原油は米国の需要減速の兆候に反応 原油は米国の需要減速の兆候に反応 原油は米国の需要減速の兆候に反応

原油は米国の需要減速の兆候に反応

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オール・ハンセン

コモディティ戦略責任者

サマリー:  景気後退に対するヘッジとして先物を介して「紙」の石油を売るマクロ経済重視のトレーダーと、供給不足により価格が下支えされている現物市場との間で争いが続く中、原油はボックス圏で推移しています。しかし、6月20日からの週にガソリン需要が季節要因に反して予想外に落ち込んだことを受けて、石油市場では、米国の自動車運転者の間で初期の需要崩壊の兆しが見え始めています。


原油価格はボックス圏で推移していますが、昨年11月以来初めて小幅ながら月間でマイナスになる見通しです。ここ一ヶ月間は、世界各国の中央銀行による積極的な利上げにより最終的に燃料製品などの主要コモディティの需要や経済成長が打撃を受けるのではないかという懸念が浮上したことや、中国でロックダウンが長期化していることを受けて、根強い供給懸念は次第に後退してきました。

需要懸念が高まっていることは、既に最近の工業用金属製品の急落の原因となっており、直近では銅が月間で13%下落しました。一方、エネルギーセクターは、例を見ないほどの需給逼迫見通しのため、今のところ、このような調整局面に巻き込まれずに済んでいます。しかし、米国のガソリン需要に減速の兆候が見える中、6月29日には、安全地帯だった原油が下落圧力を受けました。

米国エネルギー情報局の週間在庫報告によると、戦略石油備蓄(SPR)からの大量の注入にもかかわらず、米国の原油備蓄は2014年以来最も低い季節水準まで減少しました。また、WTI原油先物の重要な受け渡し拠点であるクッシングの在庫も、やはり2014年以来最低となる2,130万バレルに減少しました。しかし、市場に影響を及ぼしたのは、最終自動車用ガソリン供給データです。このデータから、より実質的に、米国のガソリン需要が記録的なガソリン価格の高騰に屈していることが明らかになりました。

6月20日からの週に、四週間ローリングベースの予想ガソリン需要は一日あたり893万バレルに減少し、2020年のパンデミックによる急減時を除けば、季節的に2014年以来最も低い水準となりました。米国の自動車運転者のガソリン需要がピークを迎えるのは通常、夏のドライブシーズンが終わる9月上旬であり、シーズン中のこれほど早い時期にピークがずれこんでいることは、需要が鈍化していることを示しています。最近の調査では、今後六ヶ月以内に休暇で自動車を利用する予定の米国人が、過去四年間で最も低い季節水準に減少していることが裏付けられました。

この調査結果に応じて、原油1バレルをガソリンやディーゼルなどの製品に精製する収益性を表す精製マージン(いわゆるクラックスプレッド)は、記録的な高水準から低下しました。現在の水準は、石油精製品市場が引き続き逼迫していることを反映して、依然として過去の平均を大幅に上回っています。

原油先物価格が比較的珍しくもない既存のレンジ内での反落にとどまったことは、持続的な需給逼迫により、価格上昇リスクが続くことを浮き彫りにしています。この需給逼迫の背景には、ロシアの出荷に対して制裁が課されていること、さらには現在の価格で高収益が見込めるにもかかわらず多くの産油国が増産に苦心していることがあります。

我々はやはり、需要崩壊の懸念を相殺する以上に供給の制約が大きくなると考え、警戒しています。6月30日にOPECプラスの会合が行われますが、既に生産目標を一日あたり270万バレル下回っていることが明らかになっています。OPECプラスは、再び現実味のない小幅な増産を形式的に承認することで、2020年のパンデミック開始時に始まった減産からの反転を終える見込みです。今後のOPECプラス諸国の先行き次第ですが、大半の産油国が限界に近い状態であるため、予想外の追加供給の反応はなさそうです。

しかし、短期的には、景気後退に対するヘッジとして先物やその他の金融商品を介して「紙」の石油を売るマクロ経済重視のトレーダーと、供給不足により価格が下支えされている現物市場との間で争いが続く見込みです。この争いの中で、当面、そして流動性が枯渇する今後の夏季休暇シーズンのピーク中には、ブレント原油は100ドル~125ドルの既存のレンジ内、おそらくはさらに狭い110ドル~120ドルのレンジ内で推移する可能性があります。

Source: Saxo Group

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