NY銅(HGN3)

NY銅(HGN3)

商品
山中 康司

アナリスト/アセンダント代表

サマリー:  NY銅は景気後退懸念とともに価格をさげてきましたが、テクニカルにもこれまで抜けられなかったサポート水準を下抜けたことから、1月の年初来安値を更新する可能性が高まってきました。米国では米地銀の経営不安や債務上限問題などリスクオフにつながる材料も多く、当面は景気後退懸念が強まる悪材料として見られることとなるでしょう。


今週は元のスタイルに戻します。

注目銘柄にはNY銅(HGN3、7月限)をピックアップしました。

NY銅(HGN3)

米国では中小金融機関の経営不安が続いている中で、6月1日にも政府機関の一部閉鎖につながる債務上限問題が目先のテーマとなっています。9日に与野党間の協議は行われたものの進展は無く、明日12日の再協議でも期待は出来ないという状況です。

過去にも何度も債務上限に到達が近づくと上限を引き上げることで何とかなってきたということから、今回も最終的には落としどころを見つけて上限引き上げか一時的な上限撤廃という流れに落ち着くとは思いますが、それでも最悪の事態である米国債のデフォルトとなる可能性はゼロというわけではありません。

金融機関問題に債務上限問題も加わり、米国の金融市場はリスクオフに動きやすい流れですが、そうした悪材料が着実に年後半の景気後退懸念につながっていると言えます。景気後退思惑が出てくると銅価格は下げやすい傾向がありますが、直近の銅価格はテクニカルにも一段安となりやすいチャートパターンとなってきました。
HGN3_0512
(チャート提供:サクソバンク証券)

4月下旬から昨日までは3月安値を何度か試したものの下抜け出来ない流れが続いていましたが、本日3月安値を大きく下抜けたことで一段安の可能性が出てきました。

ターゲットとしては年初来安値の372.45と昨年11月28日安値355.00と1月高値435.15の78.6%(61.8%の平方根)押し372.15が重なることから、まずは372ドル台まで下押しする可能性が高いと言えます。そして年初来安値を更新する場合には次のターゲットとして355.00を視野に入れる展開となっていきそうです。

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