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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: ドル円は3月に入ってからだけでも10円以上の円安が進行し2015年以来の125円台を見るに至りました。有事のドル買い、日米金利差拡大、日銀の円安容認など円を売る材料ばかりが目立ちますが、今のままで行くと円安は止まらなくなる恐れがあります。ここからの円相場について考えていきます。
ドル円(USDJPY)は2週間前にも取り上げましたが、その後も相変わらず激しい動きを続け、今週月曜には高値125.097と2015年8月以来の125円台をつけ、その後は達成感と警戒から121.302まで押しが入り上値が重くなってきている段階です。
3月第1週には114円台半ばであったことを考えると10円以上もの動きを演じたこととなりますが、1か月のレンジが10円を超えるのは最近ではコロナショック時の2020年3月、トランプラリー時の2016年11月などかなり大きなイベントがあった時です。
それに比べると今回は初動はウクライナ危機によるドル買い、その後は以前同様に日米金利差拡大思惑という金融政策の方向性の違いに目が向かいました。特に日銀が連続指値オペを行い緩和から引き締めへと方向転換を見せる中で、日銀は大規模緩和を継続するということから一気に円安が加速しました。
気になる点としては3月に入り、通貨当局である財務省から大臣が2回、現場トップの財務官が2回、為替市場を注視する、動きが速いといった今回の円安に対してやや警戒をしているという発言があったことです。黒田日銀総裁は相変わらずの円安容認ですが、2015年当時の高値から大きく円高に転換したきっかけは黒田ラインと呼ばれた円安けん制発言でした。今回も黒田日銀総裁が円安容認姿勢を引っ込めれば一気に円高への転換を見るかもしれません。
さらに気になる点としては円安スピードが速い理由として円は弱いというコンセンサスが出来上がってしまったことです。トルコリラは極端な例かもしれませんが、弱い通貨は徹底的に売り込まれるというのが為替市場です。円も今何もしなければ今後も130円を超える円安相場が思いのほか早い段階でやってくるといわざるを得ないでしょう。
目先の動きはテクニカルに考えます。日足チャートをご覧ください。