2023年 AI事業投資の最新予想をサクソバンクのアナリストが公開
サクソバンク(Saxo Bank A/S)の株式戦略責任者である Peter Garnry (ピーター・ガンリュー)によるAI事業投資の動向分析を発表しました。
AIセクターへの投資について、「話題のChatGPTが、いずれGoogleの検索エンジンの脅威となり得るといった話は極めて現実味を帯びており、Googleの親会社であるAlphabet社の投資家が抱えるリスクは高まっています」とコメントをしています。
■2023年のAIセクターへの投資について
話題のChatGPTが、いずれGoogleの検索エンジンの脅威となり得るといった話は極めて現実味を帯びており、Googleの親会社であるAlphabet社の投資家が抱えるリスクは高まっています。一方、Alphabet傘下のAI開発企業であるDeepMind は、ChatGPTに対抗する新製品を年内にリリースすると宣言しています。そのテクノロジー自体がすでに革命的なものですが、 特許化されている点や、大規模言語モデル(LLM)のコピーを可能にすることこそ、まさにDeepMindが目指していることです。 ここからの大きな課題は、LLMトレーニングに要する莫大なコストの削減だけでなく、クエリやレスポンスの高速化を実現する上での技術的な課題をクリアすることです。マイクロソフトがはたしてLLMに過剰な投資を行っているのかどうかを見極めるには、まだかなり⻑い時間が必要となります。
■Google株の今後の見通しについて
Alphabet社は2018年以降に売上高、純利益ともに2倍以上拡大しており、依然として強固なビジネス基盤を確立しています。 反トラスト法違反を巡る訴訟は、米国の大手テック企業を取り巻く事業環境の一部として逃れることの出来ないものとなっており、投資家にとってさほど強い懸念材料とはならないと考えています。 それよりもAlphabet社に関する投資家の懸念は、経済全体が減速することで広告単価が減少し、ネット広告事業が打撃を受けることです。そして今、OpenAIのChatGPTがGoogleの検索エンジンビジネスを隅に追いやる可能性が出てきました。マイクロソフトが最近行ったOpenAIとChatGPT開発に100億ドル規模の資金を投じた背景には、Alphabet社とGoogleに対抗する狙いがあると受け取られています。ただし、Alphabet社傘下のAI開発企業DeepMindは、すでにChatGPTに対抗する製品をリリースすると宣言としており、ChatGPTがAlphabet社の事業に与える影響は限定的なものにとどまる可能性もあります。しかし、Alphabet社を保有する投資家が抱えるリスクは確実に高まっています。
■ピーター・ガンリュー(Peter Garnry)について
2010年にサクソバンクA/Sに入社し、現在株式戦略責任者を務める。2016年には、金融市場へコンピューターモデルを応用する手法に特化したクオンツ戦略チームの責任者に就任。株式市場と個別株式の分析を行っています。 https://www.home.saxo/ja-jp/insights/news-and-research/authors/peter-garnry
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