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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: NY原油はEUがロシア産原油の禁輸で合意したことを受け31日に急騰しましたが、その後サウジアラビアがロシア制裁による産出減には増産する用意があると発言したことで急速に値を下げる展開となりました。本日2日にはOPECプラス閣僚級会議が開かれますので、その結果次第ではありますが、ここからの動きを考えます。
WTI原油先物(OILUSconst)は上下の振れが大きく荒っぽい展開が続いています。5月31日には前日にEUがロシア産原油の禁輸で合意したことを受け119.95ドルまで上昇しましたが、すぐに反落し本日2日の東京市場では111.62ドルの安値をつけています。
EUによる合意はハンガリーなどロシアへの依存度が高い国に配慮して、早期に禁輸となるのは3分の2程度、年末までに9割まで禁輸の水準を上げていくこととなります。この決定を受けてNY原油は大幅高となったのですが、サウジアラビアが対ロシア制裁の影響で原油生産が減少する場合増産の用意があると発言したことで下げています。
これまでロシアへの経済制裁による原油高でもOPECによる増産が期待できないと見られたことが需給を逼迫させ原油価格高騰につながっていましたが、110ドルを超える水準であれば増産して利益を得るという方向に動いてもおかしくありません。本日6月2日にはOPECプラス閣僚級会議が予定されていますので、秋以降の増産予定を前倒しで決定する可能性は高いと見られます。
その場合、目先の高値を119.95ドルで見た可能性も高まりますが、テクニカルにはどうでしょうか。日足チャートをご覧ください。
年初来高値とその後の安値のフィボナッチ・リトレースメントを見ると76.4%戻しのターゲットをほぼ達成してからの反落と見られます。また計算点とした4月安値からのサポートラインと平行なラインとで現在の上昇トレンドを考えてみましたが、いったんこの安値と今週高値との38.2%押しの109.62から半値押しの106.43までの調整を挟んで、そこから更に下げるのか、上昇に戻すのかを判断する流れになりそうです。
短期的にはOPECプラスで増産に関する話が出てくると考えると107ドル程度までの押しを見ておいてよいのではないでしょうか。