確実性が最大限に高まっていることを考慮すると、欧州株に対して米国株をオーバーウェイトするのが最も賢明な判断だと見ています。しかし、欧州株市場には、グリーンエネルギー、防衛、鉱業など、今後も成功が見込まれる分野があります。

農薬企業は食糧危機の最中におけるヘッジの一つです

最近のエクイティノートでも何度か指摘してきましたが、国際商品部門、ロジスティクス関連銘柄、サイバーセキュリティ銘柄や防衛銘柄が投資家の循環物色のテーマになっています。欧州の国際商品取引とエネルギー危機の最中には、農薬など、馴染みのないセクターが健闘しています。また米国企業も好調です。肥料生産の重要な材料である天然ガス価格の上昇に伴い、肥料価格はこの1年で大幅に高騰してきました。しかし、米国と欧州における天然ガス価格の格差拡大を背景に、米国やカナダの肥料メーカーは欧州の競合企業より優位に立っており、それぞれの相対パフォーマンスにも現れる可能性があります。ウクライナでの戦争が継続し、農産物が価格上昇圧力を受け続ける限り、これは投資家が今後も継続する取引です。食糧価格の高騰は食糧安全保障を巡る人道的危機を引き起こすという想定外の不幸な結果を引き起こす可能性があり、食糧安全保障はどの国にとっても重要なテーマであるため、ウクライナでの戦争終結に向けて政治勢力を結集させると見ています。下の表には、農薬業界に属し、時価総額が50億ドルを上回る企業が表示されています

Source: Bloomberg

口座開設は無料。オンラインで簡単にお申し込みいただけます。 

最短3分で入力完了!

【ご留意事項】

■当資料は、サクソバンクグループのアナリストによるマーケット分析レポートの転載、もしくは外部のアナリストからの寄稿となっております。
■当資料は、いずれも情報提供のみを目的としたものであり、特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
■当資料は、作成時点において執筆者またはサクソバンク証券(以下「当社」)が信頼できると判断した情報やデータ等に基づいていますが、執筆者または当社はその正確性、完全性等を保証するものではありません。当資料の利用により生じた損害についても、執筆者または当社は責任を負いません。 
■当資料で示される意見は執筆者によるものであり、当社の考えを反映するものではありません。また、これら意見はあくまでも参考として申し述べたものであり、推奨を意味せず、また、いずれの記述も将来の傾向、数値、投資成果等を示唆もしくは保証するものではありません。 
■当資料に記載の情報は作成時点のものであり、予告なしに変更することがあります。 
■当資料の全部か一部かを問わず、無断での転用、複製、再配信、ウェブサイトへの投稿や掲載等を行うことはできません。
■上記のほか、当資料の閲覧・ご利用に関する「免責事項」をご確認ください。 
■当社が提供するデリバティブ取引は、為替相場、有価証券の価格や指数、貴金属その他の商品相場または金利等の変動によって損失を生じるおそれがあります。また、お預けいただく証拠金額に比べてお取引可能な金額が大きいため、その損失は、預託された証拠金の額を上回る恐れがあります。
■当社が提供する外国証券取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。手数料については、「取引金額×一定料率」又は「取引数量×一定金額」で求めた手数料が一回の取引ごとに課金されます。ただし手数料の合計額が当社の定める最低手数料に満たない場合は、手数料に代えて最低手数料を徴収させていただきます。また取引所手数料等の追加費用がかかる場合があります。 
■取引にあたっては、取引説明書および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。 
■当社でのお取引にかかるリスクやコスト等については、 こちらも必ずご確認ください。

サクソバンク証券株式会社
Saxo Bank Securities Ltd.
Toranomon Kotohira Tower 22F
1-2-8 Toranomon Minato-ku Tokyo 105- 0001
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-2-8
虎ノ門琴平タワー 22F

