【マーケットニュース】ドル円相場は米金利見通しと睨めっこ
市場では、今週15日に米10年国債利回りが3.09%と約7年ぶりの高水準を付けましたが、米国のファンダメンタルズにピークアウト感が台頭する中、期待インフレ率は上がらないのではとの見方が台頭しつつあります。原油高に対する警戒感は依然残るものの、暫くは3%挟みで推移するとの見方がマジョリティ化しています。国内の10年債利回りも、日銀の金融政策現状維持で変更は暫くないとの見方が多い模様です。円債市場は、供給イベントをこなしながら金利の落ち着きどころを探っていくのではないでしょうか。 今後のポイントは米30年債金利の上昇がどこでピークアウトするかに注目が集まります。現状では3.25%水準で上値がおさえられている印象があり、今後もこの水準で推移となれば、10年債利回りの上昇は限られると思われます。 15日の海外市場では堅調な内容の米経済指標を背景にドル買い・円売りが加速となりました。15日に発表された4月の米小売売上高は前月比0.3%増となったほか、前月(3月)も上方修正されたことが要因でした。同日発表された5月のNY連銀製造業景気指数も20.1と、予想を大きく上回る結果となりました。為替市場では米連邦準備制度理事会による利上げペースが加速するとの思惑が広がり、米長期金利は2011年以来の高水準である3.07%台まで上昇し、ドル買いを誘発させたわけです。
一方で、北朝鮮が11日から開始された米韓軍事演習に反発を表明し、16日の南北閣僚級会談を中止としました。6月12日に予定されている米朝首脳会談開催をも中止となる可能性も台頭し、市場ではリスクオフムードが広がりリスク回避の円買いが先行しドル円の重荷となりました。 利回り上昇は2018年に広く予想されていた動きの1つではありますが、それでも外為市場にとって15日の10年債利回り上昇はサプライズで、3%は心理的な節目水準であるだけでなく、数十年にわたる債券利回りの低下トレンドの終わりを意味する可能性とも受け止めることも出来ます。特に新興国市場では、ドルを調達資金としたキャリートレードを支えていたのはドル安と低水準の債券利回りで、ドル上昇に伴い、トルコとアルゼンチンの通貨が最初に下落しました。メキシコペソ、ブラジルレアルも下落となり、豪ドル、NZドルも苦しい状況でもあります。問題は市場全体に今後どう波及するかどうかに注目が集まります。現状では、主要な株式・商品市場はほぼ無傷で影響を回避していますが、次の波及先になる可能性を示す警告サインが鮮明になってくるかもしれません。
【来週の注目経済指標】
今後を展望しますと、米国では23日にFOMC議事録(5月1~2日開催分)が公表される予定です。FOMC後に発表された声明文では、インフレに関する文言を中心に修正されました。インフレターゲットを巡る議論の内容が注目されるかと思われます。23日は4月新築住宅販売件数が発表され、24日には4月中古住宅販売件数の発表が予定されています。3月はともに市場の予想を上回っただけに拡大基調が維持されているかに注目が集まります。25日は4月コア耐久財受注が発表予定です。3月は市場予想を下回りましたが、依然企業の景況感は高水準にあるか確認したい指標となります。日本では21日に4月貿易収支が発表される予定です。1-3月期は世界的な景気減速から、日本の実質輸出の鈍化につながっただけに内容が注目されます。
【来週はドル円相場の行方の分岐点?】
本日、東京為替市場ではおよそ1月23日以来の111円台乗せとなりました。米長期金利の3%台が定着しつつある中、日米金利差の拡大が円売り・ドル買いを誘発させました。一方では、投機筋のポジションで、米国債券のショート(売り持ち高)が積み上がっている状況でもあります。米国の経済指標が良好継続ならばよいかと思いますが、経済指標の悪化や米株の大幅下落となれば、ショートカバーが誘発され、米金利が低下することも考えられます。そうなれば、一時的には円買い・ドル売りが進む可能性は高くなります。北朝鮮の非核化を巡る米朝の交渉次第では、朝鮮半島絡みの地政学的リスクが再燃し、また米中貿易摩擦への懸念もくすぶっています。 米金利上昇が新興国からの資金流出につながるとの懸念が台頭し、トルコリラなど一部の新興国通貨には下落圧力が非常に高まっています。現状では新興国の資金流出は局地的にとどまっていますが、リスクオフの円高を招く事態は警戒されます。 1月から3月にみせた円高基調になる可能性を否めないだけに、現在のドル円はある意味分岐点にきているのかもしれません。
▶ 田代岳 「欧州の視点で読み解くマーケット」更新日: 5月18日 | |
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来週は英国指標が目白押し、ポンドの動きに注目 5月10日のBOEのMPCでは金融政策を7対2で据え置きました。ここのところの弱い経済指標が出るまでは5月の利上げが予想されていましたが、1~3月期の成長率の鈍化は一時的としながらも、追加の情報を待つというスタンスに委員会の過半のメンバーが判断したようです。 4月19日発表の英小売売上高は前月比-1.2%、前年比1.1%と予想の-0.5%、2%を下回りました。 | |
▶ 成田博之「需給動向と相関が語る世界」更新日:5月 16日 | |
■ 今週のピックアップ銘柄:NY金先物 世界の基軸通貨は米ドルで、世界経済活動の大きな部分はドル資産に依存していると言っても過言ではないでしょう。一般的にドル安になればその資産価値は減り、投機マネーはヘッジ先として他の通貨や資産を探すことになります。そのひとつのヘッジ先として金があります。 | |
▶ 山中康司 「テクニカル分析に強くなるオートチャーティスト」更新日: 5月 17日 | |
■ 先週のレビュー まず、先週のストラテジの振り返りです。前回はシグナル点灯直後に逆に動いた通貨ペアを積極的にピックアップしてみましたがどうなったでしょうか。 (1)NZDJPYの買い(シグナル点灯5月9日)TP=76.95、SL=75.84 先週執筆時点のレートが75.997、その後のレンジは75.589~75.367とその日のうちにSLの水準へと到達しました。 |
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本日10年債利回りが3.128%まで上昇したことを受けドル円(USDJPY)は111.00円を付け4ヵ月ぶりの円安水準となりました。米長期金利の3%台が定着しつつある中、今後の展開に注目が集まります。
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WTI原油CFD6月限り(OILUSJUN18)は、地政学リスクが引き続き相場を支援し、米在庫が減少したことも背景に17日に71.29ドルまで上昇しました。一方で上げの一服感が出ているとの見方もありここからの更なる上昇には新規の材料が必要との声も出始めているようです。当社では約1万円程の証拠金からWTI原油CFDに投資することができ、買いからも売りからも入ることができます。 *WTI原油CFD6月限り(OILUSJUN18)の最終取引時間は5月19日午前0時です。それまでに決済されなかった場合はシステムにより決済されますのであらかじめご留意いただきますようお願いいたします。新規取引をされる場合は期限に余裕のあるWTI原油7月限り(OILUSJUL18):最終取引時間 6月19日午前0時をお選びいただくことができます。
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