ニューヨークダウ、3月下旬以来の大幅上昇
11月29日のNYダウは続伸して始まった。寄り付きは前営業日比84ドル高の24,832.84。パウエルFRB議長のハト派的な発言から、米国東部時間午後12時すぎから急上昇する展開となり、右肩上がりの展開で、617.70ドル高(+2.50%)の25,366.43ドルで引けた。昨日同様、引け値は一日の最高値圏となった。
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ドル円はNY市場のオープン前まで狭いレンジでの取引が続きましたが、NY市場に入りダウを中心に株式市場での買いがリスクオンの動きとなり、昼前には114円台乗せの場面も見られました。しかしパウエルFRB議長が政策金利は中立金利をわずかに下回ると発言したことから、12月のFOMCでの利上げ以降は利上げが行われないかもしれないとの思惑も出て、NYダウは急騰。いっぽうで為替市場ではユーロドルを中心としてドル売りの動きとなりました。後場には113.44レベルの安値をつけ、若干戻しての引けとなりました。いっぽうユーロドルもNY市場前は動意薄の展開が続いていましたが、最近のイタリア予算案の懸念など継続する材料もあって、欧州市場序盤には1.1267レベルの安値をつけていました。しかしパウエル議長の発言をきっかけとしたドル売りの動きにユーロドルは1.1388レベルまで急反発し、こちらも若干押して引けています。
ドル円は、最近のドル高の材料がユーロが弱い動きによるドル高に日経平均高によるリスクオンの動きが重なって、昨日も一時114.04レベルの高値をつけました。しかしパウエル議長が一段とハト派的なコメントを出したことで、今回もまた114円台で反落する動きとなっています。次の注目材料は週末のG20と米中首脳会談後の貿易摩擦問題へと移りますが、こればかりは蓋を開けてみないことには何もわかりません。現在はG20D(事務レベル協議)が行われていますが、首脳会談自体はトランプ大統領主導で言いたいことを一方的に押し付けるこれまでの姿勢に変化が見られない可能性も高く、為替市場はどちらかと言えばリスクオフ方向の動きに注意したいと考えています。本日は上値が重たいものの大きくは動けない展開を考え、113.70レベルをレジスタンスに113.20レベルをサポートとする流れを見ておきます。
ユーロドルは直近までイタリア予算案の展開を懸念したユーロ売りが広がっていただけに、パウエル議長の発言に対するドル売りの動きの影響が強かったと言えそうです。引き続き懸念は残るものの、ポジションを減らす方向に動いている段階ですから本日のところは押し目買い、1.1350レベルをサポートに1.1400レベルをレジスタンスとします。またユーロ円はユーロドルの上昇スピードが速かったことから直近の高値圏を上抜け一時129.26レベルまで上伸しましたが、ここからはもみあいとなりやすく129円を挟んで129.25レベルをレジスタンスに128.75レベルをサポートとする流れでしょう。
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