お問い合わせ

国・地域を選択

日本
日本

【重要事項及びリスク開示】

■外国為替証拠金取引は各通貨の価格を、貴金属証拠金取引は各貴金属の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、売買の状況によってはスワップポイントの支払いが発生したり、通貨の金利や貴金属のリースレート等の変動によりスワップポイントが受取りから支払いに転じたりすることがあります。外国為替証拠金取引の手数料については、無料のスタンダードと有料のアクティブトレーダーの二コースがあります。アクティブトレーダーでは取引金額に一定の料率(ステージ1: 0.003%、ステージ2: 0.002%、ステージ3: 0.001%)を掛けて求めた手数料が新規/決済それぞれで課金されます。さらにステージ2と3ではお支払いいただいた手数料の月間合計額が月額標準金額(ステージ2: 6万円、ステージ3: 20万円)に満たない場合は、その差額を追加で徴収させていただきます。ミニマムチャージの設定はありません。ステージはお客様ご自身で事前に選択していただき、月単位で適用されます。変更する場合は翌月以降の月の初日から有効となり、原則として月の途中で変更することはできません。貴金属証拠金取引の手数料についても、無料のスタンダードと有料のアクティブトレーダーの二コースがあります。ただしスタンダードではミニマムチャージが設定されています。アクティブトレーダーの手数料は外国為替証拠金取引と同様の仕組みになります。なお、ステージ2と3における手数料の月間合計額の計算では、外国為替証拠金取引と貴金属証拠金取引で発生した手数料が合算されます。
■外国為替オプション取引は外国為替証拠金取引の通貨を、貴金属オプション取引は貴金属証拠金取引の貴金属を原資産とし、原資産の値動きやその変動率に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、オプションの価値は時間の経過により減少します。手数料については、外国為替オプション取引・貴金属オプション取引ともに無料です。なお、オプションの売り側は権利行使に応える義務があります。
■株価指数CFD取引は株価指数や株価指数を対象としたETFを、個別株CFD取引は個別株や個別株関連のETFを、債券CFD取引は債券や債券を対象としたETFを、その他証券CFD取引はその他の外国上場株式関連ETF等を、商品CFD取引は商品先物取引をそれぞれ原資産とし、それらの価格の変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、建玉や売買の状況によってはオーバーナイト金利、キャリングコスト、借入金利、配当等調整金の支払いが発生したり、通貨の金利の変動によりオーバーナイト金利が受取りから支払いに転じたりすることがあります。手数料については、東京証券取引所上場株式を原資産とするCFD取引の日計り取引は「取引金額×0.05%」の手数料がかかり、建玉を持ち越した場合、キャッシュバック方式により、売買手数料は無料です。ETFを原資産としない株価指数CFD取引と商品CFD取引では売/買、新規/決済の別にかかわらず無料ですが、それ以外は有料となり「取引金額×一定料率」または「取引数量×一定金額」で求めた手数料がかかります。ただし、手数料の合計額が当社の定める最低手数料に満たない場合は、手数料に代えて最低手数料を徴収させていただきます。手数料の料率や金額または最低手数料は取引所や銘柄などによって異なります。
■上記全ての取引においては、当社が提示する売価格と買価格にスプレッド(価格差)があり、お客様から見た買価格のほうが売価格よりも高くなります。
■先物取引は各原資産の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。手数料については、売買手数料と取引所手数料が新規/決済のそれぞれで課金されます。売買手数料は注文単位当りで定められています。ただし、手数料の合計額が当社の定める最低手数料に満たない場合は、手数料に代えて最低手数料を徴収させていただきます。また、建玉を翌日に持ち越すとキャリングコストが発生します。
■外国株式オプション取引は、対象とする外国上場株式の市場価格あるいは当該外国上場株式の裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動等に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、対象とする外国上場株式の発行者の信用状況の変化等により、損失が発生することがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。さらに、外国株式オプションは、市場価格が現実の市場価格等に応じて変動するため、その変動率は現実の市場価格等に比べて大きくなる傾向があり、意図したとおりに取引ができず、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。また取引対象となる外国上場株式が上場廃止となる場合には、当該外国株式オプションも上場廃止され、また、外国株式オプションの取引状況を勘案して当該外国株式オプションが上場廃止とされる場合があり、その際、取引最終日及び権利行使日が繰り上げられることや権利行使の機会が失われることがあります。対象外国上場株式が売買停止となった場合や対象外国上場株式の発行者が、人的分割を行う場合等には、当該外国株式オプションも取引停止となることがあります。また買方特有のリスクとして、外国株式オプションは期限商品であり、買方がアウトオブザマネーの状態で、取引最終日までに転売を行わず、また権利行使日に権利行使を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。また売方特有のリスクとして、売方は証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。売方は、外国株式オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れ又は預託しなければなりません。その後、相場の変動や代用外国上場株式の値下がりにより不足額が発生した場合には、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要となります。また売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければなりません。すなわち、売方は、権利行使の割当てを受けた際には、コールオプションの場合には売付外国上場株式が、プットオプションの場合は買付代金が必要となりますから、特に注意が必要です。さらに売方は、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。更にこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。外国株式オプション取引の取引手数料については、1ロットあたり3.0米ドルが一回の取引ごとに課金されます。その他にも取引所手数料やキャリングコストなど様々な費用がかかります。手数料の詳細は、発注前の取引画面でご確認ください。外国株式オプション取引(売建て)を行うにあたっては、所定の証拠金を担保として差し入れ又は預託していただきます。証拠金率は各銘柄のリスクによって異なりますので、発注前の取引画面でご確認ください。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、取引証拠金を事前に当社に預託する必要があります。取引証拠金の最低必要額は取引可能な額に比べて小さいため、損失が取引証拠金の額を上回る可能性があります。この最低必要額は、取引金額に対する一定の比率で設定されおり、口座の区分(個人または法人)や個別の銘柄によって異なりますが、平常時は銘柄の流動性や価格変動性あるいは法令等若しくは当社が加入する自主規制団体の規則等に基づいて当社が決定し、必要に応じて変更します。ただし法人が行う外国為替証拠金取引については、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用いて通貨ペアごとに算出(1週間に1度)した比率を下回らないように当社が設定します。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、損失が無制限に拡大することを防止するために自動ロスカット(自動ストップロス)が適用されますが、これによって確定した損失についてもお客様の負担となります。また自動ロスカットは決済価格を保証するものではなく、損失がお預かりしている取引証拠金の額を超える可能性があります。
■外国証券売買取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。手数料については、「取引金額×一定料率」又は「取引数量×一定金額」で求めた手数料が一回の取引ごとに課金されます。ただし手数料の合計額が当社の定める最低手数料に満たない場合は、手数料に代えて最低手数料を徴収させていただきます。また取引所手数料等の追加費用がかかる場合があります。
■取引にあたっては、取引説明書および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。

サクソバンク証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会