ようやく食糧価格下落で多少の安心材料 ようやく食糧価格下落で多少の安心材料 ようやく食糧価格下落で多少の安心材料

ようやく食糧価格下落で多少の安心材料

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オール・ハンセン

コモディティ戦略責任者

サマリー:  世界の食糧価格のインフレは3月にピークを付けた後、緩和の兆しを示し、今月に入ってからは、主要なコモディティ先物の大半が値下がりしています。最近の生活費の高騰で多くの人々が困窮する中、値下がりが続けば、世界の消費者に歓迎される安心材料になるはずです。下落を主導してきたのは、ロシアによるウクライナ戦争から最も大きな影響を受けた小麦と食用油です。とはいえ、ウクライナ情勢の緊張と懸念が続いていることを考えると、今シーズンの生産量の水準が明らかになるまでは、下落幅が拡大することはなさそうです。


FAO(国際連合食糧農業機関)によると、現在、年率23%近い水準にある世界の食糧価格のインフレ率は、3月にピークを付けた後、緩和の兆しを示しています。ウクライナ(高品質の小麦の主要供給国であり、ひまわり油の最大の輸出国でもある)がロシアの攻撃を受け、世界的な食糧危機の懸念が高まる水準まで物価が高騰したことを背景に、国連機関が毎月集計するGlobal Food Price Indexは、3月に記録的な高値に達しました。

しかし、その後、一部の懸念は後退し始め、パーム油価格は急落に見舞われました。これは、3月に一時的に輸出規制を実施したパーム油の主要生産国であるインドネシアからの供給が増加するとの見方が浮上したためです。同時に、欧州と北米での冬小麦の収穫によって、ウクライナから黒海への出荷不足に起因する供給の懸念が多少和らぎました。

しかし、インドなどの国やフランスの主要生産地では、依然として天候が最大の懸念材料であり、急激な価格下落の見通しにはまだ確信が持てません。さらに、今年の冬の食糧安全保障の点から重要なことですが、黒海の安全な回廊を通じてウクライナの穀物を輸出する交渉はほとんど進展していません。次の収穫量は大幅に減るとはいえ、それが届く前に前にウクライナの貯蔵庫を空にできない限り、供給可能量が予想より少なくなるという見通しが続くことになります。

各市場の需給逼迫の度合いを測るうえで、スポット先物と一年先に期限が満了する先物との12ヶ月のスプレッドに注目することがよくあります。下のグラフは、過去数年間の農産物市場の推移を非常にはっきりと示しています。2014年からの六年間には、農産物市場は、作物に適した天候と低い投入コストを原動力として豊富な供給に恵まれていました。この間、農産物市場はコンタンゴ(期先物と比べてスポット価格が最も低い状態)で取引されていました。

このような平穏無事の期間が突然中断されたのは、パンデミックにより一時的に供給経路が途絶えた2020年初頭のことでした。それに加えて、太平洋赤道域の気温が平年より低くなるラニーニャ現象が南米をはじめ米国やオーストラリアでも発生し、栽培環境に悪影響を及ぼし始めました。その後、2022年初頭には、軽油と肥料の高騰や、小麦・トウモロコシ・ひまわり油などの主要食糧の世界的供給国であるウクライナへのロシアの攻撃により、価格上昇を支える動向が加速しました。

しかし、3月のピーク以降の下落局面で、CBOTの小麦の一年間のスプレッドは15%近いバックワーデーションから小幅なコンタンゴに転じました。一方、欧州では、パリの小麦の一年間のスプレッドは15%近いバックワーデーションで高止まりしています。これは、現時点での欧州産作物の見通しの厳しさと、今秋のウクライナからの作物供給見通しに関する不透明感を示しています。

マネージドマネー口座(先物市場を利用してレバレッジを効かせたポジションを取ることから投機家としても知られる)は、ここで追跡している9種の食糧コモディティ先物を4月下旬から売り越してきました。そのほぼ一ヶ月後に、価格は下落に転じ始めました。この動きが、買われ過ぎの相場になったためなのか、大幅上昇後に利益を一部確定したかったためなのかは分からないままですが、4月22日には111万2千ロット、額面516億ドルという記録的な水準だったポジションが、直近の6月14日までの一週間の報告では75万ロット、額面350億ドルまで減少しました

4月以降、CBOTの小麦チャートでは、期近の9月限と12月限の先物の両方で、ヘッドアンドショルダーが形成されています。これは、今シーズンの収穫後の最終的な供給状況を最もよく表しています。最近の下落傾向が続き、さらに拡大するには、9月限で10.37ドル(直近は10.36ドル)、12月限では10.48ドル前後(直近は10.52ドル)のネックラインをはっきりと割り込む必要があります。

Source: Saxo Group

